2001.09.05
イ ンターネットを使った間接資材の販売会社・住商グレンジャー(本社=大阪市中央区、瀬戸欣哉社長、資本金6億2000万円、株主構成比=住友商事42%、米グレンジャー社28%、三井物産18%、ウイットジャパン・インベストメント12%)は11月をメドに、工場用間接資材の販売サイト「モノタロウ・ドットコム(monotaro.com)」を立ち上げる。同社は国内の間接資材の市場規模を3兆―20兆円と見積もっており、06年までに会員数20万社、売上高2000億円の確保を目指す。

 住商グレンジャーは昨年10月、住友商事と米国の間接資材販売会社最大手のグレンジャー社(年商49億ドル)の合弁で設立した。この8月には三井物産と投資会社のウイットジャパン・インベストメントが新たに資本参加、立ち上げ体制がほぼ整ったことで、11月のサイト本稼働を決めた。

 monotaro.comは、不特定多数の売り手と買い手を結びつけるN対Nのマーケット・プレイスではなく、住商グレンジャーの製品を販売する会員専用サイト。工場向け間接副資材の工具、化学品、機械(部品)、管工類、事務機器など27万点を扱い、テストサイトとして現会員数は約40社。来年は品ぞろえを100万点に増やし、サイト上でほぼすべての間接資材の調達が行える態勢を整える。

住 友金属工業は4日、製鉄所の酸洗ラインで使用される酸濃度制御装置を開発、販売を開始したと発表した。年間5基の販売を狙う。酸濃度連続測定装置と酸洗槽酸濃度制御装置をコンパクトに組み合わせたオールインワンの酸濃度制御装置で初めてメンテナンスフリー化を可能にしたもので、塩酸の濃度を10分の1以下に抑制、酸原単位を30%低減できる。将来的には製鉄以外の酸およびアルカリ液の濃度測定への応用も可能となる。

 製鉄所の酸洗ラインは鉄鋼製品表面の酸化鉄を除去する設備で、酸濃度が一定範囲に保たれた酸洗槽内に一定時間浸漬することにより酸洗する設備。

 従来の酸濃度測定は滴定分析法を用いており、間けつ測定しかできず、オンライン制御などによる酸濃度制御性能の向上が図れなかった。また、配管内間けつ流での酸化鉄析出による配管詰まりの問題で装置導入後も実用化できず、手分析を余儀なくされていた。

 今回開発した装置は、測定装置に低流速短管サンプリング方式を採用し、連続測定とオンライン酸濃度制御を可能とし、配管詰まりの心配もなく、高性能、高信頼性を実現した装置。すでに鹿島製鉄所での実績もある。

 密度計、導電率計、温度計を組み合わせた分析部と低流速短管サンプリング装置により酸濃度の高精度(プラスマイナス0・2%以内)連続測定を可能とした。また、流速の安定化により酸化鉄の析出による配管詰まりを解消し、部品数が少ないシンプルなメンテナンスフリー装置を実現。

鋼 材倶楽部、日本鉄鋼輸出組合をはじめ鉄鋼団体の事務所が多数入居し、業界に会議や催しの会場を提供している(株)鉄鋼会館(東京都中央区日本橋茅場町、資本金20億円、社長=千速晃・新日本製鉄社長)が先月30日付で創立40周年を迎えた。

 1966年4月1日、現在地にステンレスをふんだんに使用したモダンな事務所ビルをオープン。メーカーから流通、関連業界の団体まで年次総会をはじめ、全国会議やブロック会議、新年・年末のパーティー会場として重宝がられ、最近では近隣の民間企業・団体などの使用も目立ってきている。

 初代社長は、元経団連会長(元八幡製鉄社長、元新日鉄社長、同会長)の故稲山嘉寛氏。第2代は同じく元経団連会長(元新日鉄社長、同会長)の斎藤英四郎氏。第3代は故斎藤裕氏(元新日鉄社長、同会長)で、現千速氏は第4代。

 平成9年度から11年度まで3カ年計画を立案実行し、合理化に努める一方、各フロアや共用スペース(エレベーター、トイレット等)などの改修に力を注いできている。
日 本鉄鋼産業労働組合連合会の兼子昌一郎書記長は3日、東京・新川の同連合会で開催した記者会見で、改めて「高炉各社は01年下期の粗鋼を大幅に減産するとともに、早急に鋼材価格を立て直す必要がある」と指摘した。同書記長は下期粗鋼の生産量について、当初、日本鉄鋼連盟が予測した01年粗鋼生産9800万―9900万トンを前提に上期実績の5200万トンを差し引いた「4600万―4700万トンが妥当」との考えを示した。

 同会見は、7、8両日、静岡県伊東市で開かれる鉄鋼労連の第91回定期大会を控え、緊急に開催されたもの。会見の中で、同書記長は鋼材価格の是正に関し、(1)01年春闘で提示した緊急アピール(2)8月初めの高炉各社トップ会談、などで、その必要性を繰り返し訴えてきたが、普通鋼鋼材在庫が依然として高い水準で推移している現況を踏まえ、「連合会や各単組ベースでも下期粗鋼の大幅減産を経営側にしつこく訴えていきたい」としている。そして、「高炉各社がシェア確保による販売競争で互いに体力勝負の消耗を繰り広げている」と非難した。

 また、大手高炉各社は7日に02年3月期中間決算見通しを発表するが、同書記長はそれを鋼材市況の下落や需要減などの要因から「かなりの下方修正を強いられそうだ」と予測。鉄鋼労連は同見通しを分析した上で、10月の討論集会で02年春闘のベア要求を討議することになるが、同書記長はたとえ同見通しが大幅に下方修正されたとしても、「大手高炉5社統一および統一的対応を貫く。春闘での定期昇給要求は産別運動の生命線だ」と明言した。

台 湾の中国鋼鉄(CSC)は、10月から国内向け冷延コイル価格を300台湾元値下げ1万2700台湾元とすることを決めた。ホットコイル価格は、1万300台湾元で据え置き。安い輸入材に対抗する措置で、国内市場防衛に積極的に対応する姿勢を示している。

 CSCは台湾最大のメーカーで、昨年の粗鋼生産は1025万トン。薄板系が700万トンと大半を占めており、冷延鋼板以下の製品でも高いシェアを持っている。

 台湾はスラブ、ビレツトなどの半製品輸入が年間900万トン、リロール用のホットコイル、冷延鋼板、ブリキなどの薄板製品が昨年は600万トン近くに達している。製品輸入は、国内市場の停滞から今年は7月までで133万6000トン、前年同期比34・9%減だが、価格が低迷しており、市場混乱の一つの要因になっている。

 このため、第1クオーターでホットコイル、冷延コイルともに600台湾元値下げされている。2クオーターではホットコイルのみ200台湾元値戻しされたが、冷延は据え置きとなている。 

 こうした中で7月の輸入は、ホットコイルが6万9000トンで前年比8・9%減、冷延鋼板が9000トンで同43・6%減と減っている。しかし、価格的には厳しい状況で、CSCは市場を守るために、冷延だけ300台湾元下げた。

N KKが建設していた東邦ガスの知多幹線導管敷設工事が2001年9月末に竣工する。天然ガスの長期安定供給のために東邦ガスが計画したもので、知多LNG共同基地から名和VS間に至る導管「知多幹線」の一環として知多工場から横須賀GSまでを結ぶ。99年4月に工事着工し、この9月末に竣工することになる。

 今回の工事は、東邦ガス知多工場から横須賀GS間の導管を開削、推進、シールドなど各種工法で敷設する。敷設延長5554メートル、標準埋設深さ1・8メートル以上、設計圧力7MPaで、口径×管厚直径は600×15・1ミリメートル。導管材料にはAPI―5L―]65を使う。

 東邦ガスでは今回、VEへの取り組みとして防護性能強化とコストダウン、施工環境に配慮した導管建設を目指している。NKKの持つ新技術を積極的に採用し、品質安定化や自動化機器の最適組み合わせなどにより高能率化を実現している。

 二重管先行工法である「SF工法」や流動化土引込工法などを経済性や環境などに切り口で選定。防護を考慮した最適工法選定によるトータル建設コストの低減を図った。

日 本鋼構造協会は、10月30日、東京の自動車会館で「土木構造物の性能設計ガイドライン」の講習会を開催する。

 阪神・淡路大震災を契機として土木建築分野でも性能設計が指摘されるようになった。これを受け、98年度に設置した「土木鋼構造の性能設計に関する調査研究小委員会(宇佐美勉・名古屋大学教授)」での活動成果を取りまとめたのを機に、同協会では講習会を行う。申込期限は10月16日で、定員150人。問い合わせ先は03―3212―0875。

川 鉄商事・食品流通部は、11月15日のフランス「ボジョレ・ヌーヴォー」の解禁日に合わせ、仏ロベール・ド・ヴィリエル社の「ボジョレ・ヌーヴォー2001」を、首都圏の酒類問屋を中心に、有名百貨店などで販売する。

 「ボジョレ・ヌーヴォー2001」はガメイ種で、フルーティーな香りと渋みが少ないのが特徴。ロベール・ド・ヴィリエル社は、コタングループの一員として厳しい品質管理下でワインを生産している優良会社で、そのワインは日本航空や全日空、タイ航空、英国航空などの航空会社の機内用ワインとして採用されている。

 川商の輸入ワインの取り扱いは、90年にカリフォルニアワインを輸入したのが始まりで、現在はフランス、イタリア、ドイツ、アメリカなどから厳選した約100銘柄を、国内の有力酒類問屋などに販売している。

 現在、食品流通部では「ボジョレ・ヌーヴォー2001」の予約を受付中だ。問い合わせ先は食品流通部・飲料グループ(電話03-5203-5194)。

東 京地区のH形鋼市況は200×100で3万4000円中心の横ばい。引き合いは小口中心。在庫は着実に減っているものの、まだ高水準。高炉メーカーは9月以降も店売り向けを減産するが、安値のヒモ付きは減っていない。

 加えて需要の減少から、先行きへの見通しの暗さが流通にまん延しており、一部の商社が唱えを3万5000円に上げても浸透していない。

 7月の推定鉄骨量は約66万トンで昨年11―12月と同水準になり、年末にかけて量はある程度確保できそうだか、鉄骨単価は中小S造で10万―11万円と軟化。指し値の厳しさは変わらず目先もちあい。

東 京地区の冷延薄板市況は荷動き低調で、弱含み横ばい。市中価格(1・0―1・6ミリ、ベースサイズ)は、4万6000―4万7000円。

 コイル在庫は高水準のままで、メーカーからの入荷が減少に転じたにもかかわらず、荷余り感と一部の安値販売から弱気。7月末時点のコイルセンターの在庫率は190%(関東・東北・北陸)と2カ月に近い。

 高炉メーカーの薄板値上げが打ち出される中で、流通もこれ以上の市況下落を回避したいところだが、価格を支える需要がなく供給側の価格に対する姿勢と在庫調整を待っている状態。定尺品は一部安値があり、値幅が広がっている。目先も弱含みで推移。

大 阪地区のH形鋼市況はベース3万―3万1000円どころでジリ安。市中の荷動きは盆明けの先週に比べ、多少上向きつつあるものの、総じて低調。流通の売り腰も相変わらず弱く、市況はジリ安。「下値の値下がり速度は鈍化してきたが、上値が一段と通りにくくなった」(特約店筋)という。

一部では、置き場換算にすると3万円割れも散見される。一方、7月末のときわ会在庫は2月以降5カ月連続で減少し、適正水準を下回る5万トン近辺。新日鉄をはじめメーカー各社は減産を強化しているため、秋にかけても在庫が増加する要素は見当たらない。