2001.02.08
4 月から5月中旬にかけて入荷する2001年度の亜鉛特恵地金の入関量は、2000年度実績の3万6397トンを下回ると予想されている。来年度の国内亜鉛需給が供給過剰となる見通しによる。特恵関税制度の改正はあまり影響しないとみられている。

 2001年度から特恵関税制度が改正され、亜鉛地金はこれまでの日別管理から月別管理へと移行する。これに伴って、関税は無税からトン当たり1720円の有税(一般関税は4300円)となる。

 また、シーリング枠(亜鉛地金は約2万トン)を超えた場合の停止措置は最短で枠が消化された場合、締め切られるのは5月中旬で、1カ月半(これまでは3日)と長くなる。無税から有税となるが、輸入期間が大幅に延びるので、輸入者が受けるメリットは改正前と変わらない計算となっており、商社筋でも制度の改正は輸入側に大きな影響を与えないとみている。このため、制度改正の影響よりも、4月以降の国内需給が輸入量に大きく影響する。

 新年度の国内需要は、亜鉛鉄板や溶融亜鉛鍍金の低調で、国内生産を下回ると予想されている。従って、商社が既に成約している4―5月中旬入荷予定の中国などの特恵地金の契約量は、少な目であるとみられている。

小 名浜製錬(本社東京都千代田区大手町)は、銅製錬所の反射炉用燃料でウレタンを主体とするシュレッダーダストを8000トン台(月間)に拡大した。4月からは1万―1万5000トン(同)の使用を目指している。

 同社は95年1月から反射炉用燃料としてシュレッダーダストを使用しており、昨年の8月には使用量の増大に対応して搬送設備と倉庫を設置、11月には新酸素プラントを稼働させている。シュレッダーダストの受け入れでは、36台待機できるCD(シュレッダーダスト)トラックターミナルを開設、仙台、川崎、富山から運送されている。同社への納入を希望する業者が多いため、調達面で問題はない。

 シュレッダーダストのエネルギーは石炭の50%であり、これまで同製錬所で使用していた石炭などの燃料に代替してシュレッダーダストの使用量を積極的に拡大している。

 また、当面の月間使用量は1万トンから1万5000トン規模を予定しており、4月以降に具体化する計画。燃料の全量をシュレッダーダストに代替した場合、2万5000トンになる。当面の目標がクリアできれば、1万5000トン以上に増やしていくとみられる。

 シュレッダーダストの国内発生量は月10万トン。同社の受け入れ価格は埋め立て処理よりも安く設定されているので、集荷を拡大することに支障はないという。

古 河電工は7日、台湾のパソコン用ファンクーラーメーカーであるアジア・バイタル・コンポーネンツ社(AVC社、本社=高雄市、沈慶行社長)に資本参加し、ノートブック型パソコンに使われるヒートシンクなど放熱対策製品のグローバルな拡販を図っていくと発表した。

 古河電工は昨年12月に、AVCに33・4%出資し同社の筆頭株主となった。AVCは台北、高雄と中国・広東省深(※1)せんに工場を持ち、日本、米国向けを中心にデスクトップ型パソコン用ファンクーラーを製造している。

 世界最大のパソコン生産拠点である台湾で2000年に生産されたノートブック型パソコンは全世界の半数に及ぶ1000万台を超えるものと予想されている。パソコンがデスクトップ型からノートブック型にシフトする傾向が強まる中でAVCは、同型パソコン用ヒートシンクの生産で国内トップシェアを持っている古河電工に資本提携を要請していた。

 古河電工は99年に販売会社の古河国際を現地に設立しているが、本格的な展開を図るには現地メーカーとの連携が不可欠と判断し、出資に踏み切った。同社との提携を通してCPU、パソコン、情報機器から重電産業機器までの広範囲な市場対応力を持つトータルサーマルソリューション事業の展開を図ることが可能となった。

 AVCが昨年12月に行った2000万株の増資全額引き受けと、既存株からの買い取りにより33・4%の株式を取得した。古河電工の出資金額合計は5億8500万台湾ドル(20億円)で、出資後の資本金は7億台湾ドル。

 AVCの深(※1)せん工場は中国大陸向けを主としているが、今後の中国市場の拡大を見込んで上海をはじめとして工場の移転・拡大を計画している。今後大きな発展が予想される中国に窓口を持つことも、古河電工が同社に出資する決め手のひとつとなった。

 古河電工は当面、AVCに月間20万―30万本のヒートパイプを供給し、同社でヒートシンクを組み立てて台湾、中国市場に販売する。また、同社の安価な労働力を利用してOEM生産も検討するとともに、将来はヒートパイプ・ヒートシンクとファンクーラーの技術的融合による新製品の開発も視野に入れている。

 AVCの00年度売上高は23億台湾ドル(約82億円)、03年度には58億台湾ドル(約207億円)を見込んでいる。

※1=つちへんに川
三 菱マテリアルは7日、2月積み鉛建値をトン当たり3000円下げて同9万2000円に改定すると発表した。月間平均建値は前月比1200円高の9万2600円となる。

 7日入電のLME鉛セツルメントは483ドルで円換算5万5980円、関税2700円を加えると5万8680円、諸掛かりを3万3320円と算出した。

ア ルミ二次合金メーカー各社は、今月末から月明けにかけて行われる需要家筋との2月積みアルミ二次合金地金価格交渉に向けて、「改めてトン1万5000円の上積みを目指す」(大手メーカー関係者)方針だ。

 二次合金メーカー各社では、1月積みの価格交渉が平均トン5000円の値戻し幅(製品価格17万8000―18万3000円見当)にとどまり、目標値を大幅に下回ったことを受け、「原料高・製品安」の状況への危機感を募らせている。

 新地金相場は今週明け以降、これまで続いてきた逆ザヤ拡大傾向が縮小へと転じ、不安定さを増しているが、12月以降の原料となるスクラップ価格上昇分キロ20円以上が「積み残されたままになっている」状況には変わりなく、再度、1万5000円上方修正の目標を掲げているもの。