2001.01.15
神 戸製鋼は、25日から線材のサプライ・チェーン・マネジメント (SCM)システムの稼働を開始する。全国の線材二次加工メーカー50社弱を対象としたもので、オンラインで直結し加工状況、在庫動向、申し込みなど一括して管理する。「今回のSCM稼働で、二次加工業界の実態がリアルタイムで把握でき、在庫コストの削減や管理コストの圧縮が進む」(光武紀芳・副社長)としている。今回の線材を対象としたSCMに続き、年内にも薄板、厚板を対象としたSCMの立ち上げを計画している。

 神戸製鋼の線材は、自動車用の弁バネやタイヤ用のスチールコードなど高級品に特化している。このため、二次加工や焼き入れなど供給後の再加工が重要なポイントになっている。最終需要家への納入も中間加工が不可欠。今回、これら二次加工メーカーをSCMで囲い込むことでコスト削減を図るとともに、二次メーカーとの一体的な供給システムの構築を目指す。

 線材の生産は、加古川製鉄所と神戸製鉄所で行っている。加古川の8線材ではスチールコードなどの量産品。神戸の7線材では自動車用の弁バネ、軸材、家電製品用の高級線材を生産している。生産能力は、神戸が11万トン(月間)、加古川が4万5000トン。

 販売は商社経由だが今回、全国の二次加工メーカー50社弱を対象に、SCMシステムを構築。25日からの運用を開始する。当面は受発注、デリバリー管理が中心で、段階的に在庫管理、仕掛品の工程管理などへ移行する。さらに次の段階として三次加工メーカー、最終ユーザーといった末端までシステムに乗せていくことを考慮している。

三 菱商事と鈴徳(本社=東京都墨田区、鈴木孝雄社長)は12日、経営難に陥った鉄スクラップディーラーのタカセキ(本社=埼玉県比企郡川島町、高橋征社長)の事業を継承し、新たな事業展開を図ると発表した。タカセキの川越支店とELV(廃車リサイクル)事業部の資産・営業権は、今年3月1日をメドに三菱商事と鈴徳の共同出資による合弁会社「メタルリサイクル」が譲り受ける。タカセキの藤沢支店は同日付で鈴徳が営業権付きで譲り受けて、藤沢営業所とし、既存の川崎支店と併せて京浜地区での集荷・供給網の充実を狙う。タカセキは鉄スクラップ事業から撤退し、不動産管理会社となる。

 メタルリサイクル(埼玉県比企郡川島町)は資本金9000万円(三菱商事70%、鈴徳30%)で99年11月に設立。社長は島元和生氏(三菱商事・九州支店金属第1チームリーダー)。現状はペーパーカンパニーだが、2月上旬に産業廃棄物処理や中間処理などの許認可を取得して、3月1日から事業を開始する。売上高24億円で、初年度から黒字化を目指す。従業員は約60人をタカセキから引き継ぐ。今後はIT関連の設備投資を予定している。

 三菱商事は、関西地区で小棒メーカーの中山鋼業の再建を支援、資本関係のある平鋼メーカーの関西製鋼と臨港製鉄の統合にも積極的に関与した。関東地区では小棒商いの帳票類の統合を目指したデーバー・イーディーアイセンターという業界のインフラ整備も進めている。

 原料面では関東地区でタカセキに39%出資し事業を展開。タカセキの市原支店の閉鎖などを含むリストラも模索してきたが、今後は鈴徳を新たなパートナーとし、拠点を構築したうえで、東京菱睦会のメンバー21社とともに関東地区の冷鉄源事業をカバーする。

 建設鋼材製品では今年4月2日をメドに、ダイヤスティール、上野鉄鋼、エムシー・メタルテック、三菱商事の商権の一部を移管して機能統合会社を設立するのと同様に、冷鉄源事業では3月1日付でタカセキの資産と商権譲渡を受け、鈴徳との合弁会社に新たな機能をもたせるというアライアンスに乗り出した。ELV事業や廃家電・廃自販機のリサイクルに積極的に取り組むことで、環境型社会に対応すると同時に、収益の拡大を目指す。

可 鍛鋳鉄メーカーの吉年(本社=大阪府河内長野市、吉年正守社長)は、ステンレス配管分野に本格進出する。環境問題に対する意識や安全性への要求が高まる中、有害物質を発生することなく、リサイクルも容易なステンレス配管材の需要増が見込まれることに対応するもの。その一環として、1月からステンレス鋼製ねじ込み管継手の販売を始めたほか、2月からはステンレス鋼管・屋内配管用メカニカル式管継手「SUSFIT(サスフィット)」の販売を開始する。

 このうちサスフィットは、継手メーカーのリケン(本社=東京都千代田区、小口邦彦社長)との共同開発によるもので、建築設備分野の空調、給水・給湯配管向けの需要を中心対象とするもの。適用管は一般配管用ステンレス鋼管(JIS G 3448)、水道用ステンレス鋼鋼管(JWWA G 115)の2種で、管の接続工法は拡管式(メカニカル式)。継手の構造は、管の拡管部にナットが掛かる構造になっており、引き抜きに対する阻止力が強く、拡管作業は専用の拡管機を用い、拡管後の接合はパイプレンチで簡単に接合できる。接合時にはナット以外の部品を取り外す必要がなく、素早く確実な接合ができる。また、トルク締め付けを完了すると、赤いFP(フールプルーフ)カラーは青いFPカラーの下に隠れ見えなくなることで、接合が一目で確認できる。適応寸法は13SU―60SUで、アイテム数は194をラインアップしている。

 一方、ステンレス鋼製ねじ込み継手は、石油化学や電力、食品分野などをはじめあらゆる産業および上下水道向けを対象としており、材質はSCS13(SUS304)。適応寸法は6A―100Aでアイテム数は290.ロストワックス製造法(精密鋳造法)と熱処理により、高い寸法精度と内部組織品質の均一・安定化を実現。従来のシェル鋳造法に比べて鋳肌が美しく、サイズ・マークなどがより明確となる。
韓 国からの情報によると現代鋼管は11日、2001年の冷延鋼板の生産を前年の160万トンから184万トンへ引き上げるとの考えを示した。また同社は、同社とユニオン・スチールとの合併の可能性に関する一部報道も否定している。

 現地では浦項綜合製鉄の会長が、国内の能力過剰解消を目的とする現代鋼管とユニオン社の合併を提案したと報じられていた。

 現代鋼管としては、01年の冷延鋼板生産のうち65%を系列の現代自動車および起亜自動車向けに出荷する考えで、これにより浦項の2社向け出荷は60万―70万トン減となると見込まれている。

 一方、浦項は01年の冷延鋼板生産計画を前年並みの910万トンと設定している。
関 西地区の大手鋼材特約店である清和鋼業(本社=大阪市西区九条南、阪上正章社長)は今月から、階段歩行の騒音を大幅に軽減する新型の階段用鉄製段板「サイレントステップ」の販売を開始する。鋼製階段メーカーの弘峰製作所(本社=大阪市南河内郡河南町、木場弘社長)が開発した新商品で、販売には2人の専任営業マンを配置した特品販売部を設置、初年度は売上高2億円を見込む。当初は近畿一円を販売エリアとするが、反応が良ければ全国展開も行っていきたい考え。

 新製品は、新設もしくは既設の階段に消音シートを敷き、その上に亜鉛メッキ縞鋼板を重ねてステンレス製リベットで止める構造。階段通行の歩行音は最大90デシベル超と人の声に匹敵するが、これを最大17・5デシベル削減でき、高音や残響音がなくなるなど従来品と比べても消音効果が高い。螺旋階段や変形階段などあらゆる階段に対応できるほか、既設階段のリニューアル時も階段使用が継続できるなど施工が簡単。また、消音シートがほとんど露出しない仕組みのため火災にも強く、耐久性も高いという。

 販売価格は1平方メートル当たり約3万5000円。階段使用量は通常、ワンフロア当たり10平方メートル程度となるため、ワンフロアだと施工込みで35万円程度となる。
住 友金属工業は、事業環境の変化に対応し、生きた経営情報を、内外の個人投資家、機関投資家、IR調査機関、報道機関、株主、社員などに、適時・的確に伝達し、同社経営への幅広い理解を得るとともに、既存の顧客ならびに従来取引のない顧客層への営業活動を側面支援するため、ホームページの全面的な改訂を実施した。

 計画的・効果的発信を狙って、社外向け住金ホームページ(HP)を社内外への情報発信のためのツールと位置づけ、発信媒体としてのインターネットの運用性の高まりや、海外株主の増加等に対応するためリニューアルし、企業情報提供の充実を図るのがねらい。

 改訂内容は(1)トップページの改訂(2)会社紹介の内容充実(3)「株主の皆様へ」の内容充実(4)鉄鋼製品情報ページ(新規製作)(5)英語版の内容充実(6)全社共通及び事業部別の問い合わせページ(新規製作)今後、製鉄所・製造所の紹介のページの新規製作、既存のHPの内容の更なる充実を図る。

 アドレスはhttp://www.sumikin.co.jp/
東 京地区の 中板(3・2―4・5_厚、ベースサイズ)は弱気ムードが広がっており、市中価格は3万8000―3万9000円中心。

 今週から本格的な商いがスタートするが、不安材料の残る相場で扱い筋も強気になれない。輸入コイルの供給増加と価格対応に懸念があるためで、昨年11月の輸入実績ベースでも熱延コイルは薄板類の中で一品種だけ増加している。

 扱い筋は小売価格の維持を基本に進めるが、全体的な弱気感がコイルセンター各社の売り急ぎに結びつくと市況にも影響が出てくる。

 コイルセンターの稼働率は昨年秋以降高い水準を保っている。1―3月の需要は00年10―12月と同水準が見込まれるが、供給とのバランスが取れるかがポイント。国内メーカーは減産姿勢を取っており着実に在庫は減っているが、流通からは一段の需給対策を求められている。