2002.05.20
三 菱商事と日商岩井は先週末、鉄鋼製品事業の統合会社「(株)メタルワン」を分社型共同新設分割方式により03年1月に設立すると発表した。メタルワンは自己資本1500億円(うち資本金1000億円)で、出資比率は三菱商事60%、日商岩井40%。連結総資産1兆円、連結売上高2兆1000億円規模。両社は今年10月の統合会社設立を計画していたが、システム統合の試験期間に余裕を設けるため3カ月先送りする。

 総合商社では伊藤忠と丸紅の鉄鋼製品事業の統合会社、伊藤忠丸紅鉄鋼が昨年10月に設立されている。同社の連結売上高は1兆4000億円規模と推定され、メタルワンはこれを上回る、国内最大の鉄鋼商社となる。

政 府は17日、米国の鉄鋼セーフガード(緊急輸入制限)措置に対する対抗措置を、世界貿易機関(WTO)セーフガード協定第8条に基づき、WTO物品理事会に通報した。発動は6月18日、対象金額は約488万ドル(約6億円)。関税率は100%で対象品目はスラブ、熱延鋼板、冷延鋼板、表面処理鋼板、ステンレス鋼板、ステンレス棒鋼など26品目(大分類では鉄鋼、鉄鋼製品の2品目)、63種。また、米側措置がWTO紛争解決手続きの結果、WTO協定違反と判断された場合には、対象金額は1億2343万ドル(約149億円)に拡大することも伝えられた。

新 日本製鉄は、7―9月期の薄板類の輸出価格をトン40―60ドル引き上げるとの方針を明らかにした。同社は4―6月期で同30―60ドルの値戻しを達成しており、2四半期連続の価格引き上げで陥没価格の是正を推進する。また同社は7―9月期において、厚板や棒線など薄板以外の輸出価格の値戻しも本格化させる考え。





N KKは都市基盤整備公団・関西支社が施主の「西武庫団地(その1)A地区建築その他工事」(尼崎市武庫元町)向けで、つばさ杭を受注、施工を行っている。都市基盤整備公団向けの受注は初めてで、これを機に、公団や他の官庁での採用にはずみをつけていく方針。今回の工事ではつばさ杭を計121本使用、今月末にすべてを貫入させる予定。





関 東地区のベース小棒メーカー各社は、6月契約の販売価格(枠売り)について、トン当たり1000円程度値上げする方向で検討している。2月から段階的に価格を引き上げてきたが、足元出荷単価はなお3万円を下回る低水準。スクラップ高が影響し、採算確保が困難になっている。各社減産体制を継続しつつ、来月の追加値上げで採算改善に臨む構えだ。



新 日本製鉄八幡製鉄所はこのほど、5月生産計画を発表した。鋼材生産は、30万100トンで前年同月比1万7300トン、5・4%減となり、昨年の1月以来17カ月連続して前年同月を下回り、高炉1基体制となってからの5月生産としては過去最低の生産水準となる。これは、シームレス鋼管の生産休止による減、東南アジア向けのホットコイルの減などの要因による。



商 社・金属部門の01年度連結業績が出揃った。各社ともに国内の鉄鋼製品価格の下落および数量減を、鋼管を中心とした製品輸出および原料部門の健闘で補うかたちとなった。前年度実績を持つ7社のうち5社が減収、売上総利益で6社中4社が減益となった。





日 本鋼管ライトスチール(谷一浩社長)は01年度(3月期)、下期において要員削減を含む緊急合理化対策を講じてきたが、トータルで約18億円のコスト削減を達成し、売上高400億円弱、経常利益2億―3億円を確保した。川鉄建材との統合を間近に控えた02年度では、合理化追求による事業構造改革を進めて、収益拡大を図る。



東 京地区の表面処理鋼板(電気亜鉛めっき)は、在庫調整が進み強含み。実需が低水準で推移するため、徐々に上昇機運が高まっている。



東 京地区のステンレス棒鋼はトン当たりSUS403=21万円、SUS304=32万―33万円、SUS316=47万円どころを中心として横ばい推移。



大 阪地区の軽量形鋼は需要が低迷しているものの、メーカーからは新価格の製品が入ってきており、小幅ながらも上伸場面を迎えつつある。相場はベースサイズ、トン当たりで4万7000円どころ中心。