2002.03.06
日 本電工は5日、三井物産およびハイベルト社(南ア)と合弁で南ア・ウィットバンクに製鋼用特殊金属のフェロバナジウムを生産する「SAJバナジウム社」を設立することで3社合意した、と明らかにした。合弁会社は現在、設立手続き中で、新社の立ち上げによって、ハイベルト社はバナジウム鉱石とフェロバナジウム市場の拡大と高品質・高効率生産技術の確保を目指し、また、日本電工および三井物産両社は、市況変動のリスクを回避するとともに、年率6%で成長し続けて日本市場のほか、アジアマーケットを視野に入れたフェロバナジウム事業の拡大を図る方針。

 日本電工によると、SAJバナジウム社の概要は資本金が約500万USドルで、このうち、出資比率がハイベルト社50%、日本電工40%、三井物産10%。資本金のほぼ同額が設備投資金額に充当される。社長はハイベルト社側から出される。

関 西地区の大手鋼材特約店、三栄金属(本社=大阪市西区九条南、和田有司社長)はこのほど、システム開発会社・TIS(本社=大阪府吹田市豊津町、船木隆夫社長)と共同で、インターネットを介して接続できるオープンシステム(分散型)とモバイルシステムを組み合わせた新しい鉄鋼卸向け基幹システム「鉄屋の宝箱」を開発した。きめ細かい商品情報を提供する“鉄のコンビニ化”に対応したシステムで、業界初。両社は今後、同システムを鉄鋼特約店などに販売していく考え。

 同社は今回、取引先へのサービス向上と営業事務のスピード化などを目的に、約1年半かけて社内コンピューターを全面入れ替え(パソコン46台、サーバー5台、ミルシートサーバー1台)し、同時にシステムもこれまでのオフコンによる集中型からパソコンとサーバーによる分散型に変更した。投資金額は約2億円弱で、今月から本格稼働を開始する。

大 同特殊鋼は5日、JIS規格を擁しながら、切削性を大幅に改善したステンレス丸棒鋼(愛称・ACE鋼=エース鋼)を開発、SUS304、SUS316の2鋼種の全面切り替えを完了したと発表した。精錬プロセスの精錬方法を変更、マンガン系硫化物にカルシウムを添加することで切削性を高めた。従来鋼と比べ50%切削速度が向上、切削工具の寿命も延長できる。輸入材に対抗するとともに、ユーザーサイドの加工工程でコスト低減を実現、国内製造業の空洞化対策にも寄与する鋼種として販路を伸ばす。

 ACE鋼への切り替えは、ニッケル系ステンレスを対象としており、他鋼種での切り替えも進め、市場ニーズをみて、クロム系ステンレスにも拡大させていく。
神 戸製鋼所は、福岡市西区小呂島向けに海水淡水化プラントを納入する。設備費は約2億円。逆浸透膜処理システムで日量50トンを淡水化する。プラントの最終工期は2003年3月15日。02年度中の完成、稼働を目指す。

 今回の更新は小呂島の施設老朽化が目立つことと、別事業で新たに下水処理施設が導入されることに伴うもの。総事業費はプラント設備費込みで約4億2600万円。01年度、02年度の2カ年計画で行う。01年に用地約1200平方メートルを取得、同8月には土地造成に入っている。現在はすでに造成を終えており、これから建築、設備構築に入る。

 海水淡水化プラントは89年に開かれたアジア太平洋博覧会に出展されたものを小呂島に移設。既設プラントは敷地850平方メートルで、日量20トンを処理していた。新しいプラントが完成すれば廃止・撤去される。

川 崎製鉄は5日、店売り向け構造用鋼とハイテンションボルト用線材について、3月契約4月ロールから販売価格をトン5000円値上げすると発表した。昨年10月から減産を強化し、市中在庫がほぼ適正レベルに圧縮されてきたことを受け、落ち込んでいた採算の回復に取り組む。流通各社および一部ひも付き需要家への交渉に入り、ユーザー先での製品値上げの後押しも進める構えだ。

 構造用鋼の店売り市場は、建設機械や産業機械向けが中心で、民間設備投資の減退から需要は低迷している。需給の改善に向け、同社は減産を実施。減産効果から市中在庫は、1・5カ月分(3月末時点)の目標レベルまで縮小してきており、需給環境が整ったことを踏まえ、採算難に陥っている価格の引き上げに取り掛かる。構造用鋼は、一部熱間鍛造品メーカー向けの陥没価格の是正を図る。



鋼 材問屋の大手、明鋼材(本社=名古屋市中川区八熊1―11―15、林喜裕社長)は丸太運輸・名古屋港物流センターの跡地約3万5000平方メートル(愛知県海部郡飛島村金岡15)を購入する方針を固めた。現状は厳しい経済環境であるが、将来を見据えた体制づくりのために決めたもので、近隣にある弥富センター(敷地4万2557平方メートル)、弥富加工センター(同4637平方メートル)との連携を進め、業務の効率化とコスト削減を図る考えだ。投資額は約21億円(諸経費込み)で、引き渡しは3月末の予定。

 同社は棒鋼、H形鋼、一般形鋼、鋼板、加工製品などを取り扱う大手問屋。年商は150億円規模。在庫ヤードとして弥富センター(愛知県海部郡弥富町)、中川倉庫(名古屋市中川区)を持ち、弥富センターで約3万トン、中川倉庫で約8000トンの鋼材を在庫している。また弥富センターの隣接地にある弥富加工センターでは鋼材の1次加工を行っている。

日 鉄建材工業(岡田明久社長)は、00年度で沈設した鋼製魚礁「スーパードラゴンリーフ」と「シーシェルリーフ」の追跡調査による蝟集効果が良好であると判断され、02年度において両製品が初めて採用される見通しとなった。これを受けて、海洋水産商品グループでは02年度、鋼製魚礁の販売目標(鋼重ベース)を01年度(見込み)2300トンから3000トンに引き上げるとともに、懸案となっている黒字化を実現させていく計画だ。

 「スーパードラゴンリーフ」は、コンクリートと鋼材の高層ハイブリッド魚礁で、太平洋マテリアルと共同で開発したもの。寸法は17・5メートル×17・5メートル×20メートル、合計重量は79トン(うち鋼材20・8トン、コンクリート部材58・2トン)。

準 大手ゼネコンの佐藤工業が3日に会社更生法を申請した件で、商社は落ち着いた反応を示している。取引のある伊藤忠丸紅スチールなど各商社は現在、材料供給をストップ。成り行きを見守っているが、佐藤工業からは商社に対し工事続行の意向が伝えられ、「1週間以内に供給は再開するのでは」(内販商社)とみる向きもある。メーカーおよび商社では、ゼネコン破たんは織り込み済みであり、これまで通り価格優先で販売・供給していく構えだ。

 大手商社の債権総額は数十億円単位とみられ、うち大口債権者の伊藤忠丸紅スチールは20億円強。伊藤忠丸紅スチールは昨年の合併時に増資しており、ゼネコン破たんへの備えは済ませている。
東 京地区のH形鋼は200×100で3万7000円中心の強含み横ばい。NKKと川崎製鉄が店売り向け3000円の値上げを表明。流通との交渉はこれからだが、マスコミ向けに先に発表したことで「流通の反応に関係なく値上げは強行される」(商社)見通しだ。

 品薄感を背景に、流通は1日から3万8000円下限販売に唱えを引き上げたが、荷動きの低迷を受けて需要家の反応は鈍く、北関東では一部3万6000円の安値も残る。しかし円安による原料高の転嫁や再編を控えた主導権争いから、メーカー各社は採算性向上を図って値上げ攻勢を強めていく見込み。当面強含み。



東 京地区の表面処理鋼板(電気亜鉛めっき)市況は需給改善が進み、底を打った。市中価格は5万3000―5万4000円(熱延)、6万3000―6万4000円(冷延)。

 1月末のメーカー・流通在庫は118万9000トン、前年同月比7・5%減少となり、コイルセンター単独の在庫も減少傾向が続いている。販売量の伸びは小さく1―3月の需要に期待は薄いが、在庫調整は進行中。

 こうした中、新日本製鉄はトン当たり5000円の追加値上げを打ち出した。流通もこれを受けて、再販価格の値上げを迫られそうだ。販売低迷の中で、市況は底打ちから先行き一部反転の可能性も出てきた。

大 阪地区の小棒はメーカーの減産によってロールがタイトな状況が続いており、上伸ムードで推移している。市中相場はベースサイズ、トン当たりで2万5000円どころ。

 鉄スクラップ価格が依然として上昇傾向にあり、メーカーでは大幅な減産に取り組んでいることも重なって瞬間的には採算割れを余儀なくされている。このため今月契約でも最低1000円の値上げに踏み切る構えだが、小口中心の需要展開に変化はなく、流通では高唱えが通りにくい状況にある。

 ただ、減産効果によってメーカーの売り腰が弱まる気配はなく、当面は2万6000円の実勢化を目指すことになりそうだ。