2000.12.05
中 井明孝・古河機械金属社長は4日、2003年度までの中期経営計画を発表した。それによると、この3カ年計画「ステップアップ21」は電子材料事業・化成品製品の拡大と環境関連機械・事業の拡充に力点を置いて、2003年度連結を売上高2000億円(2000年度1390億円)、営業利益150億円(同32億円)、経常利益130億円(同27億円)、ROE6・9%(同0・2%)、ROA4・4%(同0・8%)としている。

三 菱マテリアルは4日、同社の加工製品カンパニー(冨士原由雄プレジデント)で、12月から新タイプの半導体用精密工具(CMPダイヤモンドコンディショナー)2種を発売したと発表した。これは、携帯電話のチップ部品加工向けやシリコン・半導体向けなどの電子・半導体用超精密ダイヤモンド工具に注力しており、新しい事業の柱として育成する方針だが、その一環として発売するもの。

 CMPダイヤモンドコンディショナーは、半導体用CMP(化学的機械的研磨)装置に使われる目詰まりした研磨布(パッド)を、超平坦に目立て調整する電着ダイヤモンド工具。

 従来の電着形状であった全面電着タイプ、リングタイプ、パンチングメタルタイプに加えて、今般新たに、(1)水玉模様の無砥粒部を残して電着したモザイクタイプ(2)突起部にダイヤモンドが固定されたスポットタイプ(いずれも特許申請中)を発売する。

 これら2種類はそれぞれ(1)ウエハー研磨レートが安定している(2)スクラッチの発生が極端に少ない(3)切り粉の排出性が優れている(4)コンディショナーの全面が均一にパッドに貫入し超平坦面が得られる(5)長寿命である――という優れた性能を有しており、ユーザーニーズや使用機器に応じた使い分けが可能である。

 現在、情報技術(IT)産業の活況で半導体の品薄状態が続いており、増産を急ぐ半導体メーカーからの引き合いが急増している。そのため、当杜いわき製作所(福島県いわき市)においてフル生産しているが、急増する注文に供給が追いつかない状況であり、来年5月をメドに生産能力を月産約2000個に引き上げる計画。

 また、同時に、いわき製作所および筑波製作所(茨城県結城郡)の2カ所において、2001年度末までに電子・半導体用精密切断工具の生産設備を増設、同工具を増産し、急速な需要への対応および安定供給を図る。設備投資額は、合計で約10億円。

 なお、本製品は12月6日から幕張メッセで開催されるセミコン・ジャパン2000にも出品する。

 ▽ダイヤモンド工具

 ダイヤモンドを砥粒(切れ刃)として使用する工具で、台金に砥粒を結合材 (ボンド)で固定しているもの。

 ボンドには、樹脂(レジン)、メタル、電着、ガラス質(ビトリファイド)の4種類があり、対象とする材料の硬さや特性から、最適なボンドを選定する必要がある。

 ▽CMPダイヤモンドコンディショナー

 半導体の研磨工程に用いるCMP(化学的機械的研磨)装置に使われるダイヤモンド工具で、目詰まりした研磨布(パッド)を超平坦に目立て調整するためのもの。

 ロウ付け品、電着品、ビトリファイドボンドなどの種類がある。

 同杜で製造しているのは電着製品のみ。

 ▽研磨レート

 研磨レートとは、単位時間当たりのウエハー加工量を指し、ウエハーの種類、研磨装置、研磨条件、スラリーの種類、パッドの種類、コンディショナーの種類により研磨レートは変動する。

 ▽スクラッチ

 CMP加工後の層間絶縁膜や金属膜表面上に残る引っ掻き傷を言い、スクラッチの中には目視で観察できるマクロスクラッチから、光学顕微鏡、ウエハー表面ゴミ検査測定器、またはAFM(原子問顕微鏡)やSEM(電子顕微鏡)でないと観察できないマイクロスクラッチまであり、その形状も線状痕、打痕等いろいろある。一般的にはマクロスクラッチは深さ1μm以上の大きさの目視で観察できる傷を言う。

ト ステムは来年4月から、管理職を含む全正社員を対象にした再雇用制度を導入する。導入初年度退職者は約150人で、大半がこの制度活用を希望する見込み。

 同制度の骨子としては、再雇用希望の全正社員を対象にしたほか、別会社雇用を原則に上限65歳まで1年ごとに契約更新していく点。また、多様な雇用・勤務形態を取り入れ、直接雇用や委託、パート勤務などフレキシブルな体制が整った。年収については、一般社員が定年時の60―80%、管理職は55―60%の水準(公的年金含む)となる。

通 産省はこのほど、10月のアルミ建材生産・出荷速報をまとめた。それによると、生産は前年同月比5・2%増の4万1853dで、2カ月ぶりのプラス。また、出荷も同2・2%増の4万4273dとなり、2カ月ぶりに増加に転じた。ビルサッシが改善したことに加え、住宅向けも前年並みの数字を確保したため、前年実績を上回っている。

 品種別に見ると、木造住宅用サッシは、生産1万7064d(同1・3%増)、出荷1万8194d(同0・1%増)で、生産は3カ月ぶり、出荷は3カ月連続でプラスを記録。

 ビル用サッシは、生産1万4255d(同12・3%増)、出荷1万4258d(同8・6%増)で、ともに3カ月ぶりのプラスとなった。

 アルミドアは、生産3371d(同5・2%減)出荷3600トン(同5・5%減)。これにより、生産は12カ月、出荷は5カ月続けて減少した。

 アルミエクステリアは、生産9348d(同6・9%増)、出荷9193d(同0・5%増)で、それぞれ6カ月ぶりに増加した。

日 本アルミニウム協会は、2000年度上期(4―9月期)の軽合金車輪統計をまとめた。それによると、生産は前年同期比4・6%増の789万4350個、販売が同3・9%増の782万499個で、堅調に推移した。内需がしっかりしているため、生産・販売とも好調さを続けている。

 ホイールの種類別では、生産が一体鋳造式739万3665個(同5・2%増)、一体鍛造式12万4677個(同8・5%増)、組立式37万6008個(同7・2%減)。

 一方、販売は、国内755万6956個(同4・5%増)、輸出26万3543個(同11・8%減)となっている。

 なお、月末在庫は54万2418個となった。