2001.03.15
関 西電力が、和歌山県御坊市名田町で建設している御坊第2火力発電所の埋め立て護岸用3000トンケーソン33凾が三井造船由良工場で4月末までに完成する。この後2001年度以降、さらに165凾の発注が予定されている。1凾のケーソンは6階建てビルに相当する大きさで、最終的には鉄筋4万トンの需要が見込まれている。

 関西電力御坊第2火力発電所は、すでに操業している1発電の隣接海域を埋め立て建設される。発電所の規模は110万KW×4基、合計出力440万KW。00年2月5日に着工し、当初07年度1月に1号機の運開を予定していた。しかしその後、電力需要想定の見直しが行われ、10年度以降に変更されている。 対象海域の埋め立ては、護岸部分を含めて109万平方メートル。付帯設備として御坊市との連絡橋と燃料受け入れのシーバースが建設される。

 工事は、埋め立て護岸と連絡橋の橋台工事が先行。昨年橋台用ケーソン8凾と護岸用ケーソン25凾が発注された。加工は三井造船・三井建設JV・浅川JVが受注。三井造船由良工場内で、製作が進められている。

 護岸用のケーソンは、15×16×高さ19メートルとほぼ6階建てのビルと同程度の大きさがあり、1凾当たり180トンの鉄筋が使用されている。この33凾分のケーソンは、4月までに製造が終わる。この後、クレーン船で現場海域に運ばれ埋設される。大型ケーソンには、現場で石などが空洞部分に入れられ、最終的には1凾7000トンの重量になる。

中 山三星建材(本社=大阪府堺市、佐藤亘社長)は4月から大幅な組織改正を行い、営業強化を図るとともに、生産拠点の集約を推進する。まず、全国の営業部・工場を九州、中四国、近畿、中部東海、北海道の6ブロックにまとめ、各ブロックに責任者を置き、営業と工場を一元管理する。これに付随して、近畿営業部北陸課を東海営業部に移管する。生産面では線材二次製品合理化プロジェクトチームを組織し、吉田工場の線材二次製品の生産を清水工場に集約するとともに、辰口工場(石川県能美郡)の線材二次製品部門を他工場に統合する。また、加工を行っている泉北工場(堺市海山町)を堺工場(堺市山本町)に統合、堺工場の加工部門として位置付ける。

 同社は中山製鋼所系の建材メーカー、全国に苫小牧、吉田、清水、辰口、名古屋、堺、大阪、泉北、西大寺、田布施、丸亀、大分、宮崎、都城の14カ所に工場を持ち、軽量形鋼、電縫鋼管、線材二次製品、高力ボルトの生産を行っている。

 かねて、生産拠点の見直しを行っていたが、昨年は軽量C形鋼、鋼管の工場体制を再整備してきた。まず、昨年10月には中山製鋼所の清水製鋼所と名古屋製鋼所の軽量C形鋼の生産設備などを譲り受け、両所を名古屋工場、清水工場とした。

 また、清水工場は吉田工場(静岡県榛原郡)と距離的に近く、軽量C形鋼の生産がラップすることから、今年に入り、吉田工場のフォーミング設備を清水工場に集約した。

東 京製綱(上西凖社長)は、14日の取締役会で10月1日を期して東綱商事(本社=東京都中央区、関口満社長)と合併することを決めた。

 東綱商事は、東綱の子会社として1959年に設立され、その後、商事会社としての業容を拡大してきた。しかし、グループの中核事業である鋼索業界を取り巻く経営環境は厳しく、このため合併により経営資源の効率化と市場競争力の強化を図ることにした。合併方式は東京製綱を存続会社とする吸収合併方式で、東綱商事は解散する。
関 東地区の鉄スクラップヤード業者で構成する関東鉄源協議会(会長=渡辺淳・丸和商事社長)は14日、商社を対象に4月積み鉄スクラップ輸出入札を行い、丸紅テツゲン、川鉄商事、兼松の3社が計1万4500トンを落札した。落札価格は7610―7650円で、関東地区メーカーの炉前価格を300―500円上回る。韓国や台湾向けなど好調な輸出が、価格・数量の両面から国内市況の下落を抑える要因となっている。

 落札の内訳は丸紅テツゲンが7610円(5000トン)、川鉄商事が7630円(4500トン)、兼松が7650円(5000トン)。前月の入札(住友商事、2万トン、7750円)に比べると、落札価格は100―140円下落したものの、国内市況との比較では引き続き有利な価格で決定している。

 関東の鉄スクラップ需給は、域内需給バランスと西日本向け船積み低調から余剰感が出ている。これに対して月間7万―8万トン規模の韓国、台湾向け輸出が余剰分をカバー。今回の入札を含めて3―4月積みの契約残は10万トン前後あると予想され、引き続き輸出が市況下落に歯止めをかける要素となりそうだ。
新 日本製鉄は14日、同社プラント事業部が伊藤忠商事と共同で、韓国の浦項綜合製鉄(POSCO)からスラブ用加熱炉設備を受注したと発表した。新日鉄は基本設計と主要機器の供給を担当し、韓国内調達品はPOSCOのエンジニアリング子会社であるPOSCO開発(POSEC)が供給する。設備の稼働は2003年4月の予定。

 この設備は、加熱能力時間当たり240トンの切替式蓄熱バーナー(リジェネバーナー)式スラブ用大型加熱炉で、POSCOのスラブ用大型加熱炉としては、初めてリジェネバーナーシステムの導入となる。リジェネバーナーシステムは蓄熱器を保有する一対のバーナーで交互に燃焼、排気を行い、排ガス顕熱を有効利用して高温の予熱空気が得られる燃焼方式で、燃料原単位の向上、低NOx化などの環境対策の面で優れている。

 新日鉄は、リジェネバーナーを使用した最適燃焼制御システムを独自に開発し、トータルシステムとして最適な機能を発揮する加熱炉を実機化している。

 プラント事業部は、日本国内外で合計72基の加熱炉建設実績を有し、国内のスラブ・ブルーム用大型リジェネバーナー式加熱炉では、10基以上の豊富な納入実績がある。今回の商談では、これらの納入実績とそれに基づく技術的信頼性が高く評価され、受注につなげた。
米 国の一部の下院議員らがこのほど、鉄鋼輸入制限を目的とした調査を直ちに開始することを、ブッシュ大統領に書簡で要請した。

 書簡は米下院歳入委員会の民主党議員6人と共和党議員2人の連名によるもので、1998年以来の鉄鋼輸入増加により、鉄鋼メーカー11社がチャプター11を申請、1万5000人がレイオフされているとして、通商法201条による輸入制限に向けての調査開始を要求。

 加えて、鉄鋼業界は1980年代後半から90年代前半にかけてすでにリストラを実施済みであるとして、今回の調査開始の条件に、業界のリストラ案提出を含めないことも求めているとされている。
N KKは、リングダイアフラム付円形鋼管柱「NTコラム」が販売開始から好調に推移しており、受注ベースで本年度が1万4000トン、来年度は当初の目標である2万トンをクリアする見通し。来年度以降は、PRを強化するなど市場浸透を図り、年間2万―3万トンを確保していく方針だ。

 「NTコラム」は、94年に開発されたリングダイアフラム付円形鋼管柱。特長は(1)外ダイアフラム形式でコンクリート充填性が良く、CFT構造に最適(2)鋼管柱には高品質の厚鋼板を使用しており耐震性に優れ、耐衝撃性も高い(3)柱通しタイプのシンプルな構造で、自由な梁プランに対応可能―など。

 近年、建築デザインの多様化によって、鋼管内部にコンクリートを充填するCFT構造が、首都圏再開発向けを中心に需要が漸増。「NTコラム」も六本木六丁目や汐留など、大規模物件で受注に成功している。

 NKKでは、年々高まるユーザーニーズに対応するため、設計から加工図製作まで一貫体制を整えている。また、99年には、96年から継続してきた膨大な実験・解析結果に基づいて独自設計式を開発し、これを盛り込んで建設大臣の一般認定を更新している(94年に一度取得済み)。

 この地道な努力が効果を表し「NTコラム」は販売開始から好調に推移しており、受注ベースで本年度が1万4000トン、来年度は当初の目標である2万トンをクリアする見通しとなっている。

松 田商工(本社=東京都江東区、松田中社長)は、酸水素ガス発生装置による溶断を開始する。第1工場(浦安市)に発生装置「アクアガスジェネレーター」(アイエスプラン製)2台を設置し、フレームプレーナーやNC溶断機などに接続。工場内の水道・電気工事に着手しており、早ければ今月中にも稼働する見通し。

 厚中板の溶断シャーリング・各種加工を行う同社は、昨年春から酸水素ガス発生装置の導入を検討。従来のLPGに比べて切断速度が約1・3倍にアップするほか、熱影響が少なくノロの発生や鋼板の歪みを抑えられる点、折り曲げや穴あけ、開先、ロールなどの次加工が容易となる点などから導入を決めた。

 アイエスプラン製のアクアガス(酸水素混合ガス)発生装置「AGG―6500」2基を設置、フレームプレーナーやNC溶断機(ロボQ)、ポータブル溶断機に接続する。溶断設備により供給を切り替え、火口はフレームプレーナーで4―5本の使用を予定。工場内の電気・水道など関連工事を行ったうえで設置場所を決定、早ければ月内にも稼働させる。

 溶断部門の月間平均加工量約1200トンのうち、まずは150―200トンの加工をアクアガスで行う方針。6、9、12ミリなど厚みの小さい部材、幅が狭く細長い部材など歪みが出やすい溶断、開先加工などで積極的に採用。特に二次加工を含め自社加工の比率が高いため、鋼板の歪みを抑えられれば曲げやロールなど二次加工の際に作業性が向上する。寸法精度や開先角度などの切板品質の向上、納期対応の強化につなげていく。

東 京地区の冷延薄板市況は輸入コイルの先安観が市場全体に広がり弱含み。市中価格(1・0―1・6ミリ、ベースサイズ)は5万円中心だが、一部これを下回る安値も出ている。

 輸入材は韓国、台湾を中心に国内を下回る価格が提示されているようだが、交渉が潜行しており数量も明確ではない。ただ、量的に月間8万トン弱の入着と国内の需給環境からするとやや多い状態が続くため、市中の先安観を加速させている。

 販売業者では「引き合いが一段と小口、短納期化している」という。小売業者は値下げ販売により量を確保するのは困難との認識であり、どこまで販売姿勢を堅持できるかが市況を左右する。

東 京地区の大径角形鋼管(コラム)市況は12×300×300の一次加工付き価格で、STKR5万7000―8000円。BCRはエキストラが崩れており、8000ー9000円アップ。1カ月前に主流を占めた1万円アップはほとんどみられない。僚品H形鋼に連動した、荷動きの悪さが続く。目先弱含みで推移。

 3月の現在の出庫量、入庫量、在庫量は2月比横ばいで推移。加工納期の受注残は1―2日と短い状態が続く。仕事は定時で終了している。このため、加工設備を遊ばせないことを目的とした、STKR5万6000円前後での安値販売も一部でみられる。市況が上昇するのは、4月後半以降。

大 阪地区のコラム市況は需要急減で流通の売り腰が弱まっており、1000円続落。市況はベース5万5000―5万6000円どころ。

 商業店舗などの建築需要が冷え込み、荷動きは低調。需要家からの引き合いは200、250ミリ角の小口中心で、流通出荷量も昨年末から20―30%方減少。「現在の売上高は需要が好調だった昨夏の半分程度」(扱い特約店筋)に落ち込んでいるのが現状だ。

 市中在庫もメーカー各社が減産に取り組み、増勢には歯止めがかかっているものの、なお過剰感が強い。

 また、流通の加工納期も2―3日とほぼ即納の状態で、売り腰は当面、軟調とならざるを得ないだろう。