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2000.08.10
1. エアコン生産見直し銅管の体制検討 神鋼
2. 銅スクラップ、中国向け輸出に異変
3. 日鉱金属・三井金属、共同販売会社設立へ
4. 6月電線流通在庫 4月比3%減少
5. 本年度の国内銅需要は一段と明るさ増す
6. 8月積み亜鉛建値3000円下げ16万5000円に
7. 1−5月世界銅需給は23万トンが供給不足に
2. 銅スクラップ、中国向け輸出に異変
3. 日鉱金属・三井金属、共同販売会社設立へ
4. 6月電線流通在庫 4月比3%減少
5. 本年度の国内銅需要は一段と明るさ増す
6. 8月積み亜鉛建値3000円下げ16万5000円に
7. 1−5月世界銅需給は23万トンが供給不足に
神
戸製鋼は長期的予測として、海外シフトなどで国内のエアコン生産が年400万台(本冷凍年度650万台)まで減少する可能性があるとみて、その場合の銅管生産体制をどう展開するか検討している。同社は日本、マレーシア、米国の三極生産体制をとっているが、これを戦略的にさらに強化していくことになる。
国内のエアコン需要は、長期的にみて本冷凍年度の700万台が上限とみられて、むしろ減少する可能性があるとされている。
少子化の傾向で、所帯数が長期的に少なくなる方向にあり、エアコンの国内需要が縮小傾向をたどると予想される。
一方、国内の生産は国内エアコンメーカーの海外シフトによって、圧縮されると見込まれる。国内メーカーがコストの安い、東南アジアなどに生産拠点を移し、海外で生産して国内に持ち込む傾向が強まるとされている。
このような需要の変化と生産体制の海外シフトで、5―10年後に国内のエアコン生産が劇的に減少する可能性がある。
もし国内生産体制が、400万台にまで少なくなるとしたら、その場合の生産体制をどうするかを検討しているもの。
同社は国内では秦野工場で、海外ではマレーシア、米国で拠点を持っている。秦野は月5500トン。マレーシアの「コウベ・カッパー・マレーシア社」は秦野から素管の供給を受けて東南アジアに進出した日系家電メーカーへの供給を行って同1200トンを生産。米国の「コウベ・カッパー・プロダクツ」は、同3500トンの能力を持っている。
中国、東南アジア、中近東向けでは、3極一体で受注活動し、各拠点の生産状況に応じて、1ユーザーに対して2拠点が供給するなど、3極体制で最善の供給体制をとっている。
エアコンの国内生産が縮小した場合、これに対応して国内と海外の体制を見直して、海外拠点の能力の増強等を行って効率的に展開していくことになる。
国内のエアコン需要は、長期的にみて本冷凍年度の700万台が上限とみられて、むしろ減少する可能性があるとされている。
少子化の傾向で、所帯数が長期的に少なくなる方向にあり、エアコンの国内需要が縮小傾向をたどると予想される。
一方、国内の生産は国内エアコンメーカーの海外シフトによって、圧縮されると見込まれる。国内メーカーがコストの安い、東南アジアなどに生産拠点を移し、海外で生産して国内に持ち込む傾向が強まるとされている。
このような需要の変化と生産体制の海外シフトで、5―10年後に国内のエアコン生産が劇的に減少する可能性がある。
もし国内生産体制が、400万台にまで少なくなるとしたら、その場合の生産体制をどうするかを検討しているもの。
同社は国内では秦野工場で、海外ではマレーシア、米国で拠点を持っている。秦野は月5500トン。マレーシアの「コウベ・カッパー・マレーシア社」は秦野から素管の供給を受けて東南アジアに進出した日系家電メーカーへの供給を行って同1200トンを生産。米国の「コウベ・カッパー・プロダクツ」は、同3500トンの能力を持っている。
中国、東南アジア、中近東向けでは、3極一体で受注活動し、各拠点の生産状況に応じて、1ユーザーに対して2拠点が供給するなど、3極体制で最善の供給体制をとっている。
エアコンの国内生産が縮小した場合、これに対応して国内と海外の体制を見直して、海外拠点の能力の増強等を行って効率的に展開していくことになる。
銅
スクラップの中国向け輸出に異変が起きている。受け入れ側となる現地の関税額上昇が日本からの輸出事業の採算性を圧迫、バラ積みを手掛ける業者を中心に、国内での仕入れ価格切り下げに動き始めている。
関係筋によると先ごろ、中国での関税法が改定され、銅スクラップについて「税率そのものは、関税5%と付加価値税17%の計22%に変わりないものの、銅スクラップの評価価格が銅分品位に関係なく一律大幅に引き上げられ、結果的に税額が上昇した」という。
実際には、地域や形態によって一様ではなく、まず、広州など華南地方の税関当局を中心に改定された関税法が適用され始め、現行では対象はバラ積み船となっているもようだが、9月にかけて天津など華北地方への範囲拡大、またコンテナ船への適用も必至の情勢だ。
これを受けて、まず日本のバラ積み輸出業者から、スクラップの現地着時期から逆算し、すでに8月明けた段階でミックスメタルを主体に仕入れ価格を平均キロ2―3円切り下げを集荷先に通知、今後はコンテナ輸出業者も追随していくことが見込まれている。
なお、有力業者筋では、単価の高いコンテナ輸出については「切り下げ幅を5円以上にしたい」意向で、集荷先への理解を求めていきたいとしている。
中国向け銅スクラップの輸出は、ここ数年間で定着してきた月間5000トン規模から、現地でのおう盛な需要を背景に今年4月以降は1万トン規模へと急増している。
関係筋では、(1)中国が同月、銅スクラップを含有し、しばしば同一分類で日本から輸出される廃家電の輸入禁止措置を図った(2)昨年末に起きたフィリピン向け医療廃棄物の不正輸出事件の余波(3)環境規制強化という内外の社会的な流れ――などを踏まえ、輸出環境としては「逆風が吹いている」と受け止める向きもあったが、結果はまったく違ったものとなっていた。
ここへきて再び大きな障害が立ちふさがってきたことになるが、割安な低品位スクラップを大量輸出するメリットが薄れたことから、輸出業者は輸出玉を2号銅線クラスなど日本国内でも炉前材になる高品位スクラッフへ移行し始め、仕入れ価格の引き下げとともに対策に乗り出している。
輸出環境の風向きを占う意味からも、こうした対策の成否が今後見守られる。
関係筋によると先ごろ、中国での関税法が改定され、銅スクラップについて「税率そのものは、関税5%と付加価値税17%の計22%に変わりないものの、銅スクラップの評価価格が銅分品位に関係なく一律大幅に引き上げられ、結果的に税額が上昇した」という。
実際には、地域や形態によって一様ではなく、まず、広州など華南地方の税関当局を中心に改定された関税法が適用され始め、現行では対象はバラ積み船となっているもようだが、9月にかけて天津など華北地方への範囲拡大、またコンテナ船への適用も必至の情勢だ。
これを受けて、まず日本のバラ積み輸出業者から、スクラップの現地着時期から逆算し、すでに8月明けた段階でミックスメタルを主体に仕入れ価格を平均キロ2―3円切り下げを集荷先に通知、今後はコンテナ輸出業者も追随していくことが見込まれている。
なお、有力業者筋では、単価の高いコンテナ輸出については「切り下げ幅を5円以上にしたい」意向で、集荷先への理解を求めていきたいとしている。
中国向け銅スクラップの輸出は、ここ数年間で定着してきた月間5000トン規模から、現地でのおう盛な需要を背景に今年4月以降は1万トン規模へと急増している。
関係筋では、(1)中国が同月、銅スクラップを含有し、しばしば同一分類で日本から輸出される廃家電の輸入禁止措置を図った(2)昨年末に起きたフィリピン向け医療廃棄物の不正輸出事件の余波(3)環境規制強化という内外の社会的な流れ――などを踏まえ、輸出環境としては「逆風が吹いている」と受け止める向きもあったが、結果はまったく違ったものとなっていた。
ここへきて再び大きな障害が立ちふさがってきたことになるが、割安な低品位スクラップを大量輸出するメリットが薄れたことから、輸出業者は輸出玉を2号銅線クラスなど日本国内でも炉前材になる高品位スクラッフへ移行し始め、仕入れ価格の引き下げとともに対策に乗り出している。
輸出環境の風向きを占う意味からも、こうした対策の成否が今後見守られる。
日
鉱金属と三井金属は、両社の共同販売会社構想に対する公正取引委員会の回答を受けて、10月発足の方向で共同会社設立の準備を進めている。新会社は日鉱金属グループの韓国LG・ニッコー・カッパー社とも連携して海外の非鉄メジャーに対抗する営業活動を展開することになる。
共同販売会社構想は5月18日に発表され、同時点での概要は銅と硫酸を中心に販売。資本金は4億―5億円。出資比率は日鉱金属65%、三井金属35%。年商は1400億円、従業員数30人。
両社は、今週8日に公正取引委員会の見解が出たので、10月設立の方向で新会社の事業内容などを具体化する考え。新会社の概要は、前回発表とあまり変わらないとみられている。
両社の前年度の銅販売高は合計61万4600トン、1218億800万円でシェア39%。本年度は日鉱金属が増産するため、販売量が増えてシェアは40%程度になる見通し。
共販会社が発足すれば、銅製錬業界においてダントツの販売シェア(第2位の三菱マテリアルは24%)を占めることになる。また、日鉱金属は銅建値を発表しており、建値についても新会社から発表される見込み。このため、新会社は数量、価格の両面で日本の銅業界のリーダーシップを取る得る企業となる。これまでも日鉱金属が銅業界のリーダーシップを取っていた。
ただ、新会社は世界の非鉄メジャーに対抗していくことを目的としており、国内の産銅業界での共存という観点は薄い。このため、韓国のLG・ニッコー・カッパーとも連携するものとみられ、連携が実現すれば、年100万トンを超える世界第2位ないし第3位の事業規模の会社となる。
また、新会社は両社の銅硫酸営業部門の統合による効率化も実現、販売コストの削減が可能となる。
新会社の出現は、国内での銅市場には差し当たって大きな影響を与えないとみられるが、アジアの銅市場においては強力な供給ソースとなる。
共同販売会社構想は5月18日に発表され、同時点での概要は銅と硫酸を中心に販売。資本金は4億―5億円。出資比率は日鉱金属65%、三井金属35%。年商は1400億円、従業員数30人。
両社は、今週8日に公正取引委員会の見解が出たので、10月設立の方向で新会社の事業内容などを具体化する考え。新会社の概要は、前回発表とあまり変わらないとみられている。
両社の前年度の銅販売高は合計61万4600トン、1218億800万円でシェア39%。本年度は日鉱金属が増産するため、販売量が増えてシェアは40%程度になる見通し。
共販会社が発足すれば、銅製錬業界においてダントツの販売シェア(第2位の三菱マテリアルは24%)を占めることになる。また、日鉱金属は銅建値を発表しており、建値についても新会社から発表される見込み。このため、新会社は数量、価格の両面で日本の銅業界のリーダーシップを取る得る企業となる。これまでも日鉱金属が銅業界のリーダーシップを取っていた。
ただ、新会社は世界の非鉄メジャーに対抗していくことを目的としており、国内の産銅業界での共存という観点は薄い。このため、韓国のLG・ニッコー・カッパーとも連携するものとみられ、連携が実現すれば、年100万トンを超える世界第2位ないし第3位の事業規模の会社となる。
また、新会社は両社の銅硫酸営業部門の統合による効率化も実現、販売コストの削減が可能となる。
新会社の出現は、国内での銅市場には差し当たって大きな影響を与えないとみられるが、アジアの銅市場においては強力な供給ソースとなる。
全
日本電線販売業者連合会はこのほど、6月末時点の電線流通在庫状況(アンケート調査)をまとめた。それによると在庫量は合計3311トンと前回調査の4月末時点に比べ3・0%、102トン減少した。関東、関西の主要地区でのCVの減少が目立つ。1社当たり平均在庫量は4月比1トン減の69トン(前年同期50社、71トン)。回答数は関東、中部各1社減、関西1社増の計48社(4月49社)。
品種別にみると、IV、CVの2品種が4月調査に比べて減少、他の3品種は増加。IVは18トン減の744トン(前年同期782トン)、VVRは1トン増の271トン(同261トン)、VVFは1トン増の351トン(同345トン)、CTは2トン増の161トン(同173トン)、CVは88トン減の1784トン(同1991トン)。
地区別にみると、関東、関西、中部、九州、中国の5地区が4月比減少。関東は117トン減の1068トン、1社平均で3トン減の63トン(前年同期77トン)。関西は12トン減の1578トン、1社平均で24トン減の175トン(同162トン)。
銅建値は4月末21万円の後、6月末22万円と底堅く推移、6月の建設・電販向け電線出荷は住宅建設の回復などにより前年同月比8・3%増の3万700トンと8カ月連続で増加。ただ、流通在庫は東京、大阪を中心に圧縮傾向が強い。
品種別にみると、IV、CVの2品種が4月調査に比べて減少、他の3品種は増加。IVは18トン減の744トン(前年同期782トン)、VVRは1トン増の271トン(同261トン)、VVFは1トン増の351トン(同345トン)、CTは2トン増の161トン(同173トン)、CVは88トン減の1784トン(同1991トン)。
地区別にみると、関東、関西、中部、九州、中国の5地区が4月比減少。関東は117トン減の1068トン、1社平均で3トン減の63トン(前年同期77トン)。関西は12トン減の1578トン、1社平均で24トン減の175トン(同162トン)。
銅建値は4月末21万円の後、6月末22万円と底堅く推移、6月の建設・電販向け電線出荷は住宅建設の回復などにより前年同月比8・3%増の3万700トンと8カ月連続で増加。ただ、流通在庫は東京、大阪を中心に圧縮傾向が強い。
2
000年度の国内銅需要は一段と明るさが増している。エアコンの売れ行き好調で下期の銅管向け銅需要が好調に推移するとみられているためで、前年度(123万トン)を上回ると予想されている国内銅需要は、さらに拡大する方向にある。
本年度の国内銅需要は、前年度に比べて微減とみられていた電線が前年を上回る方向にあり、伸銅はIT関連の好調に加えて、エアコン向けの銅管が期待出来る見通しと、主力の電線・伸銅ともに順調に推移すると見込まれている。
電線は設備投資関連の需要が不調であるとされてきたが、IT関連の投資が動き出しているので、前年同期を上回って推移している上期を、下期がやや上回るのではないかと予想される。 伸銅はIT関連の需要が好調である。ただし伸銅メーカーの設備能力が限界にきており、今以上の増産は目立って期待出来ないため、この方面での需要の伸びは大幅ではないとされている。
これに対して、最近になってにわかに伸銅で期待出来るようになったのは銅管である。猛暑によってエアコンの売れ行きが絶好調となり、9月の今冷凍年度末のエアコン在庫が150万台以下(前年度200万台以上)と大幅に減少する見込みとなったことから、10月からの新冷凍年度の生産が上向くとされている。
このように電線・伸銅ともに、ここにきて明るい材料が出てきたため、本年度の国内銅需要は、一段と上向くとの期待感が広がっている。
本年度の国内銅需要は、前年度に比べて微減とみられていた電線が前年を上回る方向にあり、伸銅はIT関連の好調に加えて、エアコン向けの銅管が期待出来る見通しと、主力の電線・伸銅ともに順調に推移すると見込まれている。
電線は設備投資関連の需要が不調であるとされてきたが、IT関連の投資が動き出しているので、前年同期を上回って推移している上期を、下期がやや上回るのではないかと予想される。 伸銅はIT関連の需要が好調である。ただし伸銅メーカーの設備能力が限界にきており、今以上の増産は目立って期待出来ないため、この方面での需要の伸びは大幅ではないとされている。
これに対して、最近になってにわかに伸銅で期待出来るようになったのは銅管である。猛暑によってエアコンの売れ行きが絶好調となり、9月の今冷凍年度末のエアコン在庫が150万台以下(前年度200万台以上)と大幅に減少する見込みとなったことから、10月からの新冷凍年度の生産が上向くとされている。
このように電線・伸銅ともに、ここにきて明るい材料が出てきたため、本年度の国内銅需要は、一段と上向くとの期待感が広がっている。
三
井金属は9日、8月積み亜鉛建値をトン当たり3000円下げて16万5000円に改定すると発表した。平均建値は16万5800円となる。
9日入電のLME亜鉛セツルメントは1150・5ドルで円換算12万6210円、関税4300円を加えると13万510円、諸掛かりを3万4490円とみている。
これに伴い、ダイカスト用亜鉛合金販価も3000円下げ、ZAC1=20万3000円、同2=21万3000円、ZAS=22万3000円とした。
9日入電のLME亜鉛セツルメントは1150・5ドルで円換算12万6210円、関税4300円を加えると13万510円、諸掛かりを3万4490円とみている。
これに伴い、ダイカスト用亜鉛合金販価も3000円下げ、ZAC1=20万3000円、同2=21万3000円、ZAS=22万3000円とした。
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1−5月世界銅需給は23万トンが供給不足に
国
際銅研究会(ICSG)まとめによると、5月の世界の精錬銅生産は前月比4・68%増の125万2000トン、同消費は0・77%増の130万6000トンだった。
4月の同生産は119万6000トン、消費は129万6000トン。1―5月の同生産累計は608万8000トン(前年同期は588万5000トン)で前年同期比3・44%増、消費は631万8000トン(同579万6000トン)で同9・0%増加した。この結果、同期の精錬銅需給は前年同期の8万9000トンの供給過剰から23万トンの供給不足に転じている。 なお、7月末のLME、COMEX、SHMEの精錬銅在庫は64万7521トンで前月の69万6524トンから4万9003トン減少した。7月のLME現物相場平均はトン当たり1799ドル、前月は同1753ドルだった。 |