2002.03.04
日 新製鋼は1日に開催した取締役会において、4月1日付で星野和夫・代表取締役副社長が代表取締役会長に、また小野俊彦・同副社長が代表取締役社長にそれぞれ昇格するトップ人事を決定し、発表した。田中實会長兼社長は取締役相談役に退く。

 この人事に伴い同日付で、上杉孝興・常務取締役(ステンレス事業本部周南製鋼所長)がステンレス事業本部長に、成吉幸雄・参与(同本部ステンレス総括部長)が同本部周南製鋼所長に就任する。

 【略歴】

 ▽星野和夫(ほしの・かずお)氏=63年大阪大学工学部冶金学科卒、日新製鋼入社。93年取締役、95年周南製鋼所長、96年常務取締役、99年専務取締役・ステンレス事業本部長、01年6月代表取締役副社長。39年5月22日生まれ、愛媛県出身。

 ▽小野俊彦(おの・としひこ)氏=64年東京大学法学部法学科卒、八幡製鉄入社。95年取締役・堺製鉄所長、97年大阪支店長、99年常務取締役・建材営業部門部門長、00年薄板事業部長。01年6月、日新製鋼・代表取締役副社長。41年9月25日生まれ、兵庫県出身。
日 新総合建材(本社=東京都中央区、木田治夫社長)は1日、4月1日付でめっき事業部門を独立・分社化し、同社100%出資による新会社「日新ガルバ(株)」を設立すると発表した。

 新会社「日新ガルバ」は資本金5000万円で、設立時の従業員は31人(うち女性3人)を予定。年間売り上げ規模は20億円前後となる。事業は(1)溶融亜鉛めっき及び溶融複合亜鉛めっきの製造および販売(2)溶融亜鉛めっき後および溶融複合亜鉛めっき後の後処理(3)鉄骨、製缶など鋼構造物の製造および販売(4)鉄加工製品の組み立て、溶接などの製造および販売―を主体に、これらに附帯する事業も手がけていく。
韓 国の浦項綜合製鉄(POSCO)は第2四半期(4―6月)に熱延鋼板の国内・輸出価格を引き上げる考えだ。輸出価格については「4月以降のトン20―30ドル引き上げに向けて日本、東南アジアなどの輸入業者と調整中」(広報)。国内価格についても「価格引き上げを検討中」(同)で、値上げ幅については調整中としているが、現地の日系商社筋によると「少なくとも2万ウォンの市況ディスカウントを撤廃して国内ベース価格をトン30万5000ウォンへ戻す方向で調整を進めている」とされる。アジアの薄板市況は昨年、歴史的低水準に急落、各国の鉄鋼大手が大幅減益あるいは赤字転落に追い込まれた。このため薄板の国内外市況の引き上げが鉄鋼各社の最大のテーマとなっており、すでに日本の高炉各社は薄板の国内・輸出価格の値戻しに注力している。台湾のCSCも国内価格の引き上げを決めたとされ、最大手POSCOのスタンスが注目されていた。これで市場の関心はPOSCOの冷延鋼板の価格方針に移る。

 現在、POSCOの熱延鋼板の国内向けベース価格はトン30万5000ウォンだが、2万ウォンの市況ディスカウントによって実勢は28万5000ウォン。冷延鋼板はベースが40万9000ウォンで同幅ディスカウントにより、38万9000ウォンとなっている。
ア イジー工業(本社=山形県東根市、石川堯社長)は2月15日、業界で初めて外壁(耐熱壁)として鉄骨下地防火構造の国土交通大臣認定を取得した。認定番号は「PC030BE―0067」。新規格に適合した商品「アイジー断熱ヴァンドG型」を6月1日から市場に投入する。本社工場には新規格対応の新しいラインを設置。2月に完成して、現在はテストラン中だ。

 「アイジー断熱ヴァンドG型」は、防火タイプ、準不燃タイプがある。受注長さは0・9メートル―11・5メートル、働き幅は600ミリ―900ミリ、厚さは35ミリと50ミリとなっており、従来部材で対応できるうえ、新防火基準を満たしている。なかでも35ミリの防火タイプは画期的といえる。よこ張り、たて張り兼用で、本体設計材工価格は1平方メートル当たり1万3000円から。
ニ ッケンビルコンの超耐久性広幅長尺金属瓦「でラックス屋根」は、00年10月から大和ハウス工業が手がける一戸建て住宅・アパート(「ルグラン マイネ」、「セジュールSE」)向けで採用がスタートしているが、受注は好調に推移。採用件数は合計1000戸となり、屋根グループの01年度売り上げは約6億7000万円(前年度比15・5%増)を見込むなど、新築着工戸数が全国的に伸び悩む中、収益アップに貢献している。

 「でラックス屋根」は、日鉄建材工業の超耐久性鋼板「フロールボンド」を採用した、フッ素樹脂タイプの縦葺長尺成型瓦で、洗練された優美なデザインが魅力。表面および曲げ加工部における変退色・白亜化・はくり等に対して20年保証するとともに、不燃材料・フロールボンドを使うことで木造住宅、鉄骨造や鉄筋コンクリート造にも幅広く対応できる。





三 菱商事関西支社と関西鉄源協議会の幹事会社8社は、国内メーカー向けの鉄スクラップ納入において契約制を導入することで合意、今月1―16日を納期とした契約を締結した。

 今回は、数量が3000トン、価格がトン当たり1万700円で、納入先は大阪製鉄堺工場となった。検収については大鉄堺が行うことに妥結した。

 今回は初めての実施とあって、同協議会の幹事会社8社でのスタートとなったが、次回からは全加盟業者で行う方針。

 契約納入制は、輸出志向が高まる中、三菱商事が大阪地区の鉄スクラップ取引の安定を目的に提案したもの。同協議会が継続的に行っている共同輸出の落札価格をベースに、一定数量を購入する。
小 野建(小野建社長)は来年上半期をメドに、情報系基幹システムを更新する。情報の共有化、一元化を図るとともに、経営情報の開示と経営戦略の構築でスピードアップを目指す。投資額は1億5000万円を予定、03年1月から順次稼働させる方針。

 新基幹システムは、情報分析、販売管理、財務会計の面から、最新の情報システムインフラを確立させる。内容的には経営・営業・商品などの分析、受発注・仕入・在庫などの管理、キャッシュフロー・債権・決算処理などの財務会計を盛り込む。

新 日本製鉄など高炉5社の01年暦年の粗鋼生産量がまとまった。5社合計の粗鋼生産量は6932万トンと2・6%減少したものの、需給調整に本格的に取り組んだ新日鉄とNKKの2社とは対照的に、他の3社は、シェアを拡大した。

 01年度の全体の傾向は、上期のフル操業態勢の影響で夏場に在庫量が急増し、その結果、各社とも本格的な減産に踏み切ったため、前年比2・6%の減少となったとみられる。

 会社別の生産実績を見ると、新日鉄が前年比8・2%減の2580万トン、NKKが前年比1・7%減の1310万トンと生産量を減らした。
東 京地区の異形棒鋼はメーカーサイドの追加値上げが相次ぎ、ベース2万6500円どころを強含みで推移している。

 ベース、細物両メーカーが2月に続き3月も上旬、下旬と2度の値上げを実施する。4月上旬にも再値上げを検討しており、4月には販価をトン3万円に乗せる構え。

 このため、商社は唱えを上げ、コスト転嫁を急いでいる。ゼネコンもメーカー値上げに理解を示し、「積算価格の変更に着手している」(メーカー営業担当者)もよう。

 スクラップ価格が高騰を続け、入荷もきゅう屈なため、メーカーの操業はタイト化。明細の出も堅調で今月も強基調で推移しよう。

東 京地区の熱延鋼板(中板)は強含み。市中価格(3・2―4・5ミリ、ベースサイズ)は3万5000円中心。

 需要は1―2月で一段と悪化した感触。販売量が伸びない中でメーカーは強い姿勢で値上げを進め、流通やコイルセンターは採算悪化を懸念している。東京製鉄が1―3月販売価格で合計5000円値上げに踏み切り、市中ではこの転嫁が大きな課題。

 東京地区の販売業者は1000円ずつの段階的な値上げを進める方針で、2月までに下値は切り上がってきた。高炉メーカーも追加値上げを検討しており、販売業者は新価格のコイルが入荷する4―5月までに値上げを積み上げたい考え。
大 阪地区のH形鋼はメーカーが4月以降、値上げを行うとともに、減産を強化する動きも出てきており、強横ばいで推移している。市中相場はベースサイズ、トン当たりで3万5000円どころ中心。

 不需要期ということもあり、荷動きは依然として小口が中心となっている。ただ、合同製鉄の定期修理などもあり、一部品種における歯抜けは解消されていない。また東京製鉄の3月契約での値上げに他の電炉メーカーでは歩調を合わせており、売り腰は強い。

 流通でも「現在の基調は横ばい」との見方だが、ムードとしては値上げに向かうとしており、次第に下値が切り上がってくることになりそうだ。