2000.10.02
日 新製鋼、三井物産、阪和興業の3社が出資している日中合弁のステンレス冷延鋼板製造会社、寧波宝新不銹鋼有限公司(浙江省寧波市、資本金1億2600万米ドル、総経理・劉安氏)の設備増強計画(第2期計画)が固まり、2002年4月操業を目標に、第2圧延工場の建設が正式決定した。導入予定設備は第1期と同じ年産能力8万トンの冷間圧延設備1基、焼鈍酸洗設備1連と第1期計画にはなかった光輝焼鈍設備1連。投資額は1億5000万米ドル(約160億円)。所要資金は借り入れで調達、一部を増資で賄う予定。

 寧波宝新は1996年4月、上海宝鋼からの打診を受け、同年11月、中国側66%(上海宝鋼54%、寧波市12%)、日本側34%(日新製鋼20%、三井物産、阪和興業各7%)の合弁契約が締結された日中合弁企業。97年5月第1期工事着工、98年11月にホットランを開始、99暦年には5万トン弱を生産した。

 操業開始10カ月後の99年8月からは単月度で黒字ベースに乗り、以後順調な操業が続き、通年でフル生産(8万トン)となる2000年は相当額の黒字が見込まれている。

 母材の熱延コイルは約半分を日新製鋼が供給、残り半分はその他複数メーカーから購入している。現有設備は冷間圧延設備1基、焼鈍酸洗設備1連、調質圧延設備1基などで、従業員数は約400人。



ニ チメンの鉄鋼・非鉄本部は先月29日、同本部のホームページ上でのサービス提供の第一段階として、特殊鋼分野を対象としたサイト「特殊鋼市場」を開設したと発表した。「特殊鋼市場」の開設は、同社のステンレス・特殊鋼の関連企業を掲載し一部在庫を開示する目的のほか、系列以外の企業の参加や特殊鋼に関するメールマガジンの配信などを行い、サイト上で特殊鋼関連企業のコミュニティー形成を狙う。同本部では今後、顧客へのネット環境整備のサービスや、取引先とのシステム共有化の提案を行う。

 開設した「特殊鋼市場」に現在リンクしているニチメンのグループ企業は、ステンレス薄板流通業の井上金属及び石田金属、工具鋼流通業の石原鋼鉄、ステンレス加工センター、ステンレス棒鋼をメーンに扱うニチメンスチールの5社。うちニチメンスチールなどでは、在庫情報の一部を開示している。将来的にはリンク企業の余剰在庫などを対象に、電子商取引の場としての活用も想定している。

 また、特殊鋼に関する情報提供として「特殊鋼マガジン」のメール配信を行う。配信は、特殊鋼市場へ参加している企業の在庫、余剰品、引合、社員募集などの各情報を、登録先へ配信する。現在は運用試験中で、本格的な立ち上げは今月中旬からの予定。

 同サイトのアドレスはhttp://www.nm-buz.com

住 友金属工業のシステム関係会社4社が1日合併、「住友金属システムソリューションズ」(略称SMISOL=スミソル)として新たなスタートを切った。新会社は4社のシステム設計・制作部門を統合、プロジェクト・マネジャー、システム・エンジニア、プログラマーなどの人材を結集することにより、事業規模の拡大、大型案件対応力の強化などを図っていく。事業内容として、SI・サービス事業を中心に今後の成長が期待できるネットワーク事業、パッケージ商品事業分野での事業拡大を図っていき、トータル・ソリューション・プロバイダーを目指していく方針。

 新会社は本社を東京(台東区池之端)、大阪(大阪市北区堂島浜)に置き、資本金は36億円(住金95%、その他5%)、従業員は1300人。社長に高松正司(旧住金制御エンジニアリング社長)が就任、執行役員制を導入、取締役6人(非常勤1人)、常勤取締役を含む執行役員14人で事業運営に当たる。

 今後の事業展開としては、これまでシステム4社がSI事業分野で築いてきた日本IBM、NEC、野村総合研究所とのパートナーシップを新会社が継承するとともに、合併により強化される総合力をフルに発揮させることにより、実質的な初年度にあたる2001年度で売り上げ320億―330億円、完全黒字化を目指していく。

 なお、新会社発足にあたって、住金制御エンジニアリングが行っていた住金向けの事業は、プロコン事業は鹿島プラントに、計測・制御事業は住金テクノロジーに移管された。





日 本鉄鋼連盟は29日、8月の鉄鋼輸出実績をまとめた。それによると、全鉄鋼ベースで数量は256万トン、金額はドルベース14億2580万ドル、円ベース1550億円となった。前月比でみると、数量で1・3%増、金額はドルベース0・5%増、円ベース2・7%増といずれの指標でも増加となった。前年同月比では、数量では1・5%増と前月の減少から再び増加に転じた。金額はドルベースが12・9%増で11カ月連続、円ベースも5・9%増と再び増加に転じた。

 品種別にみると、普通鋼鋼材は203万2000トン(前年同月比9・7%増)で14カ月連続して前年同月を上回った。





日 商岩井鉄鋼製品販売(本社=東京都千代田区、川嶋泰男社長)は、日商岩井グループのファスナー商社、中日ファスナー(本社=名古屋市天白区井口、田島直敏社長)の営業権を譲り受け、10月から日鉄販の名古屋支店に新たに設置したファスナー部で中日ファの業務を引き継ぎスタートした。9月末に開いた中日ファスナーの臨時株主総会で承認したもの。日商では関連会社の効率運営に向けグループ再編を進めており、ファスナー部門の強化を目的に経営資源を集中。中日ファは年商約6億円だが、日鉄販ファスナー部では、既存のファスナー事業との相乗効果で10億円以上の販売を見込んでいる。

 中日ファスナーは1971年3月に設立され、弱電向けの端子ねじの製造・販売のほか、鋲螺製品、締結部品の販売を行っていた。資本金は1000万円で株主構成は日商岩井33・3%、会長の糟谷芳雄33・4%など。仕入先は、トープラ、旭鉄工所、東海パワーファスニングからで、小林鋲螺、東洋技研、日鉄販、東洋物産、三協などに販売していた。従業員は日商からの出向含め11人。日商では機械部の管轄にあった。

 日鉄販では、名古屋支店の事業構造の改革に乗り出し、この秋に採算の落ち込んでいた鉄骨プロジェクト事業を大幅に圧縮、その一方で中日ファの営業譲渡によってファスナー部門を強化し、収益改善を図る。ファスナー部を設けるとともに中日ファスナーから従業員を6人引き受け、中日ファの本社は天白営業所として活用する。

全 国鉄鋼販売業連合会は28日、8月の流通動態調査結果をまとめた。仕入れ量は前月比3・5%減、販売量は2・6%減で、月末在庫量は30万5688トンと前月比3・3%減少した。前年同月比では仕入が1・6%増、販売が9・2%増、在庫は10・7%減だった。

 H形鋼は仕入が前月比6・1%減、販売3・3%減で、在庫は8・6%減少。2カ月連続の減少で、直近ピークの6月からは12・2%減少した。山形・溝形鋼と合わせて、形鋼は仕入が2・5%減、販売が1・0%減、在庫は4・8%減少。

 異形棒鋼は仕入が前月比3・6%減、販売が4・5%減、在庫は3・7%増と4カ月連続で増加している。

 コラムは仕入が前月比18・7%減、販売2・7%減、在庫は7・5%減少した。

 調査対象は東京、大阪、愛知の97社。4月から調査項目などを改めたため、前年との比較はできない。総計については便宜上前年比を算出している。



大 阪地区の異形棒鋼はベース2万7500円どころで強含み。電炉各社は9月に500円の値上げを実施したが、10月契約でも1000円の値上げ含み。大手商社など流通筋は「値上げ転嫁は不可避」として、唱えを2万8000円以上に引き上げている。

 一方、足元の需要は小口の民間マンション中心で、新規引き合いも低調。「秋需の気配も感じられない」(特約店筋)のが現状で、値上げといってもスローテンポの値上げとなっている。

 ただ、需給環境は国光製鋼、合同製鉄の中山鋼業への生産集約のため、ひっ迫した状態が続いている。現在、メーカーの納期待ちはベースサイズで11月ロール、細物サイズで10月中旬。10月以降も当面は、生産能力が1万トン以上削減された状態が続くため、市況は当面ジリ高傾向が続こう。





大 阪地区の異形棒鋼はベース2万7500円どころで強含み。電炉各社は9月に500円の値上げを実施したが、10月契約でも1000円の値上げ含み。大手商社など流通筋は「値上げ転嫁は不可避」として、唱えを2万8000円以上に引き上げている。

 一方、足元の需要は小口の民間マンション中心で、新規引き合いも低調。「秋需の気配も感じられない」(特約店筋)のが現状で、値上げといってもスローテンポの値上げとなっている。

 ただ、需給環境は国光製鋼、合同製鉄の中山鋼業への生産集約のため、ひっ迫した状態が続いている。現在、メーカーの納期待ちはベースサイズで11月ロール、細物サイズで10月中旬。10月以降も当面は、生産能力が1万トン以上削減された状態が続くため、市況は当面ジリ高傾向が続こう。