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2000.01.12
1. 廃棄物処理設備に民間初の国庫補助
2. 鉄鋼労連、春闘で一時金は初の格差要求
3. 中部鋼鈑、12月も記録更新…電炉の時間当たり生産
4. 99年新造船受注、日本900万トンを割る…造工会会長
5. 中山鋼業、小棒を2万4000円に値上げ…1月積み
6. 韓国の仁川製鉄、三美特殊鋼買収で了解覚書締結
7. 東京地区の異形棒鋼市況強含み
2. 鉄鋼労連、春闘で一時金は初の格差要求
3. 中部鋼鈑、12月も記録更新…電炉の時間当たり生産
4. 99年新造船受注、日本900万トンを割る…造工会会長
5. 中山鋼業、小棒を2万4000円に値上げ…1月積み
6. 韓国の仁川製鉄、三美特殊鋼買収で了解覚書締結
7. 東京地区の異形棒鋼市況強含み
か
ずさクリーンシステム(本社=千葉県木更津市、掛水康朗社長)は24日、新日本製鉄の直接溶融炉を前提とする君津地域広域廃棄物処理事業設備の起工式を行い、第一期工事に着工し、2002年4月稼働予定で日量200トンの直接溶融炉を完成させる。
従来、廃棄物処理設備の国庫補助対象は自治体向けだったが、今回、全国で初めて民間資金活用型社会資本整備事業として民間企業向け(第3セクター)へ適用を拡大され、建設費の50%(千葉4市は公害防止計画策定地域のため)が国庫補助でまかなわれることになった。建設場所は木更津市新港17番2外。起工式には約80人が出席する予定。
「かずさクリーンシステム」は、千葉県の富津市、木更津市、君津市、袖ヶ浦市など4市の一般廃棄物を処理する全国初の第3セクター方式の廃棄物処理事業会社。20年間にわたる自治体による債務負担行為の設定や、プロジェクトファイナンスなどPFI(プライベート・ファイナンス・イニシアチブ)のモデル事業として注目されている。
今回の起工式は、2002年稼働予定の日量200トン(100トン炉×2基)の溶融設備に関するもの。完成後は、富津市で発生する一般廃棄物全量と、その他3市の焼却施設から発生する焼却灰全量を受け入れる。2006年には日量300トンの設備が増設され、4市で発生するすべての一般廃棄物が同社によって処理される。
今回、同社は民間企業としては全国で初めて、厚生省の廃棄物処理設備に関する国庫補助の対象として認定された。4市のゴミを処理するという高い公共性が認められたためで、これまで自治体しか対象とならなかった補助金システムのあり方を変える大きな一歩となるとみられる。
従来、廃棄物処理設備の国庫補助対象は自治体向けだったが、今回、全国で初めて民間資金活用型社会資本整備事業として民間企業向け(第3セクター)へ適用を拡大され、建設費の50%(千葉4市は公害防止計画策定地域のため)が国庫補助でまかなわれることになった。建設場所は木更津市新港17番2外。起工式には約80人が出席する予定。
「かずさクリーンシステム」は、千葉県の富津市、木更津市、君津市、袖ヶ浦市など4市の一般廃棄物を処理する全国初の第3セクター方式の廃棄物処理事業会社。20年間にわたる自治体による債務負担行為の設定や、プロジェクトファイナンスなどPFI(プライベート・ファイナンス・イニシアチブ)のモデル事業として注目されている。
今回の起工式は、2002年稼働予定の日量200トン(100トン炉×2基)の溶融設備に関するもの。完成後は、富津市で発生する一般廃棄物全量と、その他3市の焼却施設から発生する焼却灰全量を受け入れる。2006年には日量300トンの設備が増設され、4市で発生するすべての一般廃棄物が同社によって処理される。
今回、同社は民間企業としては全国で初めて、厚生省の廃棄物処理設備に関する国庫補助の対象として認定された。4市のゴミを処理するという高い公共性が認められたためで、これまで自治体しか対象とならなかった補助金システムのあり方を変える大きな一歩となるとみられる。
鉄
鋼労連(荻野武士・委員長)は、複数年協定の第2ラウンドとなる今春闘の要求案を14、15日に開く企連・単組代表者会議に諮り、職場検討を経て2月9日の中央委員会で最終決定、10日以降要求を提出し交渉を開始する。要求案は(1)ベース・アップ分を2000、2001年度とも3000円(35歳、17年勤務)とし、これに定期昇給分の3700円を加えた6700円とする(2)一時金要求は新日本製鉄、NKK、川崎製鉄の3労組が年間150万円で昨年と同額、住友金属工業が140万円、神戸製鋼所が130万円と初めて企業間格差をつける(3)60歳以降の就労確保…などが柱。
ベアの要求設定は、バブル以降(91年以降)の98年までの付加価値生産性の実績に2001年までの伸び率を年率1・7%と予測、これを基軸に当面1%程度をベアに求めた。背景となる2000年の粗鋼生産は9500万トン想定。
一時金要求は生活基礎部分(固定部分)と成果還元部分(変動部分)に区別する新方式を採用、固定部分を120万円とした。この方式により、これまで横並び要求だった高炉各社の今春闘での要求額は業績を反映した格差要求となる。
60歳以降の就労要求は定年年齢は60歳のままとし、それ以降も就労を希望する従業員を対象とする雇用契約は、従前の勤務を延長する「勤務延長制度」とする。勤務形態は隔週や短縮日数などによるハーフ勤務を基本とする柔軟な形態とする。段階的な基礎年金の支給開始年齢の引き上げと連動させるもので、今回はハーフ労働と給付としての60歳定年時の6割補償、うち4割が企業負担という現実案としている。実施は2001年からを主張し「労使検討の場」を設置させて具体的な制度設計を進めていく考え。
ベアの要求設定は、バブル以降(91年以降)の98年までの付加価値生産性の実績に2001年までの伸び率を年率1・7%と予測、これを基軸に当面1%程度をベアに求めた。背景となる2000年の粗鋼生産は9500万トン想定。
一時金要求は生活基礎部分(固定部分)と成果還元部分(変動部分)に区別する新方式を採用、固定部分を120万円とした。この方式により、これまで横並び要求だった高炉各社の今春闘での要求額は業績を反映した格差要求となる。
60歳以降の就労要求は定年年齢は60歳のままとし、それ以降も就労を希望する従業員を対象とする雇用契約は、従前の勤務を延長する「勤務延長制度」とする。勤務形態は隔週や短縮日数などによるハーフ勤務を基本とする柔軟な形態とする。段階的な基礎年金の支給開始年齢の引き上げと連動させるもので、今回はハーフ労働と給付としての60歳定年時の6割補償、うち4割が企業負担という現実案としている。実施は2001年からを主張し「労使検討の場」を設置させて具体的な制度設計を進めていく考え。
中
部鋼鈑(嶺辰紀社長)は、昨年12月の電気炉(200トン交流電気炉)の時間当たりの生産量(月平均値)が166・5トンを記録した。電気炉のフリッカー対策の強化などにより11月に163・5トンと、初めて160トンを突破したが、12月はこの記録をさらに更新したもの。
同社ではコストダウンへの確実な方策として、電気炉のトンパーアワーアップに注力、さまざまな対策を講じてきた。これにより電気炉の時間当たりの生産量は80年当時の50トン台から飛躍的に伸び、現状、交流電気炉では国内トップのレベルに達しているが、98年度を基準にして99年度から3カ年で進める全社レベルでのコストダウン20%計画(CD20)に沿い、より一層のトンパーアワーアップに取り組む。12月の記録は、昨年11月のフリッカー対策強化前に設定した99年度末目標の162トン、さらに2000年度上期目標の165トンをもすでに上回っており、今後は炉蓋の上昇旋回速度のアップなど向上策を実施し、2000年度中の170トン突破を目指す考えである。
同社ではコストダウンへの確実な方策として、電気炉のトンパーアワーアップに注力、さまざまな対策を講じてきた。これにより電気炉の時間当たりの生産量は80年当時の50トン台から飛躍的に伸び、現状、交流電気炉では国内トップのレベルに達しているが、98年度を基準にして99年度から3カ年で進める全社レベルでのコストダウン20%計画(CD20)に沿い、より一層のトンパーアワーアップに取り組む。12月の記録は、昨年11月のフリッカー対策強化前に設定した99年度末目標の162トン、さらに2000年度上期目標の165トンをもすでに上回っており、今後は炉蓋の上昇旋回速度のアップなど向上策を実施し、2000年度中の170トン突破を目指す考えである。
日
本造船工業会会長の亀井俊郎・川崎重工業社長はこのほど、99年の世界新造船需要について「前年までの需要先食いから大きく落ち2200万総トン台」とし、99年の日本の新造船受注は「900万総トンを切り、1000万総トン強の韓国に6年ぶりに逆転された」との見通しを明らかにした。2000年は需要、受注量とも99年のほぼ横ばいの厳しい予想で、このため「ヤードの共同利用など固定費圧縮に向けた提携を視野に入れ、業界全体でのコスト対応策に着手する年にしたい」と述べ、競争力の向上を目的とした業界再編の意向を示した。
世界の新造船需要は、VLCCの更新需要に支えられ、97年3648万総トン、98年3200万総トンレベルと好調を維持してきた。しかし、造船は船主サイドでの投機的要素も強く、安定した需要構造ではなく、97、98年の需要の先食いもあって、99年は大幅な反動減となるもよう。
一方、世界の新造船受注は、日本と韓国で半数以上を占めるが、日本の受注量は98年1098万総トン、韓国が882万総トンと両国で一進一退の攻防が繰り広げられている。99年はウォン安をフォローに韓国が1000万総トンを超える見込みで、93年以来6年ぶりに日本と韓国の受注量が逆転する見通しだ。
受注はとくに為替の影響が大きく、「日本の厳しい経済情勢から極端な円高はないのでは」(亀井会長)とされるものの、この先も円高、ウォン安基調が続くとなれば、韓国との受注競争はますます苛烈なものとなり、加えて船主からの船価要求も厳しさを増す一方とあって、今年の造船業界は一段と環境難に見舞われそうだ。
世界の新造船需要は、VLCCの更新需要に支えられ、97年3648万総トン、98年3200万総トンレベルと好調を維持してきた。しかし、造船は船主サイドでの投機的要素も強く、安定した需要構造ではなく、97、98年の需要の先食いもあって、99年は大幅な反動減となるもよう。
一方、世界の新造船受注は、日本と韓国で半数以上を占めるが、日本の受注量は98年1098万総トン、韓国が882万総トンと両国で一進一退の攻防が繰り広げられている。99年はウォン安をフォローに韓国が1000万総トンを超える見込みで、93年以来6年ぶりに日本と韓国の受注量が逆転する見通しだ。
受注はとくに為替の影響が大きく、「日本の厳しい経済情勢から極端な円高はないのでは」(亀井会長)とされるものの、この先も円高、ウォン安基調が続くとなれば、韓国との受注競争はますます苛烈なものとなり、加えて船主からの船価要求も厳しさを増す一方とあって、今年の造船業界は一段と環境難に見舞われそうだ。
中
山鋼業(本社=大阪市、事業管財人=高島浩一・共英製鋼会長)は1月積みの小棒販売価格を2000円値上げし、ベース2万4000円とすることになった。
同社は関西地区の大手小棒ベースメーカーだが、需要の減少によって販売価格が下落する一方、原料である鉄スクラップ価格は上昇基調で推移、大幅な採算割れを余儀なくされている。そのため同社では1月積みから2000円の値上げを行い、2万4000円の完全浸透を図ることになったもの。生産数量についても1―3月は計画比で15%の減産を実施する方針である。
同社は関西地区の大手小棒ベースメーカーだが、需要の減少によって販売価格が下落する一方、原料である鉄スクラップ価格は上昇基調で推移、大幅な採算割れを余儀なくされている。そのため同社では1月積みから2000円の値上げを行い、2万4000円の完全浸透を図ることになったもの。生産数量についても1―3月は計画比で15%の減産を実施する方針である。
韓
国の仁川製鉄は、ステンレスメーカー・三美特殊鋼の買収交渉でこのほど了解覚書(MOU)を締結した。1月いっぱいかけて三美の実態調査を行い、月末に正式調印の見通し。仁川製鉄は、三美の従業員全員を再雇用して年間15万トン規模で冷延ステンレスの生産を行う計画。これにより仁川製鉄のステンレス生産は年間20万トンを上回り、国内市場の過半数を占める。独占禁止法との関係が懸念されているが、仁川サイドは独占による弊害よりも不良企業の再生メリットの方が市場にとっては大きい、としている。
韓国最大のステンレスメーカー・三美特殊鋼の売却問題は、昨年末オークションで仁川製鉄が4600億ウォンの提示価格で優先交渉権を獲得(予備交渉企業は東部製鋼)。年明けに大枠で合意に達し、MOUを締結した。今後、価格面を含め最終交渉を行い今月末に正式調印すれば、2月以降仁川製鉄のステンレス工場として操業を行う。三美特殊鋼の加工母材(ホットステンレス)は、POSCOとともに日新製鋼からも高い比率で購入されており、仁川グループに入れば日本との関係が拡大する可能性もある。
三美特殊鋼は、昌原工場の過大投資とカナダ合弁(アトラス)の失敗で、経営が行き詰まっていた。このため昨年までにステンレスパイプ部門を世亜製鋼、特殊鋼線材部門をPOSCOに売却していた。主力のステンレス部門は、大型のゼンジマーミル4基を主体とするもので、設備能力は年間25万トンに達する。規模が大きく、負債処理のために金額的に有利な形で売却したいとして、オークション方式が採用された。
仁川製鉄は今後、現代グループからの離脱とともに総合鉄鋼メーカーの道を選択。ワークアウト中の江原産業との合併を進めている。すでに今月7月の臨時株主総会で合併の議決を行っており、2月上旬には新会社へ移行する。これと同時にステンレス部門の拡大に乗り出すことになった。ステンレス進出はすでに一昨年から実施。自社ラインとしてゼンジマー1基で操業を行っているが、供給シェアは低い。これに対し、三美特殊鋼は韓国最大のステンレスメーカーとして知られており、年産15万トンと国内需要の40%近くを占めている。仁川製鉄は三美特殊鋼の昌原工場を買収することで、一気に韓国最大のステンレスメーカーになる。業容の拡大とともに韓国内の主要なステンレス需要家を確保することになり、鉄鋼業界ではこの方が生産面でのプラス効果より大きいと指摘されている。
韓国最大のステンレスメーカー・三美特殊鋼の売却問題は、昨年末オークションで仁川製鉄が4600億ウォンの提示価格で優先交渉権を獲得(予備交渉企業は東部製鋼)。年明けに大枠で合意に達し、MOUを締結した。今後、価格面を含め最終交渉を行い今月末に正式調印すれば、2月以降仁川製鉄のステンレス工場として操業を行う。三美特殊鋼の加工母材(ホットステンレス)は、POSCOとともに日新製鋼からも高い比率で購入されており、仁川グループに入れば日本との関係が拡大する可能性もある。
三美特殊鋼は、昌原工場の過大投資とカナダ合弁(アトラス)の失敗で、経営が行き詰まっていた。このため昨年までにステンレスパイプ部門を世亜製鋼、特殊鋼線材部門をPOSCOに売却していた。主力のステンレス部門は、大型のゼンジマーミル4基を主体とするもので、設備能力は年間25万トンに達する。規模が大きく、負債処理のために金額的に有利な形で売却したいとして、オークション方式が採用された。
仁川製鉄は今後、現代グループからの離脱とともに総合鉄鋼メーカーの道を選択。ワークアウト中の江原産業との合併を進めている。すでに今月7月の臨時株主総会で合併の議決を行っており、2月上旬には新会社へ移行する。これと同時にステンレス部門の拡大に乗り出すことになった。ステンレス進出はすでに一昨年から実施。自社ラインとしてゼンジマー1基で操業を行っているが、供給シェアは低い。これに対し、三美特殊鋼は韓国最大のステンレスメーカーとして知られており、年産15万トンと国内需要の40%近くを占めている。仁川製鉄は三美特殊鋼の昌原工場を買収することで、一気に韓国最大のステンレスメーカーになる。業容の拡大とともに韓国内の主要なステンレス需要家を確保することになり、鉄鋼業界ではこの方が生産面でのプラス効果より大きいと指摘されている。
東
京地区の異形棒鋼はベース2万5000円中心と強含み。年明けの商いは実質的に今週からスタート。メーカーの2000円値上げを受けて2万4000円台などの安値は消えている。流通は値上げ分を転嫁する構えで、スクラップ高を背景に強含みで推移する見込み。
値上げ前の駆け込み発注により、流通の推計で、12月の商いは40―45万トンと11月までの低水準から倍の規模に膨らんだようだ。需要が減退するなかで、今後の引き合い状況はまだ見えないが、当面は2、3月納期で未手配の明細が中心になりそうだ。
原料市況は高炉の高操業から当面は高止まりする見通しで、メーカーは3万円を目標に追加値上げを視野に入れている。流通は2万5000円を手はじめに手持ち枠を消化するに従って唱えを引き上げる意向。当面市況は上げ基調で推移しそうだ。
値上げ前の駆け込み発注により、流通の推計で、12月の商いは40―45万トンと11月までの低水準から倍の規模に膨らんだようだ。需要が減退するなかで、今後の引き合い状況はまだ見えないが、当面は2、3月納期で未手配の明細が中心になりそうだ。
原料市況は高炉の高操業から当面は高止まりする見通しで、メーカーは3万円を目標に追加値上げを視野に入れている。流通は2万5000円を手はじめに手持ち枠を消化するに従って唱えを引き上げる意向。当面市況は上げ基調で推移しそうだ。