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2002.02.12
1. 日本の鉄鋼累計蓄積量が12億トン台に…史上初
2. 新日鉄、01年度粗鋼2550万トンに
3. 三幸金属工業所、プラズマ切断機の新設検討
4.新日鉄も普通線材5000円値上げ
5. 中国、01年鋼材見掛け消費20%増1億7000万トン
6. 鹿島・住金などがカプセルライナーを実用化
7. 関東の細物小棒メーカー、対韓輸出に取り込み
8. マキウラ鋼業、シュレッダー減容固化施設が完成
9. 東京地区の冷薄市況荷動き悪い
10. 東京地区の一般構造用鋼管弱含み
11. 大阪地区の異形棒市況強含み
2. 新日鉄、01年度粗鋼2550万トンに
3. 三幸金属工業所、プラズマ切断機の新設検討
4.新日鉄も普通線材5000円値上げ
5. 中国、01年鋼材見掛け消費20%増1億7000万トン
6. 鹿島・住金などがカプセルライナーを実用化
7. 関東の細物小棒メーカー、対韓輸出に取り込み
8. マキウラ鋼業、シュレッダー減容固化施設が完成
9. 東京地区の冷薄市況荷動き悪い
10. 東京地区の一般構造用鋼管弱含み
11. 大阪地区の異形棒市況強含み
日
本鉄源協会(会長=萬谷興亞・新日本製鉄副社長)の調べによると、00年度末の日本の鉄鋼蓄積量は累計で12億2290万トン(推定)となり、同協会が調査を開始した65年以来初めて12億トン台に乗せた。
この数値は、粗鋼生産量から間接輸出入を含む鉄鋼輸出入を相殺し、鉄スクラップ使用量を除いて算出されたもの。99年度末までの鉄鋼蓄積量は累計11億9893万トンで、00年度に蓄積された鉄鋼量2397万トンを足すと、初めて12億トンを超えた。
これは、00年度の粗鋼生産量が1億690万トンと3年ぶりに1億トンを回復したことが主因とされる。99年度の蓄積量は1710万トンと65年当時の低レベルなものだが、00年度は粗鋼生産が増加したことで80年代前半の水準まで持ち直した。
今後は、蓄積された鉄鋼量が老廃スクラップとしてどう流通するかが問題だ。00年度の老廃スクラップ購入量(国内の鉄鋼、鋳物メーカー使用分)は2668万トンと91年比10%程度増加。一方、輸出される数量は、110万トンで同年比360%増と大幅な伸びを示しており、引き続き鉄スクラップの大量輸出は続くとされる。
この数値は、粗鋼生産量から間接輸出入を含む鉄鋼輸出入を相殺し、鉄スクラップ使用量を除いて算出されたもの。99年度末までの鉄鋼蓄積量は累計11億9893万トンで、00年度に蓄積された鉄鋼量2397万トンを足すと、初めて12億トンを超えた。
これは、00年度の粗鋼生産量が1億690万トンと3年ぶりに1億トンを回復したことが主因とされる。99年度の蓄積量は1710万トンと65年当時の低レベルなものだが、00年度は粗鋼生産が増加したことで80年代前半の水準まで持ち直した。
今後は、蓄積された鉄鋼量が老廃スクラップとしてどう流通するかが問題だ。00年度の老廃スクラップ購入量(国内の鉄鋼、鋳物メーカー使用分)は2668万トンと91年比10%程度増加。一方、輸出される数量は、110万トンで同年比360%増と大幅な伸びを示しており、引き続き鉄スクラップの大量輸出は続くとされる。
新
日本製鉄の01年度の粗鋼生産が前年度実績比8・4%、約233万トン減の2550万トンにとどまる見通しだ。「国内外の鋼材市況回復が最優先課題」(新日鉄)として減産を強化するためで、下期の粗鋼生産を上期比107万トン、前年同期比135万トン減の1220万トン程度に抑える。01年度の国内粗鋼生産が1億100万トン程度と見込まれており、同社の生産が2550万トンとなれば、国内粗鋼シェアは25・2%(00年度26・0%)で過去最低となる。これまでの過去最低は96年および98年の25・5%だった。
新日鉄は00年度下期の粗鋼生産を上期比73万トン減の1355万トンに抑制。01年度上期も前年同期比101万トン、前期比28万トン減の1327万トンへ絞り込んだが、一層の在庫圧縮が必要と判断し、下期粗鋼を1220万トンに抑えるもの。
新日鉄の鋼材出荷は、00年度上期1341万トン、同下期1338万トン、01年度1264万トンと推移。今下期は前年同期比2・8%減の1300万トンとなる見込み。
新日鉄は00年度下期の粗鋼生産を上期比73万トン減の1355万トンに抑制。01年度上期も前年同期比101万トン、前期比28万トン減の1327万トンへ絞り込んだが、一層の在庫圧縮が必要と判断し、下期粗鋼を1220万トンに抑えるもの。
新日鉄の鋼材出荷は、00年度上期1341万トン、同下期1338万トン、01年度1264万トンと推移。今下期は前年同期比2・8%減の1300万トンとなる見込み。
大
手鋼板加工業者の三幸金属工業所(本社=大阪府堺市築港新町、楠本幸雄社長)は縞鋼板の細かい切板の注文に対応するため、年内にもプラズマ切断機1基を新設することを検討している。導入場所は本社工場の近くにある関係会社の三幸スチール(本社=大阪府堺市)の工場を予定。新設後、縞板の複雑な形状の切板や穴開けを行うとともに、厚み22ミリまでの厚物の縞板がスムーズに加工できる体制となる。
新
日本製鉄は、3月契約・4月出荷分から、普通線材全般と建設向けハイテンションボルト用線材の販売価格(2次加工メーカーおよび大口需要家向け)をトン5000円値上げする。2月ロールから減産幅を拡大し、需給調整を強化。製品市況の立て直しを支援するとともに材料となる線材価格の改善に取り組む。特殊線材の値上げも検討しており、線材事業の採算改善に注力する方針。
建設・土木需要の後退を受け、昨年来販売数量が減少。00年秋にトン3000円の値上げを行ったが、製品市況の下落から材料価格も引き下がり、収益環境は厳しさを増している。昨年10月受注分から4―6月比20%の減産を打ち出し、需給調整を進めたが、年明け後も需要不振で需給は引き締まりを欠く状態。このため、2月ロールから10%の追加減産に入り、99年下期比で計40%の減産体制を固めた。
こうした需給対策を講じて環境を整え、3月から値上げに取り組む。「不退転の決意で臨む」(営業担当者)考えで、加工メーカーおよび大口のヒモ付きユーザーに価格の見直しを働きかける。
建設・土木需要の後退を受け、昨年来販売数量が減少。00年秋にトン3000円の値上げを行ったが、製品市況の下落から材料価格も引き下がり、収益環境は厳しさを増している。昨年10月受注分から4―6月比20%の減産を打ち出し、需給調整を進めたが、年明け後も需要不振で需給は引き締まりを欠く状態。このため、2月ロールから10%の追加減産に入り、99年下期比で計40%の減産体制を固めた。
こうした需給対策を講じて環境を整え、3月から値上げに取り組む。「不退転の決意で臨む」(営業担当者)考えで、加工メーカーおよび大口のヒモ付きユーザーに価格の見直しを働きかける。
中
国の01年の鋼材見掛け消費は前年比20%増の1億7000万トンとなった。おう盛な国内需要に対応して鋼材の国内生産および輸入が増加、その一方で輸出が減少したため。同国政府は05年の鉄鋼内需を1億6000万トンとする第10次5カ年計画を昨年発表したところだが、計画1年目で最終年の予測数値を上回る格好となった。同国の鉄鋼業界は02年の鋼材見掛け消費について前年比10%の増加を予測しており、今年の同消費は1億8500万トンに達する可能性もある。
日本鉄鋼連盟まとめによると01年の中国の鋼材需給は、生産1億5745万トン、前年比19・3%増、輸入1722万トン、7・9%増、輸出474万トン、23・6%減で、この結果、見掛け消費は1億6993万トン、19・9%増となった。
鋼塊・半製品は輸入が前年比72・1%増の818万トンに急増、輸出は37・6%減の271万トンにとどまった。
鋼材需要を押し上げたのが、同国のおう盛な経済活動。01年の中国の工業生産伸び率(付加価値ベース)は00年の11・4%を下回ったものの、9・9%と高い水準をキープ。基本建設投資の伸び率も10%台を保った。製造業ではエアコン生産が前年比約29%増、冷蔵庫も5・6%増。造船が476万トンで26・5%増加、自動車も11・2%増の247万台に拡大している。
日本鉄鋼連盟まとめによると01年の中国の鋼材需給は、生産1億5745万トン、前年比19・3%増、輸入1722万トン、7・9%増、輸出474万トン、23・6%減で、この結果、見掛け消費は1億6993万トン、19・9%増となった。
鋼塊・半製品は輸入が前年比72・1%増の818万トンに急増、輸出は37・6%減の271万トンにとどまった。
鋼材需要を押し上げたのが、同国のおう盛な経済活動。01年の中国の工業生産伸び率(付加価値ベース)は00年の11・4%を下回ったものの、9・9%と高い水準をキープ。基本建設投資の伸び率も10%台を保った。製造業ではエアコン生産が前年比約29%増、冷蔵庫も5・6%増。造船が476万トンで26・5%増加、自動車も11・2%増の247万台に拡大している。
鹿
島は8日、住友金属工業、関西設計と共同開発してきた「カプセルライナー」を立坑ズリ搬送システムとして、広島県の芦田川流域下水道沼隈幹線工事で実用化したと正式に発表した。
カプセルライナーは、パイプ内を空気圧でカプセルを搬送する輸送システム。これまで水平方向の輸送では実績があったが、今回、地下空間構築時に発生する掘削ズリ搬送排土用にエンジニアリングして実用化した。
立坑に設置した搬送管内にカプセルを設置して、流送する気流によりロープレスで地上に排土するもので、直径5―15メートル、深さ30―100メートルまで対応できる。カプセル化によって搬送サイクルを約3倍に高速化でき、完全自動化が図られる。
カプセルライナーは、パイプ内を空気圧でカプセルを搬送する輸送システム。これまで水平方向の輸送では実績があったが、今回、地下空間構築時に発生する掘削ズリ搬送排土用にエンジニアリングして実用化した。
立坑に設置した搬送管内にカプセルを設置して、流送する気流によりロープレスで地上に排土するもので、直径5―15メートル、深さ30―100メートルまで対応できる。カプセル化によって搬送サイクルを約3倍に高速化でき、完全自動化が図られる。
関
東地区の細物小棒メーカーが、韓国向け輸出への取り組みを始めた。三興製鋼が2・3月積みで計3000トン、千代田鋼鉄工業が2月積みで3000トン成約した。韓国は内需が活況で、今年に入り韓国バイヤーによる日本への引き合いが強まっている。ただ、韓国メーカーが値上げ目的に減産を進めているため、日本メーカーは慎重に対応している。日本国内の需給調整に向け輸出は続く見通しだが、「大幅な増量は考えていない」(細物メーカー)と今後も小規模にとどまりそうだ。
韓国は、政府が55万戸の住宅建設計画を打ち出すとともに、不動産投資が再燃しアパート建設が活発化している。小棒需要は昨年秋から月間80万トンで堅調だが、一方で韓国メーカーが価格改善を目指して減産基調にあり、需給がひっ迫している。このため、バイヤーは日本へ手当てに走り、さらに韓国材より低価格の日本材は魅力で引き合いが増えている。
01暦年の韓国向け輸出は、前年比98・5%増の7万5670トンと倍増した。足元も拡大を続け、これまでは北陸、東北地区メーカーが不需要期対策で積極的に行っていたが、関東地区メーカーでは、昨年おう盛だった米国向け輸出が法的制限措置を見込んで休止していることもあり、韓国への輸出に切り替えている。
韓国は、政府が55万戸の住宅建設計画を打ち出すとともに、不動産投資が再燃しアパート建設が活発化している。小棒需要は昨年秋から月間80万トンで堅調だが、一方で韓国メーカーが価格改善を目指して減産基調にあり、需給がひっ迫している。このため、バイヤーは日本へ手当てに走り、さらに韓国材より低価格の日本材は魅力で引き合いが増えている。
01暦年の韓国向け輸出は、前年比98・5%増の7万5670トンと倍増した。足元も拡大を続け、これまでは北陸、東北地区メーカーが不需要期対策で積極的に行っていたが、関東地区メーカーでは、昨年おう盛だった米国向け輸出が法的制限措置を見込んで休止していることもあり、韓国への輸出に切り替えている。
大
手鉄スクラップ業者のマキウラ鋼業(本社=姫路市飾磨区、薪浦亨社長)はこのほど、シュレッダーダストの「減容固化施設」を完成、試運転を経て来月から本格稼働を開始する。
施設は、本社工場の敷地2万6000平方メートルのうち630平方メートルを活用して建設。タジリ製の圧縮成形機を導入し、廃自動車の破砕処理時に発生するシュレッダーダストをを固形燃料(RDF)化する。
月間処理量は約500トン。昨年11月に着工し、先月末に完成した。
同社は81年にシュレッダー施設を導入。その後、設備更新や用地の拡大を行うなどして、自社での包括的な廃自動車処理に向けた研究を進めていた。
鉄スクラップの扱いは月間約1万2000トン。産業廃棄物の取り扱いについては、収集運搬業、中間処理業の認可を既に取得、今後はISO14001認証取得をめざす。
施設は、本社工場の敷地2万6000平方メートルのうち630平方メートルを活用して建設。タジリ製の圧縮成形機を導入し、廃自動車の破砕処理時に発生するシュレッダーダストをを固形燃料(RDF)化する。
月間処理量は約500トン。昨年11月に着工し、先月末に完成した。
同社は81年にシュレッダー施設を導入。その後、設備更新や用地の拡大を行うなどして、自社での包括的な廃自動車処理に向けた研究を進めていた。
鉄スクラップの扱いは月間約1万2000トン。産業廃棄物の取り扱いについては、収集運搬業、中間処理業の認可を既に取得、今後はISO14001認証取得をめざす。
東
京地区の冷延薄板は先行き薄板値上げが波及する可能性が出てきたが、足元は荷動きも悪く、横ばい。市中価格4万5000―4万6000円(1・0―1・2ミリ、4×8)。
供給は輸入コイルの入着が低水準。昨年秋に比べると増えてきたが、月間4万―5万トンで韓国メーカーも対日輸出を抑える姿勢が見られる。国内在庫は減少のスピードが遅くなっており、引き続き調整が必要な状態。
一方、需要は建材をはじめ停滞したままで、コイルセンターの稼働も昨年11、12月の減少を引きずった形。小売価格は底値で安定、今後の薄板値上げを見据えて販売業者も機器意識を強めている。目先も横ばいか。
供給は輸入コイルの入着が低水準。昨年秋に比べると増えてきたが、月間4万―5万トンで韓国メーカーも対日輸出を抑える姿勢が見られる。国内在庫は減少のスピードが遅くなっており、引き続き調整が必要な状態。
一方、需要は建材をはじめ停滞したままで、コイルセンターの稼働も昨年11、12月の減少を引きずった形。小売価格は底値で安定、今後の薄板値上げを見据えて販売業者も機器意識を強めている。目先も横ばいか。
東
京地区の一般構造用鋼管(STK400)は弱含み。市中価格(48・6×2・3ミリ)は5万1000―5万2000円中心。
建築や設備投資関連を中心に、需要の不振が続いている。流通は販売が伸びない中でも価格優先の姿勢を維持し、小売りについては変わらない。ただ、建築物件ごとに数量のまとまった場合は安値が散見され、弱気要因となっている。
需要好転の材料が見当たらない中で、年度末を控えたメーカーの対応が、市況下落に向かうか現在の価格で落ち着くか、一つのポイントとなる。流通としては現在の5万円台を全力で確保したい考え。当面は弱含みで推移しそう。
建築や設備投資関連を中心に、需要の不振が続いている。流通は販売が伸びない中でも価格優先の姿勢を維持し、小売りについては変わらない。ただ、建築物件ごとに数量のまとまった場合は安値が散見され、弱気要因となっている。
需要好転の材料が見当たらない中で、年度末を控えたメーカーの対応が、市況下落に向かうか現在の価格で落ち着くか、一つのポイントとなる。流通としては現在の5万円台を全力で確保したい考え。当面は弱含みで推移しそう。
大
阪地区の異形棒鋼はメーカー値上げ、需給のタイト化を反映して強含み。市況はベース2万5000円どころ。
建築需要は総じて低調だが、昨秋からの電炉各社の減産効果が徐々に実効を上げ、需給はひっ迫気味。現在、メーカーのロール待ちはベースで2カ月、細物で2―3週間まで伸び、商社筋でも「出荷遅延を回避するための荷繰りに躍起となっている」状態。
こうした需給環境下で、メーカー各社は12、1月に続き2月契約でも1000円値上げする方針を打ち出した。ここにきて商社筋も「今回のメーカー減産は本物」として、販売姿勢を転換。各社は早急に販売価格を2万6000円下限に引き上げる方針。
建築需要は総じて低調だが、昨秋からの電炉各社の減産効果が徐々に実効を上げ、需給はひっ迫気味。現在、メーカーのロール待ちはベースで2カ月、細物で2―3週間まで伸び、商社筋でも「出荷遅延を回避するための荷繰りに躍起となっている」状態。
こうした需給環境下で、メーカー各社は12、1月に続き2月契約でも1000円値上げする方針を打ち出した。ここにきて商社筋も「今回のメーカー減産は本物」として、販売姿勢を転換。各社は早急に販売価格を2万6000円下限に引き上げる方針。