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2000.09.13
1. 台湾のアルミ二次合金業界 再編は終息の方向へ
2. 伸銅品、9月以降も納期遅れ続く
3. アルミ圧延品需要 IT関連向け好調
4. 三菱マテ、ディンプルバー超硬シャンクを発売
5. 理研電線、白根工場でISO14001を取得
2. 伸銅品、9月以降も納期遅れ続く
3. アルミ圧延品需要 IT関連向け好調
4. 三菱マテ、ディンプルバー超硬シャンクを発売
5. 理研電線、白根工場でISO14001を取得
台
湾のアルミ二次合金業界の再編が終息に向かいつつある。昨年経営破綻した同国最大手のニューサン(紐新企業、高雄市)は現在、銀行管理下で中小メーカーに生産を委託、97年に倒産したフェンアン(峰安金属工業、高雄県)も生産規模を大幅に縮小し別会社に操業を移管した。2大メーカーが事実上市場から撤退したことで、台湾二次合金メーカーの日本への影響力は大きく後退した。今後は中国・上海に生産拠点を持つシグマ・ブラザーズ(新格發企業、高雄市、黄耀濱社長)など、台湾よりコスト競争力のある中国メーカーが輸入地金の主役の座に躍り出そうだ。
ニューサンは月産能力2万トンを持ち、ピーク時にはトヨタグループなど日本向けに数千トン規模を輸出していた。しかし、相次ぐ設備拡張とその資金調達のために上場した株式市場の暴落などで経営が破綻。現在は大口債権者の銀行管理のもと契約残を履行するため、月間約2000トンの委託加工で販売を継続している。
ただ、景気低迷が続く台湾では、不良債権を多く抱える銀行の再編問題が浮上しており、「ニューサンの再建は困難」(台湾の大手合金メーカー)との見方が強い。
一方、フェンアンは生産能力8000トンの台湾第2位メーカーとして、月間約5000トンの生産を行っていたが、国会議員を務める社長の政治資金に収益の大部分が流用されたほか、株式への投資にも失敗。負債総額は500億円とも1000億円ともいわれる中、鉄鋼と亜鉛も手掛けていた工場が閉鎖された。現在は社長の個人資金で設立された屏東県にある別会社で月間2000トンの生産が行われているもよう。ただ、債権の返済を延期している銀行側も「いずれ何らかの厳しい措置を取ることは確実」(日系大手商社)とみられており、同社の再建もほぼ絶望的となっている。
両社ともいわば本業以外で経営が行き詰まったわけだが、他の合金メーカーが置かれている立場も決して楽観できる状況にない。原料スクラップの大部分を割高な輸入に依存しているうえ、近年の人件費の高騰や環境対策への投資などコストアップ要因が膨らんできているためだ。
ニューサン、フェンアンの消滅で一躍トップメーカーとなったシグマは台湾の本社工場(月産約3500トン)を国内販売の拠点と位置付ける一方、日本などへの輸出は94年に進出した上海シグマ(上海市、月産約9000トン)に軸足を移すなど業務内容を明確に分離している。中堅メーカーの林新實業(KINMAX、高雄県、張清諒社長)は生産量を従来から取引のある日系ダイカストメーカーへの供給責任を果たせる「月産1200トンペース」(張社長)に絞り、堅実経営を掲げる方針。
かつて日本市場を席巻した台湾の二次合金メーカー各社は業界再編の大きなうねりを経て、それぞれ収益に見合う体質への転換を進めている。
ニューサンは月産能力2万トンを持ち、ピーク時にはトヨタグループなど日本向けに数千トン規模を輸出していた。しかし、相次ぐ設備拡張とその資金調達のために上場した株式市場の暴落などで経営が破綻。現在は大口債権者の銀行管理のもと契約残を履行するため、月間約2000トンの委託加工で販売を継続している。
ただ、景気低迷が続く台湾では、不良債権を多く抱える銀行の再編問題が浮上しており、「ニューサンの再建は困難」(台湾の大手合金メーカー)との見方が強い。
一方、フェンアンは生産能力8000トンの台湾第2位メーカーとして、月間約5000トンの生産を行っていたが、国会議員を務める社長の政治資金に収益の大部分が流用されたほか、株式への投資にも失敗。負債総額は500億円とも1000億円ともいわれる中、鉄鋼と亜鉛も手掛けていた工場が閉鎖された。現在は社長の個人資金で設立された屏東県にある別会社で月間2000トンの生産が行われているもよう。ただ、債権の返済を延期している銀行側も「いずれ何らかの厳しい措置を取ることは確実」(日系大手商社)とみられており、同社の再建もほぼ絶望的となっている。
両社ともいわば本業以外で経営が行き詰まったわけだが、他の合金メーカーが置かれている立場も決して楽観できる状況にない。原料スクラップの大部分を割高な輸入に依存しているうえ、近年の人件費の高騰や環境対策への投資などコストアップ要因が膨らんできているためだ。
ニューサン、フェンアンの消滅で一躍トップメーカーとなったシグマは台湾の本社工場(月産約3500トン)を国内販売の拠点と位置付ける一方、日本などへの輸出は94年に進出した上海シグマ(上海市、月産約9000トン)に軸足を移すなど業務内容を明確に分離している。中堅メーカーの林新實業(KINMAX、高雄県、張清諒社長)は生産量を従来から取引のある日系ダイカストメーカーへの供給責任を果たせる「月産1200トンペース」(張社長)に絞り、堅実経営を掲げる方針。
かつて日本市場を席巻した台湾の二次合金メーカー各社は業界再編の大きなうねりを経て、それぞれ収益に見合う体質への転換を進めている。
伸
銅品の納期遅延問題は9月以降も改善されるメドが立っていない。特に遅延化が顕著になっている品種は黄銅棒、黄銅条、リン青銅板・条、ベリリウム銅合金などIT(情報技術)産業関連向けを中心とした材料で、メーカーの供給能力を上回るおう盛な需要による。これら品種の納期は平均して1・5カ月から2カ月程度にわたり、中には数カ月を要する品種も出るなど、「異常な事態が恒常化」(伸銅品問屋)している。
都内の大手・中堅伸銅品問屋によると、9月に入ってからの伸銅品需要は納期が遅れている黄銅棒、黄銅条、リン青銅板・条、ベリリウム銅合金などが夏休み以前と比べてほぼ同レベル、品種によっては若干上回る堅調な状態が続いている、という。
ただ、伸銅メーカー各社は予定通り夏休みを実施したことから、9月の供給量は減少気味となりそうだ。堅調な需要に対して、少しでもメーカーの供給が減少すると、以前にも増して需給ギャップが取りざたされることになる。
黄銅条やリン青銅板・条の場合、携帯電話、パソコン、ゲーム機などIT関連のおう盛なコネクター需要が続き、また、黄銅棒は中径サイズを中心に細物では10―14ミリなどが幅広い需要分野で伸びている。
伸銅品問屋によると、「即納は受注を断わらざるを得ない状況にある。今は定期的な納期に迫られ、何とか仲間から玉を手当てしながら急場をしのいでいる。輸入玉はほとんど当てにならない」という。
いずれにしろ、これら伸銅品の納期遅延は足元の受注状況から判断して、少なくとも年内は続く見通し。
都内の大手・中堅伸銅品問屋によると、9月に入ってからの伸銅品需要は納期が遅れている黄銅棒、黄銅条、リン青銅板・条、ベリリウム銅合金などが夏休み以前と比べてほぼ同レベル、品種によっては若干上回る堅調な状態が続いている、という。
ただ、伸銅メーカー各社は予定通り夏休みを実施したことから、9月の供給量は減少気味となりそうだ。堅調な需要に対して、少しでもメーカーの供給が減少すると、以前にも増して需給ギャップが取りざたされることになる。
黄銅条やリン青銅板・条の場合、携帯電話、パソコン、ゲーム機などIT関連のおう盛なコネクター需要が続き、また、黄銅棒は中径サイズを中心に細物では10―14ミリなどが幅広い需要分野で伸びている。
伸銅品問屋によると、「即納は受注を断わらざるを得ない状況にある。今は定期的な納期に迫られ、何とか仲間から玉を手当てしながら急場をしのいでいる。輸入玉はほとんど当てにならない」という。
いずれにしろ、これら伸銅品の納期遅延は足元の受注状況から判断して、少なくとも年内は続く見通し。
半
導体製造装置など、いわゆるIT向けのアルミ圧延品需要が、好調に推移している。日本アルミニウム協会がまとめた2000年上期(1―6月)の精密機械器具部門需要は、8287トンで対前年比30・7%増を記録し、高い伸びを示した。足元も底堅い状態にあるため、このペースが続けば、同部門の暦年ベース需要は過去最高を記録しそうだ。
板類の上期精密機械需要は564トン(同37・2%増)で、しっかりした状態。半導体を中心とした厚板需要が堅調なことから、ボリューム的に多くはないが、30%を超す伸び率を示す。
また、押出類は7723トン(同30・2%増)と高水準の数量。OA・光学機器向けなどが好調なことから、板類同様高い伸びを記録した。
一方、流通側では、半導体関連などを主力とした切板(丸棒)需要が高水準で、同分野向けの加工はフル操業の状態。この傾向は当面続くとの見方が多く、IT関連が需要の牽引役となりそうだ。
板類の上期精密機械需要は564トン(同37・2%増)で、しっかりした状態。半導体を中心とした厚板需要が堅調なことから、ボリューム的に多くはないが、30%を超す伸び率を示す。
また、押出類は7723トン(同30・2%増)と高水準の数量。OA・光学機器向けなどが好調なことから、板類同様高い伸びを記録した。
一方、流通側では、半導体関連などを主力とした切板(丸棒)需要が高水準で、同分野向けの加工はフル操業の状態。この傾向は当面続くとの見方が多く、IT関連が需要の牽引役となりそうだ。
三
菱マテリアルは12日、防震機能付きボーリングバーの新シリーズ「ディンプルバー超硬シャンク」をきょう13日から発売すると発表した。本体標準価格はシャンク径8ミリで2万9000円、初年度2万本の販売を見込んでいる。
同社は昨年6月に防震機能付きボーリングバーを開発、販売している。加工穴の深いボーリング加工は、固定するシャンクと切れ刃部分までの距離が長く、ボーリングバーにびびり振動が発生しやすくなる。同社の「ディンプルバー」は、ヘッド部分を軽量化しつつ、本体の強度を落とさない形状をシミュレーション解決することにより、ヘッド背面に深いくぼみ(ディンプルヘッド)を持たせて、対応している。
新製品は、スチール製ディンプルバーで、より深いボーリング加工を可能としている。ディンプルバーのシャンク部分を超合金化し、スチールの部分に軽量ディブルヘッドのコンセプトを採用することで、スチール製ボーリングバーの2倍の深穴加工を可能にした。
同社は昨年6月に防震機能付きボーリングバーを開発、販売している。加工穴の深いボーリング加工は、固定するシャンクと切れ刃部分までの距離が長く、ボーリングバーにびびり振動が発生しやすくなる。同社の「ディンプルバー」は、ヘッド部分を軽量化しつつ、本体の強度を落とさない形状をシミュレーション解決することにより、ヘッド背面に深いくぼみ(ディンプルヘッド)を持たせて、対応している。
新製品は、スチール製ディンプルバーで、より深いボーリング加工を可能としている。ディンプルバーのシャンク部分を超合金化し、スチールの部分に軽量ディブルヘッドのコンセプトを採用することで、スチール製ボーリングバーの2倍の深穴加工を可能にした。
理
研電線は、白根工場(新潟県白根市)で環境管理システムの国際規格ISO14001の認証を8月24日付で取得した。
審査登録機関は日本検査キューエイ。登録範囲はマグネットワイヤ、ステンレス鋼線の製造にかかわる事業活動。同認証の取得は今年3月の市川工場(千葉県)に続くもので、市島工場(兵庫県)についても来年までに取得する方針。
審査登録機関は日本検査キューエイ。登録範囲はマグネットワイヤ、ステンレス鋼線の製造にかかわる事業活動。同認証の取得は今年3月の市川工場(千葉県)に続くもので、市島工場(兵庫県)についても来年までに取得する方針。