2002.03.26
大 阪製鉄(桑原達朗社長)は25日に取締役会を開催し、期末配当予想を1株当たり4円とすることを決めた。この結果、中間配当2円と合わせ同社の2001年度配当金は1株当たり6円となり、前年度の4円(期末4円)から2円の増配となる。

 同社は昨年11月15日の中間決算発表時点で、期末配当については未定としていた。しかし、その後鉄スクラップ価格の上昇があったもののコスト削減努力で吸収、単独ベースでは売上高が410億円(前回発表=380億円)、経常利益21億円(同=21億円)を確保。また当期ベースでも株式評価減があったが、旧・津守工場の跡地約4万5000平方メートルのうち、約3万平方メートルを大阪府都市開発公社向けに売却、9億円(同=10億円)が確保できる状況となったことから、期末配当4円を行うことにしたもの。
フ ィリピンの電炉棒鋼ミル・バクノタンスチール・インダストリーズ(BSII)は昨年10月より操業を停止している。アジアの金融危機の影響で事業コストがアップ、昨年1月に商業生産を開始したところだが、棒鋼市況の下落もあって、操業を休止しているもの。

 同社に13・8%を出資する川崎製鉄は「増資要請には積極的には応じない」とのスタンスにあり、しばらくは70%を出資する現地資本サイドの対応を見守る考えである。BSIIは96年10月の設立で、資本金が22億8000ペソ(設立当初は18億ペソ)で、出資比率は現地70%、川鉄13・8%、三井物産11%、川鉄商事1・7%、国際協力機構3・5%。

 主要設備は、AC電炉1基(55トン)、ビレット連鋳機1基(3ストランド)、棒鋼圧延機1基(18スタンド)の体制で、年産能力30万トン。従業員は約250人。
大 手の重仮設資材リース、ヒロセ(廣瀬太一社長)はこのほど、モバイル営業支援システム(特許出願中)を構築、営業マン全員に導入した。営業マンがリアルタイムでさまざまな情報を引き出せることにより、担当分野以外の顧客ニーズをも掴むことなどで、営業活動を強化する。

 このシステムは社外用と社内用の二つのシステムで構成。コンテンツとしては商品紹介、工事分野別情報、設計資料、顧客情報、与信管理、市況情報、在庫情報、単価情報、ロール情報、見積もりデータ―などが検索できる。製品情報の中には自社製品だけでなく、異業種とパートナーを組んだパッケージ商品(建設機械・テント、仮設ハウス、パソコン、設備機器など)のコンテンツも盛り込んでいる。また、営業マンは営業日報、スケジュール管理も行う。
旧 鉄鋼連盟・鋼材倶楽部・鉄鋼輸出組合の3団体は、4月1日付で完全統合し、社団法人・日本鉄鋼連盟として再出発するが、各団体の委員会組織も再編統合。22委員会から、16委員会組織に縮小、効率運営を行うとともに、各分野における総合力・対応力を強化する。

 特徴点としては、運営委員会(旧社長会)の下に、「総務委員会」を設置。組織全体の重要事項(全体予算・事業計画・会費・組織再編・中期計画の策定・同フォローアップ・広報政策・方針等)を検討する。大手各社の副社長級で構成。旧総務委員会は「業務委員会」に改称される。

 総合政策委員会の下に「調査企画委員会」を設置し、IISI関連業務などに対応する。「12社会」は旧理事会社。

 市場委員会の下の「公正貿易委員会」は輸入に対応する調査分析を担当する。「需給調査委員会」は、新たに専門会員にも事業費負担を求め、成果を分け合う。

21%増の1万4400トンに達し、97年の1万3300トンを抜いて過去最高となった。
川 鉄鋼板(中西輝行社長)は25日、6価クロムおよび3価クロムを排除した、めっき鋼板「レヂノノンクロム」など、カラー鋼板の高機能商品をこのほど開発し、02年度から本格販売を開始すると発表した。

 このほど開発したのは、6価および3価クロムを排除した「レヂノノンクロム」と太陽光反射型遮熱カラー鋼板「オアシス」、従来品に新たに遮熱性などを付与した「たい雪」の3シリーズ。

 「レヂノノンクロム」は、6価および3価クロムを排除し、地球環境に優しい商品を目指した、めっき鋼板。「レヂノノンクロムジンク」と「レヂノノンクロムGF」は特殊金属塩を用いることで、従来のクロメート系と同等の耐食性を確保するもの。7月には千葉工場にロールコーターを設置し、全工場での対応が可能となる。「レヂノノンクロムガルバリウム鋼板」は、塗膜組成をアクリル系からポリウレタン系に変更することで、また「レヂノノンクロムカラー鋼板」は特殊金属塩や特殊無機系顔料を用いることで、それぞれ耐食性を高めた。

奥 村組はこのほど、ダイセン・メンブレン・システムズ(川上清三社長)と共同でダイオキシン類を含む排水の高能率処理システムを確立した。現在、ダイオキシン類対策が課題となっている旧焼却場解体工事で発生する汚染排水の処理に有効。

 ダイオキシン類を含む排水処理は凝集沈殿や活性炭添加、砂ろ過が一般的だが、装置が大型となり、設置に場所と時間を要する。また、使用済みの活性炭やろ過砂が新たなダイオキシン類汚染物となる。

 同システムは超微細なメッシュを使用するケーキろ過法を初めてダイオキシン類を含む汚染排水の処理に採用したもの。排水に含まれる粒子をメッシュ上に堆積させ、その堆積層をろ過することで、高能率かつ高度なろ過処理ができる。そして、凝縮剤を添加しないので、排水処理過程において余剰汚染汚泥が発生しない。
N KKトレーディングは4月1日付で組織改正を行い、営業ライン機能および企画・管理機能の充実強化を図る。2002年度は中期経営計画の最終年度であると同時に、NKKと川崎製鉄の経営統合会社JFE体制における自社の基盤づくりの年でもあり実施するもの。

 営業本部ライン機能の強化を図るため、従来までの原料・機材本部に加え、輸出本部、鋼板本部、建材本部にも副本部長を配置。また中国などからの機材調達の拡大に対応し、原料・機材本部と輸出本部の連携強化を図るため両本部兼任の副本部長を配置する。さらに社内外の環境変化に的確に対応していくため管理本部企画・財務グループを企画部および管理部に分割・再編し、企画・管理機能の充実強化を図る。これに併せ人事・総務グループを人事総務部、業務・審査グループを審査業務部に改称する。

産 業技術総合研究所(産総研)は、マツダと共同で、マグネシウムとチタンの2成分により構成される体心立法構造を持つ多用途マグネ系合金を開発した。メカニカルアロイング法による合金作製法で製造。水素吸蔵合金として水素吸蔵量の高容量化と動作温度の低温化が可能で、燃料電池車でガソリン車並みの走行距離を可能とする水素吸蔵量5・0mass%の達成にも道を開く。今後、燃料電池車の水素貯蔵源や軽量な構造材料での用途開発を進めていく。

 従来、マグネとチタンの合金、金属間化合物は存在しないとされてきたがせ、メカニカルアロイング法でのマグネとチタンの配合比、時間など条件の最適加によって、体心立法(BCC)構造を持つ2元素の合金製造を実現させた。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の水素利用国際エネルギーシステム技術(WEーNET計画)第2期研究の中で進められた。
東 京地区の冷延薄板は横ばい。値戻しが焦点となるが、需要の低迷から流通にとっては難しい局面が続きそうだ。荷動きは3月に入ってからも低調。流通では在庫調整が進んでいるが、需要が振るわないため流通は今ひとつ強気になれない状態。ただ、基本的にはメーカーの値上げを転嫁する方針で、小売価格も徐々に切り上げていきたいところ。

 冷延は酸洗、めっきとの価格差の圧縮が大きな課題。流通からも「関連する薄板の他の品種に需要が食われやすい」との声が出ている。当面は輸入材の動向を見ながら横ばいで推移する見通し。市中価格(1・0ミリ、4×8)は4万5000円が中心。

東 京地区のガス管は横ばい。需要の減少幅は小さいものの、単価上昇は引き続き厳しい。首都圏の大型プロジェクト物件が需要を支えているが、これらを除く地域で目玉となるような建築物件がなく、新年度についても不透明感が強い。公共投資の削減も確実に影響を受けてくるものとみられる。

 メーカーは基本的に値上げの方針だが、需要家との交渉は難航する見通し。需要が極端に落ちているわけではなく、特に白ガス管は堅調。しかし「価格がなかなか上がらない」(商社)状況は続きそうだ。

 市中価格(50A・2インチ)は、黒ガス管がキロ当たり71円、白ガス管が同2529円。
大 阪地区の平鋼はメーカーが製品販価の値上げと店売りを中心とした供給カットを打ち出しているものの、需要は依然として活気に乏しく、同値圏内を横ばいで推移している。市中相場はベース、トン当たりで4万円どころ。

 メーカーサイドでは2月分からトン2000円の値上げと昨年10―12月比30%の数量カットを行っている。流通筋に新価格の製品が入りつつあり、価格への転嫁が必要になってきているが、引き合いは小口中心で、思うように上げ切れていないのが実情だ。

 僚品ともいえる厚板の状況が優れないのも価格アップへの足かせとなっており、なおしばらくは模様眺めの展開が続きそう。