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2000.08.02
1. 米アラスカ金探鉱 出鉱は2004年夏 住友金属鉱山
2. 日本アトマイズ加工社長に五十嵐昭次氏
3. WDM用光合分波器を大幅増産へ 日立電線
4. 川村次期社長「ビル建材立て直しへ」 三協アルミ
5. 8月積み建値 亜鉛3000円上げ、銅・鉛は横ばい
2. 日本アトマイズ加工社長に五十嵐昭次氏
3. WDM用光合分波器を大幅増産へ 日立電線
4. 川村次期社長「ビル建材立て直しへ」 三協アルミ
5. 8月積み建値 亜鉛3000円上げ、銅・鉛は横ばい
住
友金属鉱山の鈴木良一取締役(資源事業部長)は31日夕、東京・新橋の本社で会見して米アラスカ州で取り組んでいる金探鉱計画「ポゴプロジェクト」(埋蔵金量174トン)の進行状況について語った。その中で、同取締役は「FS(事業化調査)は来年12月に完了。鉱山開発の許認可が下りるのには最短でも18カ月間かかるので、建設期間2年間を含めると出鉱開始は2004年夏になる」と話した。また、事業採算性については「出鉱後の4―5年後に戦力になる」と述べ、2010年ころには同社の利益に貢献する見通しを明らかにした。
同プロジェクトはカナダの鉱山会社テック社と共同で98年から実施しているもの。鉱区の権益は住友鉱の米国子会社が100%所有しているが、完工時点でテック社が40%取得する契約になっている。探鉱区域はアラスカ州デルタジャンクションから北東65キロメートルの場所。これまでの調査では少なくとも2枚の鉱床があるのを発見しており、埋蔵金量は174トン、平均品位トン当たり18グラムを確認。さらに3枚目の鉱床が存在することも分かっている。
会見では坑内を映したビデオを流して現地を紹介した。昨年3月から始まった鉱床までの坑道掘進とそれに伴う坑内試錐は先月までに終了。坑道距離は約2300メートルに及び1枚目の鉱床に着脈、試錐は計128孔のボーリング調査を実施した。それに続き現在は地表試錐などを行っており、今月初旬には鉱山開発許認可の申請をする運び。当初の予定ではFSを今年末までに完了させる運びだったが、坑道掘進が遅れたので来年末を目指している。
操業後の出鉱量は1日当たり2500トン、最大3500トンを計画している。鉱山寿命としては12年を見込んでおり、産金量は年間11―15・6トンを想定。「当社の菱刈鉱山(鹿児島県菱刈町)に比べて金品位は半分だが、出鉱量は4倍になるので金量は多い」(同取締役)という。また、3枚目の鉱床については「坑内展開を急ぎたいので本格的な調査は出鉱開始後になるものの、ポゴのポテンシャルはまだまだある」(同)としている。
同プロジェクトはカナダの鉱山会社テック社と共同で98年から実施しているもの。鉱区の権益は住友鉱の米国子会社が100%所有しているが、完工時点でテック社が40%取得する契約になっている。探鉱区域はアラスカ州デルタジャンクションから北東65キロメートルの場所。これまでの調査では少なくとも2枚の鉱床があるのを発見しており、埋蔵金量は174トン、平均品位トン当たり18グラムを確認。さらに3枚目の鉱床が存在することも分かっている。
会見では坑内を映したビデオを流して現地を紹介した。昨年3月から始まった鉱床までの坑道掘進とそれに伴う坑内試錐は先月までに終了。坑道距離は約2300メートルに及び1枚目の鉱床に着脈、試錐は計128孔のボーリング調査を実施した。それに続き現在は地表試錐などを行っており、今月初旬には鉱山開発許認可の申請をする運び。当初の予定ではFSを今年末までに完了させる運びだったが、坑道掘進が遅れたので来年末を目指している。
操業後の出鉱量は1日当たり2500トン、最大3500トンを計画している。鉱山寿命としては12年を見込んでおり、産金量は年間11―15・6トンを想定。「当社の菱刈鉱山(鹿児島県菱刈町)に比べて金品位は半分だが、出鉱量は4倍になるので金量は多い」(同取締役)という。また、3枚目の鉱床については「坑内展開を急ぎたいので本格的な調査は出鉱開始後になるものの、ポゴのポテンシャルはまだまだある」(同)としている。
三
酸化アンチモンメーカーの日本精鉱は、金属粉末加工の大手メーカーである
日本アトマイズ加工をM&Aしたが、これについて田村敏洋社長は「10日付で日本アトマイズ加工の株式を取得(発行済み株式の55%)するが、同社の社長には、五十嵐昭次・日商岩井顧問(前日商岩井取締役非鉄金属本部長)を起用する。また会長に日本アトマイズ加工の竹上雄輔社長が就任する」と語った。
日本アトマイズ加工は、各種金属の粉末精製加工販売で、精密モーターの軸受けやプリント配線基板向けが主力。資本金3000万円、工場所在地は千葉県野田市、従業員数49人、経常利益4400万円(前3月期)の優良企業。
田村社長によると日本アトマイズ加工との関係は同氏が日商岩井非鉄金属本部長在職中からで、昨年6月、日本精鉱の社長に就任して以来、関心を持ってきた。
この理由は製品価格の基準となるアンチモン地金市況の変動が大きいところから経営の安定化が課題であり、本業に関連した新規事業を物色中であった。一方、オーナ経営者である竹上社長も高齢から事業の譲渡先を探していたわけである。
「今回のM&Aは、当社にとって、経営資源をより有効に活用し、業容を拡大するためであり、株価をみても社の内外で評価されたと思う」としている。
日本精鉱の傘下に入った日本アトマイズ加工の首脳人事は、「役員(2人)、従業員ともに現状のまま引き継ぐが、会長には竹上雄輔社長、社長には五十嵐昭次・日商岩井顧問(前日商岩井取締役非鉄金属本部長)がそれぞれ就任する」と語り、五十嵐新社長も10%の株式取得を明らかにした。
日本アトマイズ加工は、各種金属の粉末精製加工販売で、精密モーターの軸受けやプリント配線基板向けが主力。資本金3000万円、工場所在地は千葉県野田市、従業員数49人、経常利益4400万円(前3月期)の優良企業。
田村社長によると日本アトマイズ加工との関係は同氏が日商岩井非鉄金属本部長在職中からで、昨年6月、日本精鉱の社長に就任して以来、関心を持ってきた。
この理由は製品価格の基準となるアンチモン地金市況の変動が大きいところから経営の安定化が課題であり、本業に関連した新規事業を物色中であった。一方、オーナ経営者である竹上社長も高齢から事業の譲渡先を探していたわけである。
「今回のM&Aは、当社にとって、経営資源をより有効に活用し、業容を拡大するためであり、株価をみても社の内外で評価されたと思う」としている。
日本精鉱の傘下に入った日本アトマイズ加工の首脳人事は、「役員(2人)、従業員ともに現状のまま引き継ぐが、会長には竹上雄輔社長、社長には五十嵐昭次・日商岩井顧問(前日商岩井取締役非鉄金属本部長)がそれぞれ就任する」と語り、五十嵐新社長も10%の株式取得を明らかにした。
日
立電線は1日は、WDM(波長多重電送)用の導波路型光合分波器の需要増加に対応し、高砂工場(茨城県日立市)における同光合分波器の製造設備を増強、月産350個の生産能力を来年1月には1300個と約4倍に引き上げると発表した。投資額は25億円。
同杜の導波路型光合分波器事業は、昨年後半から急速に拡大し、昨年度の売上高は39億円、今年度は約70億円を予想している。すでに今年4月から高砂工場に約20億円を投入し、製造設備を増強してきたが、当初の予測を大幅に上回る勢いで需要が増加。このため、新たに約25億円を投資して生産能力を増強する。
同社は、半導体の微細プロセス技術と光ファイバー造技術を応用し、95年ごろから導波路型光合分波器の開発をしてきたが、97年に世界で初めて8チャンネル対応製品の量産化に成功。さらに、多チャンネル化の流れの中で99年には世界で初めて40チャンネル対応製品の量産化に成功するなど、同分野の技術開発をリード、現在では世界トップシェアを得ている。
今後、同杜は、次世代伝送波長帯域(Lバンド)に対応する製品や、同じPLC(導波路型光平面回路)技術を応用した導波路型可変光アテネータ(VOA)と光合分波器との複台製品などの開発・製品化を進め、さらに導波路型光合分波器の品種構成を拡充する方針。これにより、来年度には導波路型光合分波器全体の売上高を140億円程度に伸びると予想している。
同杜の導波路型光合分波器事業は、昨年後半から急速に拡大し、昨年度の売上高は39億円、今年度は約70億円を予想している。すでに今年4月から高砂工場に約20億円を投入し、製造設備を増強してきたが、当初の予測を大幅に上回る勢いで需要が増加。このため、新たに約25億円を投資して生産能力を増強する。
同社は、半導体の微細プロセス技術と光ファイバー造技術を応用し、95年ごろから導波路型光合分波器の開発をしてきたが、97年に世界で初めて8チャンネル対応製品の量産化に成功。さらに、多チャンネル化の流れの中で99年には世界で初めて40チャンネル対応製品の量産化に成功するなど、同分野の技術開発をリード、現在では世界トップシェアを得ている。
今後、同杜は、次世代伝送波長帯域(Lバンド)に対応する製品や、同じPLC(導波路型光平面回路)技術を応用した導波路型可変光アテネータ(VOA)と光合分波器との複台製品などの開発・製品化を進め、さらに導波路型光合分波器の品種構成を拡充する方針。これにより、来年度には導波路型光合分波器全体の売上高を140億円程度に伸びると予想している。
三
協アルミニウム工業は31日、富山・高岡と東京・赤坂の両本社で記者会見し、川村人志・専務執行役員(東日本営業統括本部長)の社長昇格と、竹平和男社長の副会長就任を発表した。高岡で会見した川村専務は、社長就任に当たり、(1)ビル用オーダー製品の受注後における生産効率化(2)ゼネコンとの価格交渉強化(3)生産面を中心としたコストダウン推進――などを掲げ、ビル建材事業の立て直しと収益改善に力を入れる方針を明らかにした。
今回の社長交代について、荒井久夫会長は、「ゼネコン業界は予想を超す速さで変化している。これにスピーディーな対応を行い、ビル建材を立て直すには、この分野について経験豊富な人が適任」とし、川村専務の社長起用に至った。
なお、竹平社長は、代表権のある副会長として、経営全般を担当する。
▽川村人志氏略歴=1965年上智大学法学部卒、93年取締役仙台支店長、97年常務東京ビル建材支店長、99年取締役専務執行役員東日本営業統括本部長・東京統括支店長、2000年8月30日代表取締役社長(予定)。42年生まれ、宮城県出身、58歳。
【解説】 竹平社長が就任後わずか1年という任期半ばで退き、副会長へ就任することについては、わかりにくい部分が少なくない。竹平社長は記者会見に欠席し、本人から明快な発言を聞くこともなかった。このため、一部で憶測も呼んでいるが、同社は「ビル建材事業の再建が急務」などのことから、社長交代になったとしている。
ビル建材は、東京地区を中心にやや持ち直しているものの、いぜん低迷状態から脱せず、厳しい状態が続く。さらに、金融問題の派生でゼネコンに対する信用不安も出ていることから、ビル建材は難しいところに直面している。
これら難局を打破するには、ビル建材事業に通じ、営業経験豊富な川村取締役が適役と判断した。竹平社長は、経営全般を見ることになる。
また、今回の役員人事では、取締役が増員され、新任取締役3人のうち銀行出身が2人、エクステリア部門1人。これにより、銀行との関係強化を図る一方、ビル建材などと比べ相対的に利益の出せるエクステリア部門に力を入れるものと見られる。
いずれにしても、ビル建材事業はサッシ各社とも頭を悩ませていることから、川村新社長の今後の舵取りに注目が集まりそうだ。
今回の社長交代について、荒井久夫会長は、「ゼネコン業界は予想を超す速さで変化している。これにスピーディーな対応を行い、ビル建材を立て直すには、この分野について経験豊富な人が適任」とし、川村専務の社長起用に至った。
なお、竹平社長は、代表権のある副会長として、経営全般を担当する。
▽川村人志氏略歴=1965年上智大学法学部卒、93年取締役仙台支店長、97年常務東京ビル建材支店長、99年取締役専務執行役員東日本営業統括本部長・東京統括支店長、2000年8月30日代表取締役社長(予定)。42年生まれ、宮城県出身、58歳。
【解説】 竹平社長が就任後わずか1年という任期半ばで退き、副会長へ就任することについては、わかりにくい部分が少なくない。竹平社長は記者会見に欠席し、本人から明快な発言を聞くこともなかった。このため、一部で憶測も呼んでいるが、同社は「ビル建材事業の再建が急務」などのことから、社長交代になったとしている。
ビル建材は、東京地区を中心にやや持ち直しているものの、いぜん低迷状態から脱せず、厳しい状態が続く。さらに、金融問題の派生でゼネコンに対する信用不安も出ていることから、ビル建材は難しいところに直面している。
これら難局を打破するには、ビル建材事業に通じ、営業経験豊富な川村取締役が適役と判断した。竹平社長は、経営全般を見ることになる。
また、今回の役員人事では、取締役が増員され、新任取締役3人のうち銀行出身が2人、エクステリア部門1人。これにより、銀行との関係強化を図る一方、ビル建材などと比べ相対的に利益の出せるエクステリア部門に力を入れるものと見られる。
いずれにしても、ビル建材事業はサッシ各社とも頭を悩ませていることから、川村新社長の今後の舵取りに注目が集まりそうだ。
日
鉱金属は1日、8月積み銅建値をトン24万円で据え置きスタートすると発表、即日実施した。今回の措置により、月間平均建値は前月比で1万1000円値上がりした。なお、平均値の今年最高値は2月の23万5000円。
国内建値の指標となる海外銅相場は、セツルメント・ベースでLMEが1800ドル台半ばで推移、伸び足りない面があるものの比較的安定。NYCは1日入電で1月以来の高値をつけた。
為替動向は、前週後半からTTS1ドル=110円台の円安傾向にある。輸入採算値(諸掛かり費用含む)は前月24日、建値が5カ月ぶりに24万円の水準を回復した後も同値圏を維持、据え置きスタートにつながった。
◇ ◇
三
菱マテリアルは1日、8月積み鉛建値を据え置きのトン当たり8万6000円にすると発表した。前月の平均建値に比べると2000円上回る。
1日入電のLME鉛セツルメントは466ドルで円換算5万1423円、関税2700円を加えると5万4123円、諸掛かりを3万1877円と算出した。
◇ ◇
三
井金属は1日、8月積み亜鉛建値をトン当たり3000円引き上げて16万8000円に改定すると発表した。新建値は99年9月下旬以来10カ月ぶりの高値となり、前月の平均建値16万2200円に比べて5800円上回る。
1日入電のLME亜鉛セツルメントは1155ドルで円換算12万7454円、関税4300円を加えると13万1754円、諸掛かりを3万6246円とみている。
これに伴い、ダイカスト用亜鉛合金販価も3000円引き上げ、ZACNO.1=20万6000円、同NO.2=21万6000円、ZAS=22万6000円とした。
国内建値の指標となる海外銅相場は、セツルメント・ベースでLMEが1800ドル台半ばで推移、伸び足りない面があるものの比較的安定。NYCは1日入電で1月以来の高値をつけた。
為替動向は、前週後半からTTS1ドル=110円台の円安傾向にある。輸入採算値(諸掛かり費用含む)は前月24日、建値が5カ月ぶりに24万円の水準を回復した後も同値圏を維持、据え置きスタートにつながった。
1日入電のLME鉛セツルメントは466ドルで円換算5万1423円、関税2700円を加えると5万4123円、諸掛かりを3万1877円と算出した。
1日入電のLME亜鉛セツルメントは1155ドルで円換算12万7454円、関税4300円を加えると13万1754円、諸掛かりを3万6246円とみている。
これに伴い、ダイカスト用亜鉛合金販価も3000円引き上げ、ZACNO.1=20万6000円、同NO.2=21万6000円、ZAS=22万6000円とした。