2000.11.10
通 産省と中国・国家経済貿易委員会(経貿委)との日中次官級定期協議が8日、北京で開催された。その中で日中の鉄鋼貿易問題も議題として取り上げられ、9月の日中経済協会(座長=渡里杉一郎・東芝相談役)の訪中ミッションと朱鎔基首相などとの会談で話し合われた官民レベルによる 「日中鉄鋼対話」の実施について基本合意した。また、鋼材輸入規制問題にも触れ、再三にわたる日本側からの輸入許可証(IL)の円滑かつ十分な発給要請に対し、「二度とトラブルを起こさないようにする」と事態改善を明示、合わせて通産省による数量集約などを通じ、来年分のIL発給には「特別に配慮したい」と回答した。

 日中次官級定期協議には、通産省の荒井寿光・通産審議官、中国・経貿委の張志剛・副主任が出席・日中鉄鋼貿易問題についても協議を行った。

 同協議では、先月31日に開かれた経貿委の王琴華・貿易市場司副司長と通産省および現地日系コイルセンターのコイルセンター中国協議会との話し合いでのIL発給改善要望も踏まえ、ここでの内容をフォローアップ、再度確認する形で進行された。

 IL発給については来年分のIL枠には、これまでの経緯も踏まえ、通産省から数量を集計して中国側に要求した全品種に対して善処する見解が示された。

 一方、日中鉄鋼対話に関しては、今回の基本合意を受けて、日程や参加メンバーの構成、進行および協議内容などを詰めていくことになる。

デ ーバー・イーディーアイセンター(略称=DBE、社長=完倉洋一・三菱商事建設鋼材・冷鉄源事業部長)は9日、既存の株主5メーカー・2商社に加えて、伊藤忠テクノメタル、住友商事、日商岩井、丸紅鉄鋼建材の4商社が出資すると発表した。きょう10日に出資金を払い込む。これにより、出資・システム利用社は6商社、5メーカーに拡大する。

 従来までの小棒の受発注や出荷・請求データのEDI化に加え、今後はネジ鉄筋や機械式継手にも利用を拡大していく計画。

 関東地区では、細物メーカー6社もDBE利用の意向を固めており、現在各社で接続の準備を進めている。準備の整ったところから順次参加の予定であり、今年12月から来年4月の間にエヌケーケー条鋼を除くすべてのメーカーが利用することになる。NKK条鋼は独自のシステムを構築している。

 6商社以外の商社の利用については、システム稼働が安定したところで専業商社、内販商社、特約店などに順次拡大していく予定であり、来年4月までにはすべての関東電炉メーカーと商社間の受発注や出荷・請求データのEDI化を目指す。

 関東地区以外では、各地区のメーカーの参画に合わせて展開を行う予定であり、来年6月をメドに完了させる予定。

 具体的には、東北・新潟地区が関東と同時期。関西地区が各メーカーにおいてシステム連結の技術的問題等について検討中で、来年4月の稼働を目指す。中部、北海道、九州地区は概要説明を実施し参加の方向で検討中で、来年4月の稼働を目指したい意向。中四国地区は独自のシステムが稼働しており、状況をみて再検討する。

 今回の4商社の出資は、すでに出資していた三菱商事と三井物産の2商社の出資金3750万円ずつのうち、1000万円ずつ計2000万円を伊藤忠テクノなど4社に500万円ずつ均等に株式譲渡した。

 DBEの資本金は9600万円と変更なし。新しい株主構成は、6商社が三菱商事、三井物産、伊藤忠テクノメタル、住友商事、日商岩井、丸紅鉄鋼建材で78%。5メーカーが合同製鉄、東京鉄鋼、朝日工業、伊藤製鉄所、東京鋼鉄で22%。

通 産省は米商務省および米通商代表部(USTR)との間で、鉄鋼通商問題について局長級による政府間協議を開催する方向で調整に入った。現在、来週半ば、東京で行う日程で調整作業中だ。協議内容については未定だが、米側は協議の中でアンチ・ダンピング(AD)・相殺関税還元法(バード法)の成立や、作成された商務省の報告書などの状況を日本側に説明するものと見られ、日本側からは米鉄鋼企業の競争力の問題について指摘する方針だ。

 先月、ホワイトハウスが全米鉄鋼労組のG・ベッカー委員長に宛てた書簡で、ウクライナ、台湾、中国、インドなど対米鉄鋼輸出量の急増している国に対し、2国間協議を実施することを明記しており、これに基づいて、米高官が中国、台湾、韓国を訪問、相次いで2国間協議を開く。日本は2国間協議の対象国として記述されていないが、これらの日程の後、商務省、USTRの高官が来日し、日米の政府間協議を行う予定だ。

 協議の日程は、今月13日に韓国との協議が予定されており、この後に組まれる公算見通しで、来週半ばをメドに調整を行っている。



神 戸製鋼所はこのほど、神戸製鉄所に建設中の神鋼神戸発電所からの排熱を利用した近隣酒造会社への熱供給事業許可を通産省から取得した。現在、機器の詳細設計を進めており、12月から機器製作、構内工事に着手、2002年4月の熱供給開始を目指す。

 神戸製鉄所近隣では酒造4社(月桂冠、沢の鶴、白鶴、富久娘)が重油を燃料とするボイラーで蒸気を発生させ、蒸米、洗瓶、殺菌などを行っている。

 今回の熱供給事業は、発電用に供した蒸気を熱交換し、新たに発生させた間接蒸気を酒造各社に供給するもの。ボイラーに代えて、排熱を有効活用した熱供給を行うことで、製鉄所周辺地域での省エネを図っていく。

 熱供給事業の概要は、以下の通り。

 ▽供給対象=酒造会社4社
 ▽用途=蒸米、洗瓶、タンク洗浄、火入れ(殺菌)その他
 ▽蒸気供給能力=約40トン/時
 ▽設備投資額=9億円

ト ピー工業・スチール事業部(事業部長=宮本章常務)は、新製品・新市場の開拓と、ヒモ付きを中心とした国内外販を拡大することにより、下期の業績を黒字化させる。なかでも新製品関連は上期実績より1割以上も多い月間4000トンに引き上げる。製鋼設備のリフレッシュによるコストダウンに拍車をかけることに加えて、付加価値の高い新製品を拡販することで収益の大幅な改善を図る。

 上期の実績は、形鋼類の月間生産・販売数量が前年同期比で3000トン増の6万3000トンとなった。内訳は国内が5万トンと横ばい、輸出が3000トン増の1万3000トン。輸出の拡大が全体の数量を押し上げた。米国のAD問題で海外からの供給が減少し、米国ミルがH形鋼に生産を集中させたため、海外への一般形鋼の引き合いが急増した。

 国内5万トンの内訳は社内向けが同2000トン減の1万トン、国内外販向けが同2000トン増の4万トン。小棒は月間2万3000トンレベルをキープしている。国内の形鋼類は新製品・新市場向けの販売が月間3500トン規模に成長したことが、数量増に寄与した。

 しかし、収益面では数量の6割を占めるヒモ付き向けがユーザーの値引き要請で苦戦を強いられ、4割の店売り向けの価格が上がってきたものの、ヒモ付きの落ち込みをカバーできなかった。上期のトータル収益は当初計画段階より赤字が減少したが、最終的には赤字が残った格好。

 下期は月間6万5000トンの生産・販売を目指す。内訳は輸出1万トン、国内5万5000トン。国内の内訳は社内向けが1万2000トン、国内外販向けが4万3000トン。小棒は2万3000トンをキープする。国内外販では造船、建機、土木などのヒモ付きを伸ばす計画。

 新製品・新市場向けは4000トンに引き上げる。02年度には5600トンとする。ハウス向けH形鋼、リム・履板の新製品、異形形鋼の市場拡大を狙う。関連会社である北越メタル・三条工場をからめて拡大し、三条工場の稼働率アップにつなげる。



あ き缶処理対策協会が99年度に全国の694区市を対象に実施したアンケート調査によると、有回答の自治体581の中で540自治体がスチール缶を資源ゴミとして回収していることが明らかになった。集荷後の処理形態は、プレスが67・7%でトップ。プレス処理されたもののうち82%が有償。価格は平均2550円(トン当たり)で、前年度比500円の低下となった。スクラップ市況低下の影響と見られている。

 スチール缶は、アルミ缶と並び有価物回収の主要アイテムとなっている。特にスチール缶は、有回答581のうち540自治体で分別回収されており、92・9%に達した。98年度を3・2ポイント上回っており、アルミ缶(93・5%)に次いで高い水準となっている。

 集荷後の処理形態は、プレスが342自治体で、67・7%。スチール・アルミ混合の丸缶処理が72自治体で、14・3%。スチール・アルミに分別した丸缶が62自治体で、12・3%。残りがシュレッダー(24自治体、4・8%)、1缶プレス (5自治体、1・0%)。

 形態別の売却方式は、プレスが有償279自治体、81・6%。無償が47自治体、13・7%。逆有償が16自治体、4・7%。これに対し、スチール・アルミ缶混合の丸缶では、逆有償が22自治体、35・5%。スチール・アルミ缶に分別した丸缶が逆有償24自治体、33・3%と逆有償の比率が高くなっている。無償売却を含めると丸缶は80%以上の高率で、対価なし、ないしは逆有償での譲渡となっており、丸缶形態での価値低下が際立っている。



鍛 工品メーカーのメタルアート(本社=滋賀県草津市)は、技術援助を行っているインドネシアのPT・ネナラ(NENARA TERUS MAKMUR)社から4月以降10人の技術研修生を受け入れた。98年4月に受け入れた10人が2年の研修期間を完了したためで、今回の研修生から期間3年に延長する。海外研修生の受け入れは海外戦略の一環となるものだが、自社要員対策と労務費の固定費化にも貢献する。

 同社は、神戸製鋼、住友金属、山陽特殊製鋼、愛知製鋼などからSC、クロモリ、快削鋼などを月間4500トン購入し、自動車のトランスミッション用ギア、シャフト、バルブなどを生産している。自動車向けが全体の53%、残りが建機向けで、高い技術力と精度が要求される鍛工品が主体。

 海外メーカーとの関係は、アメリカのマスコテック社との技術提携を中心に、インド、インドネシア、韓国などのメーカーに技術支援を行っている。この中のインドネシアのPT・ネナラ社から技術者の研修生としての対日派遣要請があったため、98年4月から受け入れを開始。最初の10人は2年間の研修期間で実施した。3月末に切れたため、4月から新たに期間3年の研修生を受け入れた。同社にとっては、要員対策からも歓迎されており、これにより労務費の一部を固定費に転換する効果もある。

 同社は、従業員230人程度で操業しているが、50歳以上の社員が37%と高い比率を占めており、先行き要員対策が大きな経営課題となっている。一方で、現在取り組んでいる中期経営計画で収益構造の改善が打ち出されており、この中で労務費の変動費化が打ち出されている。海外研修生の受け入れは、相互の企業にもメリットがあるため、今後も継続していく方針。

東 京地区の異形棒鋼はベース2万6000―2万6500円と強含み。週明けから流通は売り越し分の手当てを急いでいる。メーカーの価格対応が想定より厳しいためで、安値警戒感が急速に広がった。流通は今後新規の提示価格を2万7000円以上に上げざるを得ない情勢で、市況は反発局面に転じそうだ。

 メーカー側は2万7000円下限を表明していたが、従来メーカーが折り合ってきたため、流通はこれを下回る価格で販売していた。しかし今回はメーカーが妥協しないことが判明し、特約店を中心に売り越しポジションの解消に転換した。需要家側の当用買い姿勢はにわかに変わりそうにないが、思惑が外れた流通の販売姿勢は変化しそうだ。大型物件の納入が本格化するなど、需給はベースを中心に窮屈になっていたが、従来は流通の思惑などによって需給実態が市況に反映していなかった。