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2000.03.14
1. 薄板3品値上げ、5月以降に先送りへ…高炉筋
2. 住金も鉄骨用厚板値上げ
3. 豊田通商、愛知鋼管工業を子会社化
4. 来期粗鋼、前年を上回る…通産が商社懇
5. 三菱商事、鋼材輸出を子会社に移管
6. 川鉄・水島、ホットストリップミルを更新
7. 中国宝鋼の事故、東南アに波紋広がる
8. 大阪地区の等辺山形鋼市況下値切り上がる
2. 住金も鉄骨用厚板値上げ
3. 豊田通商、愛知鋼管工業を子会社化
4. 来期粗鋼、前年を上回る…通産が商社懇
5. 三菱商事、鋼材輸出を子会社に移管
6. 川鉄・水島、ホットストリップミルを更新
7. 中国宝鋼の事故、東南アに波紋広がる
8. 大阪地区の等辺山形鋼市況下値切り上がる
高
炉筋は、4月出荷分以降での店売り向け薄板の再値上げを先送りし、計画の見直しに入ったことを明らかにした。当初は4月出荷分以降で熱延鋼板、冷延鋼板の2品種を2000円上げ、環境整備の遅れている表面処理鋼板は据え置く方向で検討していた。しかし、熱延、冷延の在庫も減少しないことから、建材需要が本格化する5月以降に値上げ時期を先送りし、表面処理を合わせた3品同時値上げに踏み切ることに方針を変更。値上げ幅も3000―5000円に上方修正する可能性が出てきた。
高炉各社は、昨年10月出荷分から店売り向け薄板3品(熱延、冷延、表面処理)と、建材メーカーなどリロール向けを3000円値上げした。その後、今春までに2000円の再値上げを検討してきた。そのなかで、昨年末から今年にかけて在庫が増加し続け、環境整備が遅れている表面処理は価格を据え置き、4月以降に熱延と冷延の2品種での2000円値上げを先行する案が浮上していた。
しかし、熱延、冷延も需要が盛り上がらず在庫も増加。この環境での再値上げは市中で転嫁できないことも考えられることから、値上げ時期を5月以降に先送りする決断を下した。半面、足元の国内需要は底入れし、輸出は引き続き堅調と、需要は全般的に増加傾向にあり、在庫が減少しないのは需要台頭期に在庫を削減できない流通筋の思惑と判断。建材需要が本格化する5月以降に大幅な再値上げをすることに方針を変更し、高炉各社は値上げ時期や値上げ幅などの概要の見直し作業に入った。
「需要が台頭する時期と重なる今回の再値上げは2000円程度の小幅なものではなく、3000―5000円の大幅なものとなる可能性もある。品種別では薄板3品の同時値上げとなり、リロール向けも同様」(高炉筋)とする一方で、市場動向を見極めて品種ごとに値上げ幅に格差をつけることも検討する。「環境整備の遅れている品種の値上げ幅を小さく、環境の整った品種の幅を大きくすることも考えられる」(同)。早ければ4月中にも最終的な結論を出す。
高炉各社は、昨年10月出荷分から店売り向け薄板3品(熱延、冷延、表面処理)と、建材メーカーなどリロール向けを3000円値上げした。その後、今春までに2000円の再値上げを検討してきた。そのなかで、昨年末から今年にかけて在庫が増加し続け、環境整備が遅れている表面処理は価格を据え置き、4月以降に熱延と冷延の2品種での2000円値上げを先行する案が浮上していた。
しかし、熱延、冷延も需要が盛り上がらず在庫も増加。この環境での再値上げは市中で転嫁できないことも考えられることから、値上げ時期を5月以降に先送りする決断を下した。半面、足元の国内需要は底入れし、輸出は引き続き堅調と、需要は全般的に増加傾向にあり、在庫が減少しないのは需要台頭期に在庫を削減できない流通筋の思惑と判断。建材需要が本格化する5月以降に大幅な再値上げをすることに方針を変更し、高炉各社は値上げ時期や値上げ幅などの概要の見直し作業に入った。
「需要が台頭する時期と重なる今回の再値上げは2000円程度の小幅なものではなく、3000―5000円の大幅なものとなる可能性もある。品種別では薄板3品の同時値上げとなり、リロール向けも同様」(高炉筋)とする一方で、市場動向を見極めて品種ごとに値上げ幅に格差をつけることも検討する。「環境整備の遅れている品種の値上げ幅を小さく、環境の整った品種の幅を大きくすることも考えられる」(同)。早ければ4月中にも最終的な結論を出す。
住
友金属工業は13日、建築プロジェクト向けの鉄骨用厚板を4月圧延(4ロール)から値上げすると発表した。値上げ幅はエキストラを含んだ現販売価格に対して平均12―13%程度。平均値上げ額は50キロ鋼とTMCPで約1万円。すでに、先週から川田工業、川岸工業などの大手ファブリケーター(鉄骨加工業者)には値上げを伝えており、今後は全国の中小ファブにも値上げを申し入れる。
厚板全体の価格が下がっているため、採算性が悪化しており、社内でも不採算品種の位置づけだ。そのなかでも、この数年間、とくに鉄骨用厚板の下落が激しく、このままでは安定供給や品質面でも対応が困難な状況となっている。
鉄骨単価はバブル以降30―40%の下落、ここ1年間でも20―30%下がっている。それに伴い鉄骨用厚板はバブル期から30%前後、最近の1年間で20%以上の下落となっている。このため、厚板全体の値上げが必要な環境のなかで、まず鉄骨用厚板の値上げを先行した。鉄骨用厚板を値上げすることで、鉄骨単価の適正化の後押しとする狙いもある。
厚板全体の価格が下がっているため、採算性が悪化しており、社内でも不採算品種の位置づけだ。そのなかでも、この数年間、とくに鉄骨用厚板の下落が激しく、このままでは安定供給や品質面でも対応が困難な状況となっている。
鉄骨単価はバブル以降30―40%の下落、ここ1年間でも20―30%下がっている。それに伴い鉄骨用厚板はバブル期から30%前後、最近の1年間で20%以上の下落となっている。このため、厚板全体の値上げが必要な環境のなかで、まず鉄骨用厚板の値上げを先行した。鉄骨用厚板を値上げすることで、鉄骨単価の適正化の後押しとする狙いもある。
豊
田通商は13日、伊藤忠商事との間で、同社の子会社で鋼管製造・加工を行う愛知鋼管工業(愛知県大府市東新町、谷田正實社長)所有の株式全額(発行済株式の99・5%)を取得することで基本合意し、同日付で払い込みを実施したと発表した。
愛知鋼管工業は1965年設立。資本金1億9800万円。自動車部品に使用する冷間引抜鋼管の製造販売・加工をメーンに、事務機器部品の製造を行う鋼管引抜メーカー。従業員数は103人。生産能力は月間1500トン。売上高37億円、経常利益1億円強(2000年3月期見込み)。また100%出資子会社・エイケーテック(愛知県半田市)を持つ。
豊田通商は今回の愛知鋼管の子会社化により、自動車部品メーカーへのニーズにさらに深くこたえると同時に、新たな部品加工分野への進出を図る考え。そして既存分野で愛知製鋼と重複する部分は、愛知鋼管に移管し、機能の集中化によるスケールメリットも追求していく。
また愛知鋼管の役員については谷田社長をはじめ、現在の常勤役員はそのままの体制を継続。新たに豊通から常勤取締役として後藤潔・条鋼鋼管部次長、非常勤取締役として藤本真人取締役を派遣する(6月末の定時株主総会で正式就任予定)。従業員も現体制で変わらない。素材の供給については今後、伊藤忠から引き継ぐ予定。
なお、エイケーテックについては将来、愛知鋼管と合併させる計画。
愛知鋼管工業は1965年設立。資本金1億9800万円。自動車部品に使用する冷間引抜鋼管の製造販売・加工をメーンに、事務機器部品の製造を行う鋼管引抜メーカー。従業員数は103人。生産能力は月間1500トン。売上高37億円、経常利益1億円強(2000年3月期見込み)。また100%出資子会社・エイケーテック(愛知県半田市)を持つ。
豊田通商は今回の愛知鋼管の子会社化により、自動車部品メーカーへのニーズにさらに深くこたえると同時に、新たな部品加工分野への進出を図る考え。そして既存分野で愛知製鋼と重複する部分は、愛知鋼管に移管し、機能の集中化によるスケールメリットも追求していく。
また愛知鋼管の役員については谷田社長をはじめ、現在の常勤役員はそのままの体制を継続。新たに豊通から常勤取締役として後藤潔・条鋼鋼管部次長、非常勤取締役として藤本真人取締役を派遣する(6月末の定時株主総会で正式就任予定)。従業員も現体制で変わらない。素材の供給については今後、伊藤忠から引き継ぐ予定。
なお、エイケーテックについては将来、愛知鋼管と合併させる計画。
通
産省はこのほど、今月末の鉄鋼需要見通し策定に向け、同省と商社関係者との懇談会を開催した。
それによると鋼材需要について、内需は前年2度にわたる補正予算による需要増の反動減、春先以降の住宅投資の息切れ懸念から建設分野は先行微減と予測。製造業でも普通乗用車の微増と情報関連による電気機械の増加が見込まれる半面、造船、産業機械、重電の若干減からトータルで微減と予想された。一方、輸出はアジア向けを中心に2000年度上期中は底堅いと予見。この結果、粗鋼生産は輸出依存によって2000年1―3月で2500万トン台に乗せ、4―6月期も前年同期(2272万トン)を上回るとされた。
商社懇談会でのヒアリングでは総じて内需は微減とされ、輸出をけん引材料に前年同期比増が続くとする予測が報告された。
内需のうち建設分野は、公共土木が昨年補正予算効果で高水準だったため、足もとの1―3月、先行きの4―6月とも前年同期比若干減と予想。民間土木も設備投資の冷え込みで低水準とされた。住宅建築は住宅ローン控除制度の延長で昨年10―12月着工金額の同8・2%減も持ち直すと予測。トータルも微減とされた。
製造業は内需では普通乗用車の新規効果から足もと横ばいの後、来期は微増とみている。これに対し造船は、輸出を中心とする受注も先細り感が出ている状況。老朽船リプレースの一巡などから、99暦年は6年ぶりに1000万総トンを割り970万総トンにとどまり、機構調整が本格化、来期も減少すると予想された。電機も情報関連は好調なものの、家電の現地生産化、重電での電力投資の抑制から微減を予測。産機も建設機械などで回復の兆しが見られるものの、力強さは欠き、全体的には微減とされた。
一方、輸出は来期も高水準。アジア向けを中心に9月までは堅いとする見方もある。
こうした動向から、粗鋼生産は輸出主導で増加予想となった。在庫調整も進んでおり、前年同期比プラスが継続する見通しだ。
それによると鋼材需要について、内需は前年2度にわたる補正予算による需要増の反動減、春先以降の住宅投資の息切れ懸念から建設分野は先行微減と予測。製造業でも普通乗用車の微増と情報関連による電気機械の増加が見込まれる半面、造船、産業機械、重電の若干減からトータルで微減と予想された。一方、輸出はアジア向けを中心に2000年度上期中は底堅いと予見。この結果、粗鋼生産は輸出依存によって2000年1―3月で2500万トン台に乗せ、4―6月期も前年同期(2272万トン)を上回るとされた。
商社懇談会でのヒアリングでは総じて内需は微減とされ、輸出をけん引材料に前年同期比増が続くとする予測が報告された。
内需のうち建設分野は、公共土木が昨年補正予算効果で高水準だったため、足もとの1―3月、先行きの4―6月とも前年同期比若干減と予想。民間土木も設備投資の冷え込みで低水準とされた。住宅建築は住宅ローン控除制度の延長で昨年10―12月着工金額の同8・2%減も持ち直すと予測。トータルも微減とされた。
製造業は内需では普通乗用車の新規効果から足もと横ばいの後、来期は微増とみている。これに対し造船は、輸出を中心とする受注も先細り感が出ている状況。老朽船リプレースの一巡などから、99暦年は6年ぶりに1000万総トンを割り970万総トンにとどまり、機構調整が本格化、来期も減少すると予想された。電機も情報関連は好調なものの、家電の現地生産化、重電での電力投資の抑制から微減を予測。産機も建設機械などで回復の兆しが見られるものの、力強さは欠き、全体的には微減とされた。
一方、輸出は来期も高水準。アジア向けを中心に9月までは堅いとする見方もある。
こうした動向から、粗鋼生産は輸出主導で増加予想となった。在庫調整も進んでおり、前年同期比プラスが継続する見通しだ。
三
菱商事金属製品本部は鋼材輸出部門から自動車、大径鋼管、油井菅を除く大半の品種を系列のエム・シー・スティール・トレード(略称=MCSK、本社=東京都文京区、林孝司社長)に移管する方針を固め、4月1日付で組織改正することになった。
三菱商事は1995年4月に特殊管、配管、鋳鉄管、継手の輸出部門を分離し100%出資によるMCSKを設立、その後三菱電機向けを中心とする電機用鋼材や厚板を移管した。
スタートは苦闘したものの、97年度からは黒字が定着したのに勢いを得て、電機用鋼材などを加え業容を拡大、軌道に乗ってきたためさらに品種を広げる。
三菱商事本体に残すのは自動車用鋼材やパイプの高炉品に限定するが、これは技術オリエンテッドと位置付けられるため。また国内販売部門のほか、海外のロンドン、シンガポール、ヒューストンなど支店網を含む本体の総合力を生かす必要があるためである。
三菱商事の鉄鋼輸出部門では、今後はむしろMCSKが輸出の主力はとなっていく。
三菱商事は1995年4月に特殊管、配管、鋳鉄管、継手の輸出部門を分離し100%出資によるMCSKを設立、その後三菱電機向けを中心とする電機用鋼材や厚板を移管した。
スタートは苦闘したものの、97年度からは黒字が定着したのに勢いを得て、電機用鋼材などを加え業容を拡大、軌道に乗ってきたためさらに品種を広げる。
三菱商事本体に残すのは自動車用鋼材やパイプの高炉品に限定するが、これは技術オリエンテッドと位置付けられるため。また国内販売部門のほか、海外のロンドン、シンガポール、ヒューストンなど支店網を含む本体の総合力を生かす必要があるためである。
三菱商事の鉄鋼輸出部門では、今後はむしろMCSKが輸出の主力はとなっていく。
川
崎製鉄水島製鉄所は、ホットストリップミルのリフレッシュ工事に着手する。2000年度から3カ年程度をかけ、交流モーターに全面交換する。故障が少なく、操業の安定化が進むためで、40億円程度の資金を投入する。熱延ミルは、1月で稼働後30年経過しており、今回の工事でコスト対策も進む。
水島製鉄所は川鉄の主力製鉄所で、高炉3基で操業している。99年度は輸出向けが拡大しているため、増産基調にある。年度ベースで最終的に98年度比11%増、720万トンの粗鋼が見込まれている。
熱延ミルは1970年稼働で、加工板厚1・2ミリ―32ミリ。年産480万トン能力。73年に仕上げスタンドを6スタンドから7スタンドに拡充。76年には粗ミルも4スタンドから5スタンドにしている。このほか加熱炉温片挿入スキンパスミルの増設などを実施。周辺設備の充実を図っている。86年にはサイジングプレスを日本で初めて導入している。この段階で製鋼―熱延同期化操業を計画し、87年3月から実施。さらに91年にはNo1スキンパスの全面更新を行っている。本体の圧延スタンド、スキンパス、加熱炉、サイジングプレスと改修および増強を進めてきているが、動力源は直流モーターのままだった。
こうした中で水島はベース製鉄所として高操業で走っており、ミルの故障が許されないポジションにある。
今回生産の安定性と効率化を図るため、リフレッシュ工事を進める。計画では直流モーターから交流モーターへ全面的に更新する予定で、2000年度から3カ年で完了する。スタンド別に毎年、更新する計画で、2003年度で完成する。
熱延ミルは板系製品の要になるミルで、効率化と操業の安定化は、次工程の冷延ミルの操業にも好影響を与える。
川鉄の熱延ミルは、千葉製鉄所の3ホット導入で全社的な設備年齢は、20才前後に若返っている。しかし水島製鉄所の熱延ミルは導入後30年が経過し、高齢化が進んでいる。
水島製鉄所は川鉄の主力製鉄所で、高炉3基で操業している。99年度は輸出向けが拡大しているため、増産基調にある。年度ベースで最終的に98年度比11%増、720万トンの粗鋼が見込まれている。
熱延ミルは1970年稼働で、加工板厚1・2ミリ―32ミリ。年産480万トン能力。73年に仕上げスタンドを6スタンドから7スタンドに拡充。76年には粗ミルも4スタンドから5スタンドにしている。このほか加熱炉温片挿入スキンパスミルの増設などを実施。周辺設備の充実を図っている。86年にはサイジングプレスを日本で初めて導入している。この段階で製鋼―熱延同期化操業を計画し、87年3月から実施。さらに91年にはNo1スキンパスの全面更新を行っている。本体の圧延スタンド、スキンパス、加熱炉、サイジングプレスと改修および増強を進めてきているが、動力源は直流モーターのままだった。
こうした中で水島はベース製鉄所として高操業で走っており、ミルの故障が許されないポジションにある。
今回生産の安定性と効率化を図るため、リフレッシュ工事を進める。計画では直流モーターから交流モーターへ全面的に更新する予定で、2000年度から3カ年で完了する。スタンド別に毎年、更新する計画で、2003年度で完成する。
熱延ミルは板系製品の要になるミルで、効率化と操業の安定化は、次工程の冷延ミルの操業にも好影響を与える。
川鉄の熱延ミルは、千葉製鉄所の3ホット導入で全社的な設備年齢は、20才前後に若返っている。しかし水島製鉄所の熱延ミルは導入後30年が経過し、高齢化が進んでいる。
中
国・上海宝山鋼鉄公司(宝鋼)の第1製鋼工場は火災事故から完全復旧まで少なくとも2カ月を要する見通しとなり、出荷の遅れが目立つようになった。国内優先策が採られているため、とくに輸出への影響が大きくなりそうだ。
中国から日本へは、IL(輸入許可証)の不要なコンテナ用ホットコイルの緊急引き合いが10万トン以上も寄せられ、さらに拡大しようとしている。その他の鋼材はILが必要なため事故絡みとみられる動きは表面化していないが、中国の内外で月産能力70万トンの設備が止まったことの波紋は広がっている。
宝鋼は国内出荷を優先させ、東南アジア、さらには日本や韓国向けも含め輸出のデリバリーが遅れ始めたという。日本の鉄鋼メーカーには、こうした間接的な影響のほうが今後大きくなっていこう―と関係者は予測している。
日本でも新日本製鉄大分製鉄所の事故に際しては、復旧まで突貫工事で1カ月かかった。宝山が今回の事故に関し一切の公表を控えるなかで、転炉3基のうち1基が修復できた、との情報も確認されないまま、全体が復旧となるまで「2カ月以上はかかる」(日本側有力筋)という状況。
これが避けられないとすれば140万トンがショートすることになる。韓国にとどまらず日本の高炉各社が満パイの操業を続けているなかで、これはかなりのインパクトを与えよう。とりわけ東南アジアの鉄鋼マーケットでは、すでに相場の一段高が伝えられるなど、事故の揺れが始まった。
中国から日本へは、IL(輸入許可証)の不要なコンテナ用ホットコイルの緊急引き合いが10万トン以上も寄せられ、さらに拡大しようとしている。その他の鋼材はILが必要なため事故絡みとみられる動きは表面化していないが、中国の内外で月産能力70万トンの設備が止まったことの波紋は広がっている。
宝鋼は国内出荷を優先させ、東南アジア、さらには日本や韓国向けも含め輸出のデリバリーが遅れ始めたという。日本の鉄鋼メーカーには、こうした間接的な影響のほうが今後大きくなっていこう―と関係者は予測している。
日本でも新日本製鉄大分製鉄所の事故に際しては、復旧まで突貫工事で1カ月かかった。宝山が今回の事故に関し一切の公表を控えるなかで、転炉3基のうち1基が修復できた、との情報も確認されないまま、全体が復旧となるまで「2カ月以上はかかる」(日本側有力筋)という状況。
これが避けられないとすれば140万トンがショートすることになる。韓国にとどまらず日本の高炉各社が満パイの操業を続けているなかで、これはかなりのインパクトを与えよう。とりわけ東南アジアの鉄鋼マーケットでは、すでに相場の一段高が伝えられるなど、事故の揺れが始まった。
大
阪地区の等辺山形鋼はベース2万7000―2万8000円どころでジリ高。
大阪製鉄、エヌケーケー条鋼の地区2大メーカーのメーカー在庫が激減しているため、市中は先高ムード。 地区の大手扱い筋は持ち込み3万円を目指して唱えを上げており、下値が切り上がってきている。
扱い筋によると、「市中在庫が低水準で、60×50などのベースサイズを切らす店も出ている」状態で、手当てしにくい状況という。メーカーの出荷状況もそれぞれ輸出の成約、工場の集約などの要因でデリバリーが遅れており、「契約したものがなかなか入ってきにくい」(特約店筋)。
一方、これまで積極的だったメーカー直送も敬遠ぎみとなっているため、先月以降は店売りへの引き合いも比較的活発となっている。
大阪製鉄、エヌケーケー条鋼の地区2大メーカーのメーカー在庫が激減しているため、市中は先高ムード。 地区の大手扱い筋は持ち込み3万円を目指して唱えを上げており、下値が切り上がってきている。
扱い筋によると、「市中在庫が低水準で、60×50などのベースサイズを切らす店も出ている」状態で、手当てしにくい状況という。メーカーの出荷状況もそれぞれ輸出の成約、工場の集約などの要因でデリバリーが遅れており、「契約したものがなかなか入ってきにくい」(特約店筋)。
一方、これまで積極的だったメーカー直送も敬遠ぎみとなっているため、先月以降は店売りへの引き合いも比較的活発となっている。