2001.06.28
財 務省は27日、5月の非鉄金属輸入通関実績(速報)を発表した。それによると、内需低迷を映して銅スクラップなど銅関連品目が低調となった。

 4―5月の特恵枠から精製亜鉛と精製鉛は例月や前年同月に比べて急増。精製亜鉛の99・99%以上は前年同月比で40倍増の2万7801トン、99・99%未満でも同5倍増の2526トン、精製鉛は15倍増の2818トンに達した。

 一方、特恵枠があるにもかかわらず、陰極銅およびその断片では、同20%増の1万4938トンにとどまった。また、ニッケルでも同45%減の2186トンと振るわなかった。いずれも内需悪化の影響とみられる。

 減少幅ではニッケル以下だが、内需動向が直接反映されるのが銅スクラップ3品目。

 銅スクラップと黄銅・青銅スクラップ、銅合金スクラップ合計1万2876トンは、前年同月の1万6634トンから約25%の減少。

 内需が好調な場合、伸銅・製錬メーカー、また商社が一斉に手当てに動く品目だけに、今回の減少幅は内需低迷の深刻さを示すものとして注目される。

 内需は、5月以降も引き続き悪化しているもようで、6月からの輸入通関実績も低水準となると指摘されている。

財 務省は27日、5月のアルミ輸入通関実績を発表した。それによると、地金・スクラップはいぜんとして減少傾向をたどるものの、アルミ板の増加により、軽圧品が底堅く推移している。このうち、地金は3カ月連続減となる24万1037トン(前年同月比1・9%減)、スクラップも3カ月連続マイナスの9638トン(同7・5%減)。ただし、軽圧品は6386トン(同11・4%増)で、2カ月ぶりに増加した。

 地金類の内訳を見ると、アルミ地金が17万2792トン(同1・7%増)、合金地金6万8245トン(同10・0%減)。スクラップは、アルミスクラップが325トン(同61・0%減)、合金スクラップ9313トン(同2・8%減)となり、引き続き減少している。

 また、軽圧品の内訳は、板類4650トン(同18・4%増)、押出類950トン(同4・5%減)、箔類786トン(同2・8%減)で、前月に続いて主力の板類が高い伸びを記録した。

非 鉄素材全般の販売加工からリサイクル事業まで展開するコードー・グループの新体制が7月からスタートする。

 年商250億円規模の同グループ中核企業(株)コードーのトップに、リサイクル部門を担ってきた久保田佳男・宏大金属(株)社長が就任したことによるもので、求心力を高めながら経営資源の効果的活用、環境重視型業態の促進など各方面で成果を積み上げていく方針。

 先日開催された株主総会で正式に承認された久保田佳男・(株)コードー新社長(宏大金属(株)社長を兼任)は、創業から半世紀という節目を昨年迎えた同社の歴史を踏まえながら、グループ新体制のキーワードとして「顧客・従業員満足度」「環境」「グローバル・ネットワーク」を打ち出している。

 具体化の柱として、グループ各社の事業部門に大幅に権限を委譲すると同時に、独立採算性を求める組織への移行を実施する。

 その一環として、グループ中核の(株)コードーでは、取締役の役割分担を明確化。村田国雄専務取締役が業務担当として仙台工場・平塚物流センター・海外推進プロジェクト・ISO推進を管轄。また、宮坂一男取締役が営業、笹野貴志子常務取締役が財務をそれぞれ担当する。

 「環境」の観点では、国際標準規格であるISO認証取得を目的に専任担当者を配置して、2003年度末までにグループ全事業所での環境管理のISO14001、品質管理のISO9000シリーズの取得を目指す。

 「グローバル・ネットワーク」については現在、中国での営業拠点設置に向け、取引関係先とともに検討を続けている。

 製品、スクラップともに非鉄流通業界では、高品位・安定供給に加えて環境管理への顧客ニーズが高まっており、従来の商権に依存した問屋経営では、構造変化の中で顧客から選別される時代に対応できなくなりつつある。

 株主資本利益率は、グループ各社で高い実績を示し、こうした良好な財務体質を生かしながら、グループ全体で最適物流とキメ細かい加工、さらに環境・リサイクル各部門で設備投資、営業網の拡充を図り、次世代経営の基盤作りを図っていく。

 なお、コードー・グループを構成する3社の概要は以下の通り。

 ▽(株)コードー=資本金2億円、従業員数115人、年商165億円(2000年度)。非鉄を中心に金属素材全般の販売と加工

 ▽(株)東北コードー=資本金5000万円、従業員数26人、年商47億円、長野祐三社長。ハイテク企業が集積する東北地区での販売と加工

 ▽宏大金属(株)=資本金5400万円、従業員数33人、年商42億円。非鉄全般のリサイクルと分析業務