2001.07.31
鋼 材倶楽部が30日に発表した6月末の普通鋼鋼材在庫(メーカー・問屋)によると、在庫減が続いているものの、生産の落ち込み幅が大きかったため、前月末(779万トン)比8・5万トン、1・1%減の770・5万トンと小幅ながら3カ月ぶりに減少した。

 在庫の内訳をみると、メーカー在庫が、前月末(615・2万トン)比8・3万トン、1・4%減の606・9万トンと3カ月ぶりにマイナスとなり、問屋在庫も前月末(163・8万トン)比0・1万トン、0・1%減の163・6万トンと微減ながら2カ月ぶりのマイナスとなった。

 これを国内・輸出別にみると、国内向け在庫は、前月末(628・2万トン)比4・7万トン、0・7%減の623・5万トンと3カ月ぶりに減少したものの、6カ月連続して600万トンを上回る水準となった。また、輸出船待在庫は前月末(150・8万トン)比3・8万トン、2・5%減の147万トンと3カ月ぶりの減少となった。

 品種別にみると、前月末比1万トン以上増加した品種は、H形鋼が前月末比1・2万トン増の38・3万トン、厚中板が前月末比2・1万トン増の53・9万トンだった。

 一方、前月末比1万トン以上減少した品種は、鋼帯の幅600ミリメートル以上が前月末比10・7万トン減の196・7万トン、ティンフリースチールが前月末比1・3万トン減の11・6万トンだった。

仁 川製鉄は、日本向けに月間1万トンのH形鋼を輸出する計画だ。主力輸出先だった米国がAD提訴して輸入阻止に動く一方、日本ミルなど近隣諸国からの輸入が増え始めていることから、これへの対抗処置と見られる。同社は「ミルはフル稼働を維持しており、スクラップも日本とほぼ同値で調達できるため、価格競争力はある」(李鴻基・海外営業部長)として、来月にも日本ユーザーへのプロモーション(販売促進)を開始する。

 同社は年産能力800万トンを有する世界2位の電炉メーカーで、H形鋼、小棒、形鋼、ステンレス鋼などを生産。昨年にはワークアウト状態にあった江原産業を吸収合併し、国内のH形鋼シェアは90%にアップ。H形の年産能力は312万トンで、現在も100%近い稼働率を維持。アジアのほか中近東、欧州、米国、中南米など世界各国に月間10万トンを輸出している。

 韓国内の日本製H形輸入は昨年に13万トンを確認。今年上半期でも6万トン以上が入着しており、日本の供給ソースとしてほぼ定着しつつある。直近の輸入価格はFOB230ドル前後。また、一般形鋼も約1万トンが輸入されているという。

01 年上半期(1―6月)の鉄鋼輸入実績は、約345万トンで前年同期比15%減となった。銑鉄が約16万トンと低水準にとどまったほか、厚板、冷延コイルなど普通鋼鋼材の主要品種の輸入がいずれも前年同期を下回ったため。鋼板類を中心に国内は在庫調整局面に入り、下半期の輸入も上半期並みかこれを下回る可能性が出てきた。

 鋼材倶楽部のまとめによると、全鉄鋼の輸入実績は344万6595トンと前年同期比で約46万トン(15%)の減少。普通鋼鋼材の合計は209万8916トンで、同じく約19万トン(8・3%)の減少となった。

 普通鋼鋼材を品種別でみると、厚板は約35万トン(同24%減)。相手先別では中国が約5万トンと前年の約3分の1に減少したほか、韓国が約15万トン(同20%減)、台湾が約6万トン(同16%減)といずれも前年を下回った。前年同期で実績のなかったウクライナ(約3万トン)、インドネシア(約4000トン)からの入着があった。

 熱延コイルは酸洗が約20万トン(同11%減)、その他が73万トン(同1・6%減)、合計で約93万トン(同3・7%減)。国別では韓国が約47万トン(同12%増)、台湾が約35トン(同3・9%減)、中国が約4万トン(同27%減)。

 冷延コイルは約43万トン(同15%減)で、韓国が約34万トン(同11%減)、台湾が約9万トン(同24%減)。このほか電気亜鉛めっき鋼板が約6万トン(同4・7%増)、溶融亜鉛めっき鋼板が約10万トン(同4・9%増)など。
新 日鉄ソリューションズ(本社=東京都中央区、棚橋康郎社長)は30日、ファーストリテイリングの全社システムの運用統合管理システムを構築したと発表した。これによりファーストリテイリングの全社システムは、24時間365日体制で運用の監視が可能となった。

 今回の運用統合管理システムで監視するのは、SCMやデータウエアハウス、本部/店舗システムなど全社のコンピュータシステム。監視業務はシステムを開発した新日鉄ソリューションズと、業務系システムをサポートしているNECが受け持つ。これによりファーストリテイリングは、社内IT部門スタッフの運用管理業務の負担をなくし、企画・開発業務に専念させる。

 今後、ファーストリテイリングでは、新たな店舗販売計画システム、商品補充システムの展開を予定しており、新日鉄ソリューションズではこれらのシステムを含め、同社のITパートナーとして全面サポートする。
小 棒細物メーカーの大手、岸和田製鋼(鞠子重孝社長)は8月の小棒生産量を7月実績比横ばいの3万7000トンに抑える計画である。明細入りの悪化を踏まえ、7月同様、低水準の生産にとどめるもの。減産を背景に小棒販価の横ばい維持に注力する。

 関西地区では建築需要の不振からメーカーが予想した以上に小棒の引き合いが減退。同社でも今年4月以降、デリバリーベースで昨年に比べ10―15%の落ち込みとなっており、出荷見合いの生産に徹する姿勢から基本的に減産を強化して対応している状況。7月も当初、4万3000トンの生産を計画していたが、2度の下方修正を行い、最終的に3万7000トンまで抑えた。

 そして8月の生産計画についても状況の好転は望めないとの見通しに立ち、7月と同レベルを維持することを決めた。3万7000トンレベルの生産は定期修理により製鋼・圧延を5日間止めた4月、さらに7月に続くもので、月間生産量としてはここ2、3年で最低の水準。同社では電気炉のリプレース工事に伴い、既存の電炉2基のうち1基を今月23日に停止、炉1基の片肺操業に入っており、これにより8月の製鋼は2万6000トン程度にとどまる。圧延との生産差はビレットの備蓄分などでカバーする。
ダ イワスチール、共英製鋼山口事業所、中国製鋼の中国地区小棒3社は30日、広島市内で地区流通(中国地区小棒懇商社・特約店部会)と懇談した。地区メーカーと流通が市況懇談するのは初めて。現行の市況に対するメーカー側の認識と取り組みについて流通に理解を求めた。

 懇談終了後、ダイワスチールの藤田勝義常務は「当社の価格優先の販売に理解が得られ、市況軟化に一定の歯止めとなる」と今後の市況展開への期待を語った。中国地区小棒3社は先月、中国地区市場での需給安定を目指し、市況懇談を行った。今回はメーカーの市況認識と考え方を説明するため地区流通と懇談した。藤田常務によると、ダイワスチールは価格優先の販売戦略を徹底するほか、供給量も東部事業所からの西送りを廃止し、また水島4号の高炉巻き替えなどから7―9月は4―6月は20%以上の削減となるという。
経 済産業省と中国・国家経済貿易委員会(経貿委)の対外貿易法規訪日考察団との会談が30日、経済省内で開催された。中国の世界貿易機関(WTO)加盟を控え、通商法の適用状況の把握、通商状の問題点などについて話し合われた。鉄鋼通商問題で、経済省の半田力・鉄鋼課長が中国による鋼材輸入規制でのIL(輸入許可証)の円滑発給と必要枠の確保、ステンレス冷延薄板のアンチ・ダンピング(AD)措置でのマージン率算出基準などの明確化を改めて求めた。

 中国・経貿委のミッションは、経貿委から劉歓・AD反補助金弁公室副主任(産業損害調査局副局長)を団長に、日中官民鉄鋼対話にも出席した王侠・外事司処長などが来日。WTO加盟に向け、通商法などWTOルールと整合した法規の施行、運用状況について日本側の状況を聞いた。一方、日本サイドからは鉄鋼通商問題のほか、農産物の暫定セーフガード措置に対抗した報復関税問題などで、中国側の見解を資した模様だ。

関 西地区の小棒メーカー各社は需要減退から市況が軟調に推移するなかで、8月の店売り契約販価を据え置き、価格維持に全力を挙げる。各社減産体制で踏ん張る方針だが、月間14万トンレベルに落ち込んでいるといわれる地区需要に対し、攻めの需給対策を打てるかがポイントともみられている。

 関西地区の小棒市場は建築需要の不振を映して悪化、市況は軟化傾向をたどっている。流通筋の現市況認識はベース2万2500―2万3000円どころと、安値にサヤ寄せされる格好で一段安となっている。

 メーカー各社は昨年末からの減産継続により、値崩れを阻止しようとしてきたが、想定以上の需要の冷え込みから減産策に後追い感もあり、減産効果を十分に引き出せないままに市況の軟化を許してきた。メーカーサイドは水面下で、軟化する市況へのある程度の対応を余儀なくされてきた。

 しかし、ここにきて原料鉄スクラップ価格がH2ベース7000円水準で下げ止まってきたこともあって採算上、危険水域に入っており、各社とも危機感を強めている。このため改めて価格最優先の方針を打ち出し、現市況には追随しない姿勢を明確にし、流通筋の2万2000円といった安値先売りには一切対応しない意向を示した。メーカーとしては正念場を迎えたといえ、輸出や夏季定期修理などを絡め減産を強化し、難局を乗り切りたい意向。ただ現在の地区需要は月間14万トンレベルとされ、先行きさらに細るとの見方も強いだけに、大手商社の中には「価格軟化に歯止めをかけるには、より思い切った減産が必要」と指摘する向きもある。
東 京地区の厚板市況は定尺市況は横ばいだが、切板や母材は一部安値が出ているもよう。市中価格(12ミリ)は3万9000―4万円が中心。中小溶断業者の仕事量は7月以降一部で上向いたようだが、いぜん業者間の格差がある。定尺、母材ともに荷動きは停滞気味。溶断業者も当面は在庫を抑える意向が強く、輸入材を中心に供給と需要とのギャップが残る。

 需要は橋梁が前年度の継続で発注が行われているものの、建築は首都圏の大型物件を除き不振、建機なども低迷しており、全体的には物足りない。切板、母材価格とも大崩れはないが、一部では安値対応があるようで弱気感を引きずったまま8月を迎える。

東 京地区のカラー亜鉛鉄板市況はメーカーの価格下支えの動きから市況ムードが引き締まる動きをみせ、底値入り。1―6月と非住宅、住宅着工が前年を下回り需要環境は低迷。厚番手、薄番手とも荷動きは振るわない。

 年明け以降市況下落が続いたことで、ここへきてメーカー各社は採算確保に向け価格重視の姿勢を強めている。販価維持に徹しており、これを受け、流通も販価を据え置き、慎重に対応している。

 市中では安値玉がみられなくなり、下げ止まり感が出始めている。ただ、夏場から需要の盛り上がりは期待されず目先、横ばい推移の見込み。

 市中実勢は、大コイル0・35ミリ厚14万1000円、小コイル同16万円。

大 阪地区のH形鋼市況はベース3万2000円中心で横ばい。地区の建築プロジェクトは一部大型物件が動き出しているものの、需要は総じて低調。市中の荷動きは小口中心と変わらず、「7月出庫も前月比横ばい」(特約店筋)の状況。大阪鉄鋼流通協会の調べによると、6月末の入出庫状況は入庫が前月比15・4%増の4万7941トンと2カ月連続で増加、出庫は同比3・6%増の4万9728トンと3カ月連続で微増に推移した。

 このため、流通筋が唱えている3万4000円の値戻しも難しい局面。需要不振を背景に市中のムードはトーンダウンしている。市況は当面、横ばい。