2002.01.21
鋼 材販売・鉄筋工事請負業のアイコー(本社=東京都千代田区、相場俊雄社長)は、昨年9月1日に、鉄筋加工業の西部スチール(本社=東京都江東区、天野猛社長)と川鉄商事系の諏訪熔工(本社=東京都中央区、藤井洋司社長)の資本参加を受けて、鉄筋の委託加工専門会社、デーバー加工サービス(本社=東京都千代田区)を設立したが、10月1日からの実稼働スタート後順調に推移し、月間黒字を確保している。今後、諏訪からは鉄筋工事の委託が進められる予定。アイコーと西部の委託加工で12月の加工量は4300トンだが、コスト競争力を強化、年内に月間7000トンの加工を目指す。

 新会社は、アイコーの東松山事業所・加工センター(埼玉県比企郡玉川村)を分離独立、委託加工専門工場としてアウトソーシングした。資本金は4700万円で、うちアイコーが3000万円、西部1000万円、諏訪700万円を出資。

 10月の加工量は5000トンで11、12月と4300トンをこなし、1月は日数分は減るものの同水準を維持する見通し。アイコー・東松山事業所で約2500―2650トン、西部・埼玉工場で1500―1700トン加工していた分を集約した。今後諏訪からの鉄筋工事の委託を進める。
五 十鈴(本社=東京都大田区、鈴木貴士社長)はきょう21日、創立50周年を迎えた。神田鍛冶町で創業し、三菱商事の特約店から薄板加工へ進出。北関東から東海の幅広い地域に薄板加工拠点を展開し、分社化や三菱商事との連携強化、研修教育やITへの積極的な投資など、独自の戦略を進めてきた。販売量は年間100万トン規模にのぼる。

 鋼板流通サービスで社会に貢献する「ビジョナリーカンパニー」が企業使命。21世紀型サービスセンターへの転換を加速させる薄板加工・販売のスチールサービス部門を軸に、ロジスティックス、ソリューション、ライフサービスの各部門ででグループを構成。鈴木社長は来年度の方針として、組織・人事体制や財務体質の強化、在庫圧縮などに取り組む考えを示している。
ユ ナイテッド・ステーツ・スチール(USS)は17日、NKKが保有するナショナル・スチール株53%すべてを6月までに取得する権利などについてNKKと合意したと発表した。ナショナル株と1億ドルの融資と引き換えに、NKKはUSS株500万株を取得する権利を持つ。また、USSとNKKは米国内の日系自動車メーカーを対象とした提携に向けて交渉を開始することで合意した。

 USSのナショナル買収は、ナショナルの負債などの処理や、政府の鋼材緊急輸入制限、労務費負担の政府支援、コスト削減につながる新たな労働協約が前提条件。

 合意では、USSはNKK保有のナショナル株2210万株を6月15日までに取得する権利を持つ。USSが権利を行使した場合、NKKはナショナル株と引き換えにUSS株400万株を取得するワラントを受ける。ワラントは発行前60日間のUSS株平均価格の1・5倍の価格で2007年までに行使できる。
日 本電工は18日、コンデンサ用アルミ化成箔で日本ケミコンと合弁事業を開始した、と発表した。日本電工と富士通メディアデバイスが折半出資してきたアルミ電解コンデンサ用化成箔メーカー、日高エレクトロン(本社=北海道様似郡)の発行済み株式のうち、富士通メディデバイス所有の50%を今月1日付で日本ケミコンに譲渡した。これにより日高エレクトロンは日本電工と日本ケミコンの共同出資会社として新たにスタートした。

 共同出資後の日高エレクトロンの資本金は従来の1億円で変わらず、社長には日本ケミコンの宮城能勝専務が就任した。

 日本ケミコンはアルミ電解コンデンサで世界の20%を占めるトップシェアを有し、国内でも30%のシェアを持ち、日本電工日高工場の水力発電による安価な電力を有効利用した化成箔の生産拠点を構築したい考え。日本電工としては日高工場の維持・強化ならびに連結経営におけるグループ収益力の向上につながると判断した。
横 河技術情報(本社=千葉県船橋市、飯田勝社長)は17日、鋼橋建設に特化したネットサービスのサイトを2月22日から開設すると発表した。建設コンサルタント、鋼橋ファブリケーター、鋼板シヤリング業など鋼橋建設に関連する企業を対象に、設計・見積サービスや技術コンテンツを提供していく。03年3月末までに2000人の会員獲得を目指す。

 サイト名は「e−bridge.jp」。鋼橋建設に特化したポータル(玄関口)サイトを志向し、対象顧客である建設コンサルタントや鋼橋製作・部材加工業の生産性向上や新規顧客の獲得、ソフトウエアの賃貸利用(ASP機能)、固有情報の活用(蓄積・更新)に貢献する。

 ネットサービスでは、簡易な構造形式の鋼橋上部工の設計業務をウェブ上で受注し従来の30―40%割安な価格で受託処理する「WEB受託設計サービス」、見積もりや納期を表示する「WEB原寸受託見積サービス」を提供する。

関 東鉄源協同組合が18日に実施した商社対象の2月積み鉄スクラップ輸出入札において、平均落札価格が1年6カ月ぶりに9000円の大台を超えた。落札価格は9480円となり、00年7月の9072円以来の高値となった。

 この背景には、昨年12月からの急激な円安進行に加え、国内メーカーの防衛買いが重なったとされる。前月の1月積みと比べても1060円の値上がりを示しており、円安の影響が大きかったことが分かる。

 落札結果は、兼松トレーディングが9600円、川鉄商事が9540円、豊田通商が9300円でそれぞれ5000トン計1万5000トンを落札。応札量の合計は10万3000トンとなり、1月分に比べ7000トン増加。応札件数は、15社19件となった。
新 日本製鉄八幡製鉄所はこのほど、1月生産計画をまとめたが、鋼材生産(最終製品)は、26万9700トンで前年同月比4万9600トン、15・5%減となり、昨年の1月以来13カ月連続して前年同月を下回った。また、高炉1基体制となってからの1月生産としては過去最低の生産水準となる。これは、シームレス鋼管の生産休止による減、国内需要減や輸出低迷で薄板などの減少によるもの。

 粗鋼生産は、28万4900トン、前年同月比2万4000トン、7・8%減。

 銑鉄は29万トン、同1万6000トン、同5・2%減となっている。

 製品関係では、条鋼他(条鋼、ステンレス厚板)の品種が5万2500トン、同1万1800トン、同18・4%減少。

 薄板関係が21万7200トン、同3万7800トン、14・8%減。



日 本メタルサイト(本社=東京都中央区、石原将社長)は18日、同社が運営するサイト上で会員を対象に、オークションおよび逆オークションサービスを開始すると発表した。両サービスは、セラーとバイヤーがネット上の入札により製品を落札できるもの。同社では新機能の追加により、鉄鋼業界の会員間のみならず、エンドユーザーとの取引活性化を狙う。

 新機能となるオークションサービスは、売手会員が同サービスに商品を出品し買手会員が入札で落札するもので、逆オークションは、買手会員が購入予定商品を出品し売手会員が入札で落札するもの。対象は鋼材、非鉄製品、その他加工品などの全商品。オークションタイプでは機能設定を、最高値入札者に落札するハイビットや、入札者と入札価格を非公開形式で行うシールドなど、7種類の中から選択できる。

 現在、日本メタルサイトの会員数は約750社で、昨年12月上旬には建設業界最大手のeコマースサイト、コンストラクション・イーシー・ドットコムとの連携を発表するなど、川下展開を視野においたサービス提供を強化している。
東 京地区の異形棒鋼はメーカーの強気姿勢が下支え、ベース2万6000円どころを横ばい。12月に抑えられた商社からの発注が、ここへきて増え始めているが即納物が多く、減産基調にあるメーカーでは応じ切れない局面も。スクラップ市況が1万円前後まで上昇し、メーカー採算を圧迫していることもあり、メーカー各社は販価を突っ張っている。

 このため、商社サイドも販価改善に動いているが、ゼネコンの安指し値に押され、2万4000円台も聞かれる。客先の信用不安から2万7000円台の取引もあり幅のある展開だが、先行きの需要縮小の懸念から商社の売り姿勢は迫力に欠けており、目先も現行値推移の見込み。

東 京地区の中板(熱延鋼板)は動意はまだ薄いものの強横ばい。市中価格は3万4000―3万5000円。

 コイルセンターや販売業者の在庫抑制の動きが定着し、一時的でも注文が増えればすぐに用意できない品種が出てくる、といった状況。しかし、品物自体が不足しているわけではないので、中心的な価格より高値になると通りにくくなる。

 店売り扱い大手の商社やコイルセンターは、継続的に値上げ意向を伝えているが、底値の改善を除くと浸透できていない。メーカーの減産方針が薄板メーカー・流通在庫にも表れ始めており、不需要期とはいえ月末にかけて流通にとっては正念場が続く。

大 阪地区の異形棒鋼はベース2万4000円どころに1000円方上伸した後も強含み推移。

 メーカーは減産による需給タイト化、原料のスクラップ高などを背景に、販価是正への足並みが完全にそろっている。1月契約ではベース1000円、細物1000―1500円値上げする方針で、これによりメーカーネットはベース2万5000円、細物がベース換算2万4000円となる見込み。

 流通筋もメーカーの値上げへの足並みがそろったことで、「ベースの赤字を細物で補てんする」やり方がとれなくなったことから、2万4000円以上を本格的に高唱えていく姿勢にある。物件自体が少なく高値浸透のテンポは遅いが、「メーカーカーの強気からベース2万5000円までは最低でも上げていかざるを得ない」との認識。