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2000.06.30
1. 新日鉄、H形後仕切り廃止…7月3000円値上げ
2. 7―9月粗鋼2600万トン台の半ば
3. NKライトスチール、姫路でガードパイプ生産
4. H形流通在庫、6月末は6000トン程度減少へ
5. 中嶋産業、SN厚板の在庫体制を強化
6. 新日化、韓国の錦湖グループと提携
7. 韓国のステンレスメーカー輸出減を国内で補う
8. 大阪地区の異形棒鋼市況ジリ高
2. 7―9月粗鋼2600万トン台の半ば
3. NKライトスチール、姫路でガードパイプ生産
4. H形流通在庫、6月末は6000トン程度減少へ
5. 中嶋産業、SN厚板の在庫体制を強化
6. 新日化、韓国の錦湖グループと提携
7. 韓国のステンレスメーカー輸出減を国内で補う
8. 大阪地区の異形棒鋼市況ジリ高
新
日本製鉄は29日、店売り向けH形鋼の実行販売価格を7月契約で3000円値上げすると同時に、今回から実行価格を明示した取引に変えると流通に伝え、事実上の後仕切り廃止を宣言した。また、遠隔地向けの配送については配送経費分を上乗せした価格を提示する。
新日鉄では今回の値上げを採算回復への第1段階ととらえており、需給環境を見極めて追加値上げする考え。後仕切りは流通の発注・販売段階で仕入値が確定せず、過剰在庫や市況下落の一因と指摘されており、今回の廃止で製販の損益計算が分離され、流通は独自に採算を確保する必要に迫られ、在庫や市況形成を適正化する効果が働きそうだ。 来週申し込みを受ける7月契約では、引受量を4月比30%削減した5、6月と同規模の減産を継続する方針。6月契約では時期尚早として値上げを見送ったが、減産効果が在庫減として表れ、今後も需要期に向けて減産を継続することで値上げできると判断した。
新日鉄では従来、仮価格の建値で発注を受け付け、数カ月後に市況の下落を反映させた価格に事後調整しており、事実上後仕切りしていた。今回からは実行販価を明示した価格で事後調整はしない方針で、市況変動リスクをすべて流通が負担する形態に改める。
後仕切りによるメーカーのリスク分担は、流通が必要以上に発注して過剰在庫が積み上がったり、拡販のインセンティブの点から価格より数量を優先して市況が下落するなど、モラルハザードを招いていた面がある。後仕切りの廃止は、流通が販売に見合った在庫保有や仕入に見合った再販売価格を形成するよう促す効果があるとみられる。
新日鉄では今回の値上げを採算回復への第1段階ととらえており、需給環境を見極めて追加値上げする考え。後仕切りは流通の発注・販売段階で仕入値が確定せず、過剰在庫や市況下落の一因と指摘されており、今回の廃止で製販の損益計算が分離され、流通は独自に採算を確保する必要に迫られ、在庫や市況形成を適正化する効果が働きそうだ。 来週申し込みを受ける7月契約では、引受量を4月比30%削減した5、6月と同規模の減産を継続する方針。6月契約では時期尚早として値上げを見送ったが、減産効果が在庫減として表れ、今後も需要期に向けて減産を継続することで値上げできると判断した。
新日鉄では従来、仮価格の建値で発注を受け付け、数カ月後に市況の下落を反映させた価格に事後調整しており、事実上後仕切りしていた。今回からは実行販価を明示した価格で事後調整はしない方針で、市況変動リスクをすべて流通が負担する形態に改める。
後仕切りによるメーカーのリスク分担は、流通が必要以上に発注して過剰在庫が積み上がったり、拡販のインセンティブの点から価格より数量を優先して市況が下落するなど、モラルハザードを招いていた面がある。後仕切りの廃止は、流通が販売に見合った在庫保有や仕入に見合った再販売価格を形成するよう促す効果があるとみられる。
2
000年度第2四半期(7―9月)の粗鋼生産量は2600万トン台半ばの水準となる見通しだ。通産省はきょう30日、第2四半期の鋼材需要見通しを発表する予定で、出荷等相当の粗鋼需要量は2600万トンの中間レベルに達する感触。輸出が好調なほか、自動車生産やIT(情報技術)増加や、設備投資の回復など民需の伸展から2600万トン台に乗せる。
第1四半期(4―6月期)は2600万トン台後半となるものとみられ、前期比では若干の減少となる公算だが、5月末時点で在庫が増加したため、この取り崩しを見込んで前期を下回る水準となる。公共投資が減少する中、民需を牽引材料に年換算で1億トンを超えるペースで維持する格好だ。
第2四半期の2600万トン台乗せは、実績ベースでは97年度第2四半期の2603万トン以来となる。97年度は第1四半期に2677万トンを記録し、年度累計量は1億280万トンに達した。 依然として、輸出が東南アジア向けを中心に高水準を続けるほか、内需でも自動車生産が245万―250万台と1000万台ペースを想定、IT関連投資などと民需に明るさが戻ってきたのを受けて2600万トン台の高レベル予測となった。
また、特殊鋼生産量は、自動車などのプラスからマイナス要素を相殺、前期比ほぼ横ばいの見通しだ。ステンレスなどはマンション建設のプラスなどを見込んでいるという。
第1四半期(4―6月期)は2600万トン台後半となるものとみられ、前期比では若干の減少となる公算だが、5月末時点で在庫が増加したため、この取り崩しを見込んで前期を下回る水準となる。公共投資が減少する中、民需を牽引材料に年換算で1億トンを超えるペースで維持する格好だ。
第2四半期の2600万トン台乗せは、実績ベースでは97年度第2四半期の2603万トン以来となる。97年度は第1四半期に2677万トンを記録し、年度累計量は1億280万トンに達した。 依然として、輸出が東南アジア向けを中心に高水準を続けるほか、内需でも自動車生産が245万―250万台と1000万台ペースを想定、IT関連投資などと民需に明るさが戻ってきたのを受けて2600万トン台の高レベル予測となった。
また、特殊鋼生産量は、自動車などのプラスからマイナス要素を相殺、前期比ほぼ横ばいの見通しだ。ステンレスなどはマンション建設のプラスなどを見込んでいるという。
日
本鋼管ライトスチール(岸清司社長)は、今秋にもエルエスエクステリア建材の姫路工場でガードパイプの生産を開始する方針だ。これは西日本地区の需要に即応し、輸送コストを削減するのが狙い。それと同時に、ガードパイプの品種見直しも実施する計画で、不採算品種のほか実績の少ない物に関しては、生産中止を検討している。
これまで同社では、ガードパイプを熊谷製造所(埼玉県熊谷市)で集中生産し、全国各地にデリバリーしていた。エルエスエクステリア建材の姫路工場(兵庫県神崎郡福崎町)で生産を開始することで、東西での生産拠点が整い、西日本ユーザーへの納期対応がスムーズに。また、輸送コストの大幅削減が可能になる。
その一方で、同社ではガードパイプの品種見直しに着手。これまでほぼ全種類を手がけてきたが、不採算品種や、実績の少ない物に関しては生産を中止する方向で検討を進めている。
これまで同社では、ガードパイプを熊谷製造所(埼玉県熊谷市)で集中生産し、全国各地にデリバリーしていた。エルエスエクステリア建材の姫路工場(兵庫県神崎郡福崎町)で生産を開始することで、東西での生産拠点が整い、西日本ユーザーへの納期対応がスムーズに。また、輸送コストの大幅削減が可能になる。
その一方で、同社ではガードパイプの品種見直しに着手。これまでほぼ全種類を手がけてきたが、不採算品種や、実績の少ない物に関しては生産を中止する方向で検討を進めている。
新
日本製鉄は29日、6月末の「ときわ会」H形鋼流通在庫が5月末より6000トン程度減少し、34万5000―34万6000トンになるという見通しを示した。東名阪3地区で4800トン、その他8地区で2000トン程度減少する見込み。入庫減により6月末で在庫が減少に転じ、今後は減産効果が本格化するうえ、需要は増加傾向にあることから、新日鉄では入庫減、出庫増で在庫が減少する好循環に移行したと見ている。
6月末の予測では東京が入庫12%減、出庫1%増、在庫2%減。大阪は入庫1%減、出庫7%減、在庫2%減。名古屋は入庫6%減、出庫横ばい、在庫3%減。東名阪3地区では入庫8%減、出庫2%減、在庫2%減。その他ほとんどの地区で在庫が数百トン程度減少するという報告があった。
新日鉄はじめ各社が5月契約から引き受けを抑制した効果が入庫減となって表れた。東京地区では流通各社から鉄骨単価の上昇や荷動きの増加、材料の先行手配や在庫積み増しの引き合いなど、需要の増加や先高を見越した仮需の兆候が出ているという報告があった。
こうした需要増をうかがわせる動きが出ているうえ、7月以降は各社の減産効果が本格化するため、今後需給が急速に引き締まる可能性が出てきた。
5月末在庫は35万1600トンと4月末比1・4%増加した。4月から集計ベースを変更したため増減の比較はできないが、傾向としては、変更前の数値で3月末は4カ月ぶりに減少しており、5月の増加から6月で再び減少することになる。
6月末の予測では東京が入庫12%減、出庫1%増、在庫2%減。大阪は入庫1%減、出庫7%減、在庫2%減。名古屋は入庫6%減、出庫横ばい、在庫3%減。東名阪3地区では入庫8%減、出庫2%減、在庫2%減。その他ほとんどの地区で在庫が数百トン程度減少するという報告があった。
新日鉄はじめ各社が5月契約から引き受けを抑制した効果が入庫減となって表れた。東京地区では流通各社から鉄骨単価の上昇や荷動きの増加、材料の先行手配や在庫積み増しの引き合いなど、需要の増加や先高を見越した仮需の兆候が出ているという報告があった。
こうした需要増をうかがわせる動きが出ているうえ、7月以降は各社の減産効果が本格化するため、今後需給が急速に引き締まる可能性が出てきた。
5月末在庫は35万1600トンと4月末比1・4%増加した。4月から集計ベースを変更したため増減の比較はできないが、傾向としては、変更前の数値で3月末は4カ月ぶりに減少しており、5月の増加から6月で再び減少することになる。
関
西地区の大手溶断業者の中嶋産業(本社=大阪市住之江区南港南、中嶋秀章社長)は、SN規格の厚板の在庫体制を強化する。現在、SNの厚板は本社工場と営業倉庫のオーナミ倉庫(大阪府堺市)の2カ所でトータル1000トンを在庫しているが、近く、倍増の2000トンとする計画。建築基準法の改正に伴い、SN材の需要拡大が期待されており、このニーズに対応するのが狙い。
同社は本社工場、南港レーザー工場(大阪市住之江区南港東)、愛媛工場(愛媛県西条市)、大牟田工場(福岡県大牟田市)、および関係会社のナカジマ(本社=大阪市住之江区南港南)の本社工場で、極厚板の精密溶断から極薄鋼板のレーザー加工までを手掛けており、切板は全社ベースで月間5000―6000トン。
厚板の在庫は各工場、および営業倉庫のオーナミ倉庫で行っている。在庫の規格はSS材、SM材、SN材、HTP材(ハイテン鋼)、FR鋼、一部SC材などで、全社ベースの在庫量は3万トン。在庫サイズは厚み1・6―550ミリ。
SN材については一昨年ぐらいから、SN490Bの在庫を開始、その後、SN400B、SN490Cについても取り扱いを行った。現在、SN材の在庫は本社工場とオーナミ倉庫で行っており、在庫量はトータルで1000トン。
ただ、建設省が今年2月に、建築基準法の性能規定化関係を中心とする同施工例の改正原案を発表、今月から実施。これに伴い、官公庁物件だけでなく、民間の建築物件においても、SN材の採用が増える、と期待されている。
同社ではこの需要増加に対応するため、早急にSN材の厚板在庫を現状の1000トンから2000トンに引き上げる計画。なお、現在のSN材の在庫サイズは厚み6―50ミリ、幅3100ミリ×長さ13メートル。仕入れメーカーは神戸製鋼所、川崎製鉄。
日新鋼管はこのほど開催した取締役会で、篠田研一取締役の常務昇格と三戸捷晴常務の退任(顧問に就任)を決めた。
同社は本社工場、南港レーザー工場(大阪市住之江区南港東)、愛媛工場(愛媛県西条市)、大牟田工場(福岡県大牟田市)、および関係会社のナカジマ(本社=大阪市住之江区南港南)の本社工場で、極厚板の精密溶断から極薄鋼板のレーザー加工までを手掛けており、切板は全社ベースで月間5000―6000トン。
厚板の在庫は各工場、および営業倉庫のオーナミ倉庫で行っている。在庫の規格はSS材、SM材、SN材、HTP材(ハイテン鋼)、FR鋼、一部SC材などで、全社ベースの在庫量は3万トン。在庫サイズは厚み1・6―550ミリ。
SN材については一昨年ぐらいから、SN490Bの在庫を開始、その後、SN400B、SN490Cについても取り扱いを行った。現在、SN材の在庫は本社工場とオーナミ倉庫で行っており、在庫量はトータルで1000トン。
ただ、建設省が今年2月に、建築基準法の性能規定化関係を中心とする同施工例の改正原案を発表、今月から実施。これに伴い、官公庁物件だけでなく、民間の建築物件においても、SN材の採用が増える、と期待されている。
同社ではこの需要増加に対応するため、早急にSN材の厚板在庫を現状の1000トンから2000トンに引き上げる計画。なお、現在のSN材の在庫サイズは厚み6―50ミリ、幅3100ミリ×長さ13メートル。仕入れメーカーは神戸製鋼所、川崎製鉄。
日新鋼管はこのほど開催した取締役会で、篠田研一取締役の常務昇格と三戸捷晴常務の退任(顧問に就任)を決めた。
新
日鉄化学は、28日の取締役会で、韓国の大手化学メーカーである錦湖(クムホ)石油化学および同社の系列会社3社と、韓国において新たな合弁会社を設立することを決めた。合弁会社は、錦湖グループの錦湖開発からフェノールおよびビスフェノールAの事業および資産を譲り受けて7月から製造、販売を行うとともに、今後ビスフェノールAのプラント建設を計画している。
これにより新日化は今後、需要の伸びが見込まれるビスフェノールAの生産能力を確保し、アジア地域での販売拡大に努める。
合弁会社は社名を錦湖P&B化学、資本金1050億ウィン(約100億円)で、出資比率は錦湖石油化学および系列会社51%、新日鉄化学49%、売上高は2000年度約1900億ウィン(約180億円)を見込んでいる。
これにより新日化は今後、需要の伸びが見込まれるビスフェノールAの生産能力を確保し、アジア地域での販売拡大に努める。
合弁会社は社名を錦湖P&B化学、資本金1050億ウィン(約100億円)で、出資比率は錦湖石油化学および系列会社51%、新日鉄化学49%、売上高は2000年度約1900億ウィン(約180億円)を見込んでいる。
韓
国からの情報によると、同国のステンレス・ミルは輸出減を国内向け出荷で補うことで冷延鋼板の生産計画を維持する考えのようだ。現地トレーダーらによると、国内ミルの2000年のステンレス冷延鋼板の生産計画は前年比5・5%増の85万6000トン、国内需要は同5・4%増の52万4000トンと見込まれている。
同国のステン冷延鋼板の主要輸出先である中国はこのほど一部の韓国および日本製品に対する反ダンピングの仮判定を下しており、加えて国際ニッケル相場の急落を受けて海外需要家の買い控えも目立っているという。コリア・インターナショナル・トレード・アソシエーションまとめによると1999年の韓国のステン冷延鋼板の4分の1強にあたる1億3500万ドル相当が中国向けで、この1―4月については全体の約14%、3010万ドル相当が中国向けだった。
なお、ニッケル相場は3月に5年ぶりの高値となるトン当たり1万350ドルをつけたが、足元は同7750ドルどころまで下落してきている。
同国のステン冷延鋼板の主要輸出先である中国はこのほど一部の韓国および日本製品に対する反ダンピングの仮判定を下しており、加えて国際ニッケル相場の急落を受けて海外需要家の買い控えも目立っているという。コリア・インターナショナル・トレード・アソシエーションまとめによると1999年の韓国のステン冷延鋼板の4分の1強にあたる1億3500万ドル相当が中国向けで、この1―4月については全体の約14%、3010万ドル相当が中国向けだった。
なお、ニッケル相場は3月に5年ぶりの高値となるトン当たり1万350ドルをつけたが、足元は同7750ドルどころまで下落してきている。
大
阪地区の異形棒鋼は中山鋼業、国光製鋼、合同製鉄の地区ベース3社の生産集約が年内濃厚とあって、ジリ高推移。市況はベース2万5000―2万6000円どころ。
現在、メーカーのロール状況は中山鋼業、国光製鋼などで8月後半、ダイワスチールで9月初めとベースを中心にひっ迫ぎみ。7月以降は各社の夏季減産が重なるうえ、ベース3社が集約すれば購買窓口も絞られるとあって、大手商社筋は一様に今後の仕入れに対し不安感を強めている。
このため、商社など流通筋は今週から、唱えを2万7000円に引き上げ、売り腰を硬化。「従来の先売り商売から、仕入れを確保してから販売する商売方法に転換せざるを得ない」として、安値販売は完全に払しょくされている。一部、ゼネコン筋では鋼材手当てを早めにする動きも出ており、今週中には2万6000円が固まる見通し。
現在、メーカーのロール状況は中山鋼業、国光製鋼などで8月後半、ダイワスチールで9月初めとベースを中心にひっ迫ぎみ。7月以降は各社の夏季減産が重なるうえ、ベース3社が集約すれば購買窓口も絞られるとあって、大手商社筋は一様に今後の仕入れに対し不安感を強めている。
このため、商社など流通筋は今週から、唱えを2万7000円に引き上げ、売り腰を硬化。「従来の先売り商売から、仕入れを確保してから販売する商売方法に転換せざるを得ない」として、安値販売は完全に払しょくされている。一部、ゼネコン筋では鋼材手当てを早めにする動きも出ており、今週中には2万6000円が固まる見通し。