2001.11.19
わ が国初の「製鉄所」、20世紀日本の産業革命の旗手、そして近代製鉄のメッカでもある新日本製鉄八幡製鉄所が起業100周年を迎えた。八幡製鉄所の誕生(1901年=明治34年)は、日本の産業構造が軽工業から重化学工業に移行し、「現代」が始まる象徴的な出来事だった。八幡100年で培われた製鉄技術、経営ノウハウなどモノつくりの遺伝子は脈々として21世紀に引き継がれ、世界最高品質を生み出す新日本製鉄の、ひいては日本鉄鋼業共通の礎となっている。

 八幡製鉄所は、1895年(明治29年)、農商務省所管の官営製鉄所として創立された。同所東田第1号高炉の歴史的な火入れは1901年(明治34年)2月5日。その後製鋼、圧延の各工場も稼働して、同年11月18日、内外官民多数の来賓列席の下に作業開始式(起業式)が盛大に開催された。製鉄所誕生時は人口わずか1229人だった八幡村は、3年後は6500人を超える町となり、その後、製鉄所の発展とともに北九州工業地帯を形成する100万都市へと変貌している。

日 本建設機械工業会(広瀬正典会長・新キャタピラー三菱社長)は、音頭金属など部品メーカーと共同で、建設機械転倒防止用おもり「カウンターウエイト」のリサイクルシステム構築に乗り出す。同工業会では、00年10月に建機リサイクル推進プロジェクトチームを発足、今年3月から共同実験をスタートしていた。今回の実証試験の成果を踏まえ、10年をメドに工業会が自主的に策定した「使用済み建設機械のリサイクル行動計画」に基づき、早期に建機全体のリサイクル率97%達成を目指す。

 同工業会は、00年10月に会員各社の環境・リサイクル担当者17人で、建機リサイクル推進プロジェクトチームを発足。建設機械のリサイクルシステム構築を進めていた。

 カウンターウエイトは、建設機械の作動時にバランスを取るためのおもりで、製缶タイプ(外側は鉄板で中は金属、鉄鉱石、鉄粉等をコンクリートで固めたもの)と鋳物タイプの2種類がある。

 現在、カウンターウエイトは77%(01年度建機工調べ)が廃棄処理されている。これは重量コンクリート製である「製缶タイプウエイト」は破砕処理が難しいためで、空き地などに放置されるケースもあり、カウンターウエイトのリサイクルが進まない大きな原因となっていた。

 工業会は、カウンターウエイトのトップメーカー、音頭金属(本社=千葉県野田市、音頭靖秋社長)など部品メーカーと共同実験、ヒアリングなどを重ね、解体しやすい材料・設計、材質表示を徹底し、業界全体で処理・回収ルート確立を目指す。

旧 ベンカンの継手事業を買収したシュローダー・ベンチャーズは先週16日、破産管財人と営業譲渡契約を結び、ベンカンの受け皿会社・壱番の社名を「ベネックス」に変更、きょう19日から営業を開始する。新会社ベネックスの資本金は35億円、社長にはシュローダーのマネージングパートナー・川島隆明氏が就任した。ベネックスでは継手およびモルコジョイント製品のコスト競争力強化として、両品種の生産と販売管理体制をそれぞれ一元化し、収益確保を目指す。

 ベネックスでは旧ベンカンの国内拠点について、一部で見直しを行うものの大枠では現状を維持。生産・販売体制では仕入れや在庫、営業の効率化を目的に、かつては別々だった継手とモルコジョイントシステムのくくりを、生産、販売でそれぞれ一括管理する。1年後をメドに、ベンカンの倒産直前レベルの溶接継手の売り上げ確保を目指すが、収益性をより重視したいとしている。引き継いだ営業権の償却予定期間は5年。

 ベンカンのグループ会社継承は、先月19日の基本合意締結時に発表していた、鋼板・鍛造フランジの製造会社・赤萩フランヂ製作所の買収を中止した。THAI BENKAN(年商30億円)については「重要な海外拠点」(川島社長)と認識、ベトナムでベンカンが行っていたOEM生産工場は、引き続き材料供給を行う。
王 子製鉄(本社=東京都中央区、高山隆男社長)は、メーカーによる独自のインターネット取引システムとしては初の「王鉄平鋼e―ねっと」の構築を進めている。特約店との接触を深め、より多くの情報を得られる体制づくりを目指す。来年4―5月をメドにテストを開始する予定。

 「王鉄平鋼e―ねっと」は王子と商社、特約店とが直接つながるWebECシステム。顧客は画面で在庫や受注残や現品の所在地を確認して注文を入力する。在庫削減や生産計画の進展につながる。特約店が直接王子へ注文し、その後、商社へ電話等で注文した旨を伝えて承認を得る形も可能になる。これまでも特約店から直接王子へ在庫状況の確認の電話が来ることはあったが、販売担当者の外出などから満足に対応できていなかった点を改善できる。また、王子の営業担当者も出先から在庫状況などを確認できるため、より迅速な対応が可能になるメリットもある。

 ミルシートを顧客側から画面へ取り込むこともできる。現在、ミルシートは紙ベースでメーカーが顧客へ持っていく形だが「王鉄平鋼e―ねっと」では、顧客のほうから引き出せる。処理が自動化されているため、遅くとも要求した翌日には画面へ取り込まれる。さらに、物件ものでは修正が多く再発行に手間がかかっていたが、顧客から要望を受け次第、王子の品質保証の担当者が修正してシステムへ流すようにする。顧客はミルシートの事務工数を大幅に削減できるため、管理の煩わしさから現物と合致しないミルシートを添付する事態の改善にもつながる、と王子ではみている。
大 同特殊鋼は、グループ企業で機械設備メーカーのダイドーハーエンジニアリング(東京都、田中巌社長)を今月30日付で解散、同じグループ企業で機械設備メーカーの大同プラント工業(名古屋市、明石洋一郎社長)に、営業権の一部を譲渡することを決めた。設備投資の落ち込みから、業績の厳しいダイドーハーエンジニアリングを、大同プラント工業に一本化し、経営資源配分など効率運営を図る。大同特殊鋼グループのエンジニアリング部門でグループ企業を再編、体質を強める。

 営業権とともに、ダイドーハーエンジニアリングの人員9人も、大同プラント工業が引き継ぐ。ダイドーハーエンジニアリングが擁する技術ノウハウもグループ内に残されることになる。

 ダイドーハーエンジニアリングは90年8月、大同特殊鋼と米国のHRR・VOSS(ハーボス)社との合弁で設立された。鉄鋼、非鉄金属用の工業炉や加工機械などを製造販売、6億円強の売り上げを上げてきた(01年3月期)。00年12月に合弁を解消、大同特殊鋼の100%子会社とした。

 大同プラント工業は工業炉や機械設備などの設計、製造、販売を手掛け、年商は23億円にのぼる(01年3期)。
ス マートオンライン(SMOL、本社=東京都港区、西村博夫社長)と三和運輸機工(本社=神奈川県川崎市、中山周二社長)はきょう19日から、鋼材の小口物流を低コストで提供するサービス「スマルート」を開始、SMOLサイト上に開設する。

 まず関東発新潟行きのルートより開始し、新潟関東の復路や関東―中部圏と対象ルートを拡大する予定。新潟では三条市、燕市、白根市、亀田町、長岡市、新潟市の6都市を配達地域とする。

 輸送費は幅2・5メートル長さ4メートルのスペースでトン当たり1万円で、範囲内で鋼材各品種に対応する。受け渡しは三和運輸機工の川崎市指定倉庫持ち込みが基本だが、別途1件2000―3000円で指定地域内の集荷も請け負う。

 同社では10月29日から余剰品・長期滞留品を匿名で販売できるサービス「スマ市場(いちば)」を開始しており、小口鋼材の受発注、物流費削減で相乗効果を狙う。「割高な小口輸送コスト削減のお手伝いをし、今後も会員の実益につながるソリューションを提供していく」(西村社長)としている。
N KKはこのほど、ホームページ「NKK―Vivid」に同社のパーキングシステムの総合紹介サイト「NKK Parking」を開設した。サービス向上の観点から開設したもので、同サイトは(1)機種の紹介(2)駐車場選定アニメーション(3)駐車場完成までの流れ―で構成されている。

 同社はこれまで、250基を超える機械式など、1万6000台分強の駐車場を納入しており、最近では地域開発に伴う大規模地下駐車場向けなどにも納入している。また、駐車場の運営管理サポートのサービスに加え、駐車場問題へのトータルソリューションを提案している。

 なお、URLは、http://www.nkk.co.jp/products/engineering/parking/
川 鉄商事は16日、米国セスナ社製ビジネスジェット「サイテーションCJ1」1機を個人オーナーパイロットから受注し、10月に納入したと発表した。同機の日本向けの販売は初めて。受注金額は約5億円。

 「サイテーションCJ1」は、中国のセスナ代理店が所有していた機体を同社航空機部が引き継ぎ、日本国内で発売した初めてのケース。機体は米国から搬入する。

 同社航空機部では現在、ビジネスジェットや単発軽飛行機、双発コミューター機などの固定翼機のほか、航空機エンジン、その他航空機関連製品を販売している。固定翼機のうちビジネスジェットの国内販売シェアは約58%、単発機は約50%を占め、航空機部全体で約35億円の売上高がある。これまでビジネスジェットは20機、単発軽飛行機は約300機の販売実績がある。今年度の固定翼機の売上高は10億円以上を目指している。

東 京地区の異形棒鋼はゼネコンからの新規発注が低調で、ベース2万5500円どころでさえない模様。

 メーカー各社は、11月契約から1000円の値上げを実施。明細の集まりは鈍いが、ベースメーカー中心に価格重視の姿勢を維持している。東京鉄鋼が9日間の炉休を行うなど11月もメーカーの減産基調は続き、細物の輸出成約も堅調で出荷はタイトな状況にある。

 しかし、ゼネコンの買い姿勢は依然厳しく、1―3月の不需要期や細物輸出の縮小の見通しから先安を見越し、安指し値を寄せている。商社はメーカー値上げの転嫁に向け、価格改善を志向するが、物件難のあおりもあって強気に出にくく、上昇気配を欠いている。

東 京地区の厚板は底値横ばい。市中価格(12ミリ、ベースサイズ)は3万9000―4万円。

 流通は国内高炉の値上げ姿勢を見極めており、価格は下値が止まったが反発はしていない状態。鉄骨や建機など国内需要の低迷で母材在庫の回転が悪い。溶断業者や流通の在庫意欲も低く、さらに手持ち在庫を圧縮する溶断業者もある。

 販売量は9月以降、堅調。ただ勢いも感じられない。小ロットの定尺販売についても本来上向く時期だが、9―10月の動きを見ると前年同期比15―20%のダウン。定尺は母材に比べて需要減が直接影響しているようだ。切板は仕事量見合いで一部安値に流れやすく、弱気が残る。

大 阪地区の異形棒鋼は市中相場ベース2万2500―2万3000円どころで高値寄りに推移している。

 メーカーの減産強化を背景とした値上げの実施から、流通の安値受注は消えてきた。ベースメーカーの10月以降の減産強化でタイト感が強まっている中で、流通筋も価格よりデリバリーとの認識で、安売り回避の姿勢をとっているためだ。

 需要はいぜん精彩を欠くが、メーカーの値上げへの足並みが乱れそうにないため、流通としても新規契約にあたり値上げを受け入れざるを得ない展開。このため商社筋では今週あたりから本格的に高唱え、ベース2万3000円どころを固めていく動きにある。相場はジリ高基調にある。