2001.04.10
普 通鋼電炉工業会は、関東地区電炉メーカーの技術者を中心とした有志メンバーの呼びかけで、「関東電炉技術交流会」を発足した。朝日工業、エヌケーケー条鋼など関東メーカー全社が参加。3月12日に第1回会合を開き、会長に伊藤製鉄所の藤澤豊常務を選出した。若手技術者の育成、環境・スクラップ問題への対応など情報交換、技術交流を行う。

 電炉技術に関する情報交換や人脈の拡大を目的に年数回程度、不定期に開く。メンバーは関東全社(16社)で、副会長に、向山満・向山工場専務、松村孝・中央圧延取締役、井手俊彦・合同製鉄取締役船橋製造所長の3氏が就任。

 ダイオキシン排出規制など環境問題や品質が劣化するスクラップ問題への技術対応、国内外の技術情報の収集・分析、異業種工場の見学、技術講演会など、メーカー各社に共通するテーマを元に具体的な活動を進める。

 同交流会は普電工の下部組織に位置づけられ、同様の会を他地区でも検討する見込み。

日 本プロジェクト産業協議会(会長=千速晃・新日本製鉄社長)は9日、大深度地下を利用した大都市新生プロジェクト実現に向けて、5日に発足した研究会の内容を発表した。4つのワーキンググループを設けて、大深度地下利用の指針となるグランドデザインの検討を行う。組織体制は、主査に浅野光行・早稲田大学教授を、副主査にゼネコン各社の部長らを迎えたもの。メンバーは現在25社だが、今後は東京ガスやNTT、商社などを勧誘していく。検討期間は2年間。政府や、東京都など地方自治体との意見交換会を実施するとともに、市民の理解を得ることを重視して広報活動なども行う。

 4つのワーキンググループは、各都市間のネットワーク強化を図る「首都圏幹線ネットワーク検討WG」、都市内の物流・廃棄物拠点整備に取り組む「新たな都市基盤整備WG」、都心部の面的開発をする「新たなまちづくり検討WG」と「環境・防災・エネルギー対策WG」だ。今後、2週間に1回の割合でWGを開く。秋ごろから、基本理念とグランドデザインの検討、提案を行い、その後研究会として取り上げるプロジェクトを選定する。来年度下期には東京都などに対して提言をしていく。

マ ックス(橋本久雄社長)は、2001年度スタートの中期3カ年計画最終年度(03年度)に、連結ベースで売上高600億円(01年3月期予測498億円)、営業利益80億円(同58億円)と過去最高の業績を目指す。各営業部門を事業経営の単位とし、経営管理を徹底。釘打機など業界トップシェアの基本事業の拡大と、成長を見込む浴室換気乾燥機などの住宅環境設備機器事業に力を注ぐ。国内生産子会社は付加価値の高い釘と鉄筋結束機用消耗品にシフトする方針。

 収益構造を再構築し、事業単位での投入資産に対する税引き後営業利益とキャッシュフローの拡大を図る。中計初年度の01年度予想は、売上高が前期予測比7・7%増の530億円、営業利益同7・1%増の61億6000万円。03年度は営業利益率13・3%(同11・6%)、当期純利益45億円(同32億円)、1株当たり当期純利益82・2円(同58・4円)、ROE7・1%(同5・7%)と過去最高の数値目標とした。

 事業展開は、成長分野に経営資源を投入する。釘打機などインダストリアル部門は、新設住宅着工戸数110万戸を前提に取り組み、釘打機事業の効率化に努める。一方で00年8月に買収したシンワグループの浴室換気乾燥機を中心とする住宅設備分野に注力。住設分野では03年度に売上高60億円(00年度38億円)を設定した。
国 土交通省は9日、2001年5月分主要建設資材月別需要予測を発表した。普通鋼鋼材需要量は225万トン(前年同月比7000トン、0・3%減)と予測された。民間非居住建築物の着工が減少している反面、工場が好調を維持していることから19カ月ぶりの前年同月比減となるが、微減にとどまる。

 このうち形鋼は58万トン(同1%増)、小棒が91万トン(同0・9%増)。形鋼は4カ月連続、小棒は24カ月連続の増加となる。

 また、2000年度累計は、普通鋼鋼材が2841万8000トン(前年度比5・8%増)で、うち形鋼が709万9000トン(同5・9%増)、小棒が1113万3000トン(同3・8%増)と、いずれも増加した。
シ ーケー金属(本社=富山県高岡市守護町、釣谷宏行社長)は、4月末より守護町めっき工場の設備増強工事に着手、建築・鉄骨向けの月間めっき加工能力1600トンを2000トン体制へ増強する。

 今回の設備増強の主な目的は、鍍金槽の釜幅(現行1・6メートル)を2・1メートルに拡張し、大型構造物の部材のメッキ受注を増やすことにある。

 増強工事の総工費は1億5000万円、工事終了は5月11日の予定。

 新しい鍍金槽の釜幅は国内最大級となり、これまで大阪地区へ流れていた北陸地区で処理不能な大型部材のメッキ需要の大半を引き受けることが可能になる。

 今回の設備増強については、富山県と石川県の同業2社と協調体制を取ることになっており、2社からの依頼についても積極的に対応する方針。

 地元3社が受注処理できずに大阪地区などへ流出している大型部材の地元メッキ需要は、推定で月間400トンと見られている。

 地元の需要家サイドでは従来より、大阪地区までの運送コスト削減や運搬に要する2日間の納期短縮を図るため、地元のメッキ工場での処理を要望する声が強かった。
タ キロン(本社=大阪市中央区、西谷重三社長)は、市場ニーズにより密着した開発を目的に、建築資材事業部門における商品開発体制の大幅な見直し策を進める。具体的には、4商品グループがそれぞれ5拠点に分散配備している商品開発部隊を新たに2カ所の拠点に集約し、事業目標に沿った商品戦略の企画立案、新商品開発実行への機能強化を図る。

 従来、建築資材事業部門の商品開発は、波板やポリカーボネート樹脂を中心とした「採光建材」、雨樋などの「住宅資材」、排水マスや小口径マスの「管工機材」、長尺塩ビ床材の「床材」といった4つの商品グループで構成され、全社売り上げの約半分を占めるに至っている。しかし、それらの主力商品はいずれも成熟期を迎え、大型新製品の投入・早期育成による事業の体質強化が課題とされていた。

 このため、新製品の売上高比率の向上を目的に、すでにテーマアップしている製品体制と市場浸透のスピードアップ、顧客ニーズに直結したマーケットイン体制強化で、開発テーマの発掘――などを主眼に据えた開発体制にするもの。

 従来、数カ所に分散していた商品開発部隊を東西2カ所に集約することで、技術の重複や拠点ごとの小粒なテーマ、長すぎる開発期間などの問題点に対して、技術の共有化が図れるとともに大規模な重点開発テーマにも対応しやすくなる、といった利点があるとしている。

 東の拠点としては、土浦市近郊にある東京第一工場に住宅資材を中心とした開発部隊を配置する一方、西の開発拠点として兵庫県の揖保川事業所にポリカーボネート樹脂の高機能化製品開発部隊を配置する。
北 米向け小棒輸出がますます活発化しそうだ。昨年後半から円安に振れていた為替が、4月には126円台に乗り追い風となっている。関東スチールが2月積みで1万トン、4、5月積みで計1万トンを成約。共英製鋼の枚方事業所では6月積みで1万トン。三星金属工業は4、5月積みで計2万トンを輸出する。メーカー各社は価格改善を目的に、国内向けの減産強化を進めている。需給対策に輸出成約を積極的に行っており、「国内市況を上回る価格であれば応じる」(伊藤製鉄所)構え。各メーカーは引き続き、輸出成約に取り組む考えを示している。

 米国の小棒需要は、景気減速のあおりからやや縮小しているが、円安基調を強めているため、日本への引き合いは堅調に推移している。今年2月には220j程度であったFOBが、足元210j際まで落ちてきている。米国ユーザーの値引きと併せ、「円安から日本の商社がドルベースで値を下げても円換算では利益を確保できるため」(メーカー)、軟化しているという。

 210jであれば、126円換算で2万6000円台。220jで決めたところもあり、採算に合う価格水準となっている。メーカー各社は国内市況の立て直しを目的に、1―3月に続き4―6月も減産体制を継続するが、さらに輸出成約を積極的に進めることで国内向け出荷量を抑える。

関 西地区の小棒メーカー各社は4月契約の店売り販価を前月比1000円値上げする方針のもと、今週9日から13日までの5日間の期日限定販売を開始した。「期日限定販売」は他地区に先駆け構造改善を実現しながら、再び全国最安値に沈んだ関西地区小棒市況に危機感を強めたメーカーが、減産に加えた新たな対応策として3月契約で打ち出し、引き続き4月契約でも実施するもの。今週5日間のメーカーの契約対応が今後の市況展開を占う上で大きなポイントになるともいわれており、その動向に関心が寄せられている。

 関西地区の小棒市況は需要の予想以上の冷え込みで年明けから下落が続き、現状ベース2万4500円どころ中心まで軟化しているが、危機感を強めたメーカーが3月契約で販価据え置きの1週間の期日限定販売と4月契約での1000円値上げを同時に打ち出したことで下げ止まり感が台頭、底値圏入りとの見方が強まってきた。 3月契約では販価据え置きで突っ張り、期日限定販売を厳守した結果、ダイワスチール、中山鋼業のベースメーカーでは成約量が通常月より3割近く落ちたとし、また岸和田製鋼、共英製鋼枚方事業所の細物メーカーでは契約が実質スキップした状態という。

東 京地区の中板は弱基調だが、底値も見えつつある。市中価格は3万5000―3万6000円が中心。

 定尺品の販売は2月に続き3月も横ばいで推移したようだが、コイル価格の影響を受けて市況は年明け以降、2000円前後下落している。東京製鉄のコイル価格発表は大きく影響したものの、輸出価格の上昇や新日本製鉄による受注調整など、市況下落に歯止めをかける動きが出てきている。

 コイルセンターでは「需要家向けの加工はさほど落ちていない」としている。年度末でメーカーの供給が増加したため、在庫はまだ高い水準。在庫の圧縮が進めば反転を目指す環境が整う見通し。

東 京地区のSUS304系ベースサイズがトンあたり23万円、SUS430系が同18万円。弱含み横ばいが続く。

 先月半ばまで304系で24万円、430系で18万円だった中心値は、ここにきて1万円ほど下押しされた。好調が続いていた扱い量の伸びが止まったため、韓国材を中心とする輸入鋼材の流入量が増えているためと、複数の理由が推測される。4―6月期は年間を通しての不需要期。基調軟化はやむを得ないところだが、「問題は例年以上の落ち込みがあるかどうか」(問屋営業)だ。

 市中在庫は、基調に影響を与えるような増減はないが、払い出しとのバランスで、やや増加の懸念がある。

 目先、弱含み横ばいの見込み。

大 阪地区のコラムはベース5万5000―5万6000円どころジリ安。

 工場・倉庫のほか商業施設などのS造建築は引き続き低調。地区の目立った物件も見当たらず、市中の荷動きは閑散。「4月に入っても春需の兆しは見えない」(特約店筋)。

 また、主要需要家であるファブリケーターの手持ち工事は物件の減少から大幅に減少。昨年、回復傾向にあった鉄骨価格も10万円前後を軟調な推移となっている。

 このため、流通の売り腰は需要家の指し値に応じる形で弱含みに推移。

 一部流通の安値にも引きずられている。また、大型物件の減少からBCRの1万円エキストラも崩れている。