2001.04.12
国 際ステンレスフォーラム(ISSF)の第5回大会が、5月6日から8日までの日程で、ブラジルのリオデジャネイロで開催される。

 リオのコパカバーナ・パレス・ホテルをメーン会場に、世界のステンレス生産者が一堂に会する。第5回大会で初めて舞台を南半球に移し、よりグローバルな視点でステンレスの市場開拓など、ステンレス業界の発展へ向けた対応が話し合われることになる。

 前回、横浜で開かれた第4回大会では、会長に田中實・日新製鋼会長兼社長を選出したほか、副会長などの同フォーラム幹部の人選を行った。今回も役員の改選期に当たるため、役員陣容の変更も決議される運びだ。

 日程は5月6日、7日の両日に、ISSF総会と年次大会を行い、8日には工場見学が予定されている。

 ISSFの大会は、第1回が韓国・ソウル、第2回がスペイン・マドリード、第3回が米・ピッツバーグ、第4回が横浜で開催された。世界的レベルでステンレス生産者が交流、ステンレス市場の開拓、創出を目指す国際会議。これまでにも市場開拓の観点から、環境保全分野や構造材分野での用途拡大などを掲げ、作業を遂行。ステンレス市場予測なども実施している。

N KK福山製鉄所は、1ホットに導入した2号加熱炉の本格稼働を4月から開始した。1月末に導入工事を終えていたもので、月間の能力は30万トン。高級鋼対応を強化するとともに、製銑工程と熱延工程の量の面での整合性を高める。福山の加熱炉増強は厚板ミルでも計画されているが、この分は半年ほど延期されており、年末の完成予定。

 福山製鉄所は、年産1000万トンを特定の工程に過剰な負荷を掛けないで生産できる体制を構築している。このため、第2脱ケイ装置の導入、PCIの200キロへの引き上げ、廃プラの高炉装入の拡大―などを実施している。 加熱炉の増設は、蓄熱バーナーの導入と一緒に行われるもので、コスト削減と1ホットの圧延能力に余力を持たせることが狙い。福山製鉄所は熱延ミルが2系列あり、1ホットは高級品対応、2ホットが量産品対応となっている。2ホットは、高速鋳造が可能な5CCと直結しており、現在25%程度がホットダイレクトチャージ(HDR)で生産されている。今後は、HDR比率を高める。

 高級品対応の1ホットは、加熱炉増設で鋼片の加熱時間を長くすることで、均質な温度分布が期待されている。これによるホットコイルの高級化、ハイテン化対策を強化する。

大 手鋼管問屋のニッコー(本社=大阪市西区阿波座2―2―18、田辺淳社長)は旧盆明けをメドに、STK(一般構造用炭素鋼管)主力の大阪・南港倉庫を新日本製鉄・堺製鉄所内に移転する。これにより倉庫内の作業効率改善を図るほか、新日鉄との連携を強化することでSTK戦略を共有するのが狙い。同社は今後、STK強化策を全国拠点にも広げ、月間販売1万トンを目指す方針。
住 友金属工業は、都内に分散している東京本社のオフィスを集約し、ゴールデンウイークに、中央区晴海に完成したニュービジネスコンプレックス「トリトンスクエア」=写真=に移転、5月7日から新本社での営業を開始する。

 東京都内3カ所に分散している本社部門を新本社に集約することにより、情報伝達・意思決定の迅速化・円滑化と業務革新を一層推進し、併せて本社経費の節減を図る。

 入居するビルは住友商事など住友グループの活動拠点の一つになるものであり、IT時代に即応したハイテクビルにおいて、Non―territorial Office System導入ほか、清新で機能的なオフィス環境を構築し、顧客満足度の一層の向上を目指す。

 ▽所在地=〒104―6111 東京都中央区晴海1丁目8番11号(トリトンスクエア/オフィスタワーY)

 ▽交通手段=都営地下鉄大江戸線「勝どき」駅より徒歩5分

 ▽代表電話=03―4416―6111

 ▽移転人員=約900人(同社社員のみ)大手町センタービル(千代田区)、住友生命四谷ビル(新宿区)、池之端市松ビル(台東区)より集約

 ▽新本社に移転する主な関係会社=住友金属小倉、住友金属直江津、エレクトロニクス事業会社3社(住友金属エレクトロデバイス、住金石英、住金モリコープ)、および、業務に密接な関係のある会社(アイエス情報システム、住金興産、住金コスモプランズ、住友金属テクノロジー等)の一部

 なお、新本社以外に、東京本社分室をすでに設置し、営業している。

 ▽所在地=東京都台東区駒形1丁目3番地1号 住友不動産駒形ビル

 ▽交通手段=都営地下鉄大江戸線「蔵前」駅より徒歩1分

 ▽主な部門=建設エンジニアリング事業部、建築鉄構部、システム建築部他

 ▽人員=約100人(同社社員のみ)
山 大興業(本社=大阪府堺市、大西昌三社長)は小口・短納期化している鋼材加工需要に対応するため、本社工場の鋼材加工を強化する。すでに先週、本社工場に最新鋭の穴開け・切断複合加工機「DS400型」1基(大東精機製)を新設。これにより、従来のビームワーカーでは穴開けができなかったアングル、チャンネル、軽量C形鋼の大型サイズ、およびH形鋼は逆に、150×75ミリ以下のサイズの穴開けが可能となった。また、7月をメドにコラム用の切断機2基、開先機2基を増設する。増設後、コラムの加工能力は月間5000トンと現状比2000トン増加する。同時期にCT加工機もリプレースする。一連の設備投資の金額は1億円強。

 同社は本社倉庫・工場、姫路営業所を持つ大手鋼材加工・販売業者。本社工場は敷地面積が6万8700平方メートル、建屋面積は第1棟が3万2600平方メートル、第2棟が1万3500平方メートル。

 本社工場の加工はH形鋼の切断・穴開け・開先、コラムの切断・開先、軽量C形鋼・アングル・チャンネルの切断・穴開け、形鋼類と厚板のショットブラストとプライマー、CT加工、厚板の溶断とシャー。
普 通線材の00暦年輸入量は、前年比198・2%増の5万3040トンと5年ぶりに前年比を上回った。線材製品協会(理事長=光武紀芳・神戸製鋼所副社長)の統計によると、95年に40万トンあった普線輸入は96年から減少し、99年に1万7000トンにまで縮小。00年は近年なかったロシア材が3万2940トン入着し、わずかながら増加した。

 91年のピークで68万7000トンあった普線輸入は、国内メーカーによる対抗材の販売や円安基調とともに減少した。96年18万トン、98年には2万4580トンにまで減り、一部韓国材を残し、微量にとどまっていた。

 00年に入り、これまで見られなかったロシア材が2月に5000トン(6・0ミリ径以上)輸入された。トン2万円前後の低価格から一部メーカーで使用され、5月と8月に5000トンずつ、10月8000トン、12月に1万トン近くが入着。一方で、韓国材は計1万9800トンと前年並みの輸入量にとどまった。

 製品別にみると、鉄線は前年比89・8%増の1650トン。針金は1・2%増の3万4030トンで2年連続の増加。くぎ類は34・2%増の2万2300トンで2年連続増。溶接金網は5・8%増の2010トン。金網は3・6%減の3690トンで2年連続の減少となった。
金 属屋根・壁メーカー、新中鋼(本社=千葉県船橋市、吉川豊社長)は、旧・中鋼の鶴見・鶴岡両工場から大洋製鋼の船橋製造所内に全設備の移設を進めているが、これが4月末には完了し、5月の連休明けから新拠点での生産がスタートする計画だ。

 旧・中鋼は、99年3月に更生法適用を申請した中山鋼業の100%子会社で、親会社への債務問題が発生したため、00年1月末に大阪地裁に更生法を申請した。三菱商事の支援で生産・販売を続け、さらに材料仕入れメーンの大洋製鋼の協力を受けて、新会社への営業譲渡を決定。11月15日の債権者集会で過半数の賛同を得て、11月28日に大阪地裁から営業権譲渡の認可を取得し、12月1日の新中鋼が設立された。

 生産している製品は、金属瓦屋根「メタルルーフ」や波板、金属サイディング、窯業系サイディング「パノミール」。旧・中鋼の清算の一環として、鶴見工場(横浜)と鶴岡工場(山形)は閉鎖・売却されることから、両工場に配置されていた全設備を大洋製鋼の船橋製造所内に移し、新たに生産体制を整える。

 移設作業は昨年末に始まっており、金属サイディングは3月末で完了。「パノミール」や「メタルルーフ」、波板の製造ラインは4月末にも設置が終了する。

金 網製造メーカーで組織する西日本金網協会(会長=西村義男・ニッサク会長)が12日、新たに始動する。夕刻に、大阪市天王寺区のホテルアウィーナで開催される設立総会を経て正式発足となるもので、会員である金網メーカー約60社と賛助会員である材料メーカーおよび問屋数社でのスタートとなる。

 同協会の前身である西日本金網協議会(西村義男会長)は1975年、関西地区を中心とした金網製造業9団体(大阪金網製品工業会、日本金網輸出協力会、関西金網懇話会、近畿金網工業協同組合、四條畷金網事業協同組合、西日本ひし形金網工業協会、協同組合日本じゃかご協会関西部会、東大阪金網工業協同組合、松原金網組合)・約140社(当時)の集合体として発足。以後、四半世紀にわたって活動してきたが、傘下団体も品種や地域ごとに混然として整理がなされず、1社が複数の団体に加入する等のケースも多く、対外的な発言力を強めるためにも、統合など組織全体の抜本的な見直しが懸案事項となっていた。

東 京地区のH形鋼は200×100で3万5000円中心。弱含みだが、供給面での心配がなくなって流通には底値感が出てきた。

 メーカーは4―6月も減産強化を維持し、後仕切りもないと表明。在庫は3―4月と減る。4月末には在庫減の実感が浸透して、1月から続いた買い控えがおさまる見込み。

 このため商社は強気姿勢をみせるが、日々の動きを大切にする特約店はまだ楽観できない。実需の出てくる時期が不透明で、供給が減っても引き合いが増えない可能性があるからだ。このため、流通は今後1カ月間は現在の市況維持に努めて3万5000円を下限とし、基本的に安値での受注を断る。

東 京地区の表面処理鋼板は弱含み。市中価格(電気亜鉛めっき鋼板)は熱延下地5万6000円、冷延下地6万6000円中心。

 1―3月の先安ムードが今月に入っても消えない中で、小売価格は「仕入れ在庫品があるので極端には値下げできない」(扱い筋)としながらも、一部の安値に引っ張られる形で値下がり。

 加工については「賃加工が増えて比較的忙しい」(コイルセンター)。

 在庫は漸減していたのが2月に再び増加、3月も年度末の供給増から増えたようだ。熱延の下げ止まり気配が冷延、亜鉛めっきまで波及していないため、当面は弱含みの展開が続く見通し。

大 阪地区の 等辺山形鋼は扱い特約店筋で値下がりに対する危機感台頭、売り腰が硬化してきた。市況はベース3万3000円中心。

 市況は僚品のH形鋼に引きずられる形で、引き続き軟調推移。4月に入っても、荷動きに回復の兆しが見えないため、一部では1000円安程度で売り応じるケースも散見される。

 ただ、大阪製鉄、エヌケーケー条鋼の2大メーカーで減産の足並みがそろっていることもあって、需給自体は小じっかり調。市中在庫は低水準で、「H形と比べても比較的タイトな状況」となっている。

 また、メーカーが来月の値上げを表明していることもあって、これが市況の下支え材料となりそう。