2001.06.19
日 本伸銅(本社=堺市南島町、伊藤洋治社長)はこのほど、従来の快削黄銅棒とほぼ同等の切削性を持つ、鉛レス黄銅棒「HM―30」を開発した。黄銅棒の主要需要先である自動車、家電、水栓業界などで鉛フリー化の動きが広がっており、環境問題に配慮して開発された製品。

 「HM―30」は、(1)切削成分としてビスマス(1・4―1・7%)と、少量のテルル(0・04―0・08%)を含有し、この2種類の元素の添加により切削性に対し相乗的な効果を発揮、従来の快削黄銅棒とほぼ同等の切削性が得られる(2)鉛の含有量が0・1%以下なので、鉛の浸出量は来年改正予定の水質水準0・01ppm以下を十分クリアできる(3)同社既存製品の「HCシリーズ」とほぼ同等の耐脱亜鉛腐食性を持つ(5)機械的性質は従来の快削黄銅棒とほぼ同等で製造範囲は、押出棒・丸=20―90ミリ、同・六角=20―80ミリ、引抜棒・丸=8―65ミリ、同・六角=8―50ミリ――が特長。

 鉛レス黄銅棒製品は黄銅棒メーカー数社が既に開発、販売しているが「HM―30」と他社製品との最大の違いは、切削性を高める効果があるテルルを微量に含むという点。同社では、以前からテルルを含む合金を製造販売し、実績を上げている。このため、テルルの働きや取り扱い方などを熟知している。

 同製品は現在、鍛造、切削とも需要家で実機テスト中で「ほぼ予想通りの結果」(伊藤社長)が出ており、今後ユーザーニーズに応える形で販売していく方針。

今 年度の電線販売について、複数の有力関係筋が「2月あたりから減速感が出てきた」と指摘、今後の前年度実績割れへの懸念が生じている。

 2000年度は、電設向けで2ケタの伸びを示し、需要は総じて好調だった。

 今年度も東京地区を中心に、大型建設物件向けに一定需要は確保できる見込みだが、「すでに織り込み済み」と受け止める向きも少なくない。

 「むしろ、計画一巡後の反動による落ち込みが心配」との声も聞かれる。

 特に、地方都市で営業展開する電線問屋筋では、「東京以外ではめぼしい物件はすでに消化されたのではないか」として、先行き需要減退への懸念が強い。

 電線販売の現場では、需要家側から小口少量化、即納体制への要請が年々高まっているが、同時に問屋側の物流コスト負担が増す傾向にある。

 総需要の縮小化が、そうしたコスト負担を相対的に引き上げる恐れもあるため、関係筋では、今後の需要動向に注視している。

 現時点では、流通在庫の圧縮などから、秋口にやや回復の兆しが見られる可能性が観測されながらも、「新規需要が出てくるための明るい材料がなく、年内は盛り上がりを欠く」との見方もあり、全体的に前年度並みを維持していくことは容易でなさそうだ。

三 井金属は18日、6月積亜鉛建値をトン当たり3000円上げて15万4000円に改定すると発表した。平均建値は15万2400円となる。

 先週16日入電のLME亜鉛セツルメントは903・5ドル、円換算11万1944円、関税4300円を加えると11万6244円、諸掛かりを3万7756円とみている。

 これに伴いダイカスト用亜鉛合金販価も、4000円上げ、ZAC1=19万2000円、同2=20万2000円、ZAS=21万2000円。

全 国軽金属商協会(会長=唐木輝昭・千代田金属社長)は18日、5月末の軽圧品相場アンケート集計結果をまとめた。それによると、東京、大阪とも各品種が前月比横ばいで推移したのに対し、中部はアルミ大板をはじめ全品種が10円上伸した。

 全国平均ではアルミ大板、アルミ小板、快削棒と63S形材がいずれも3円、52S板と56S棒が4円それぞれ値上がりした。