2002.06.10
住 友金属工業は、米ゼネラル・モーターズ(GM)から電気機関車用の大型車輪を初受注した。同社・交通産機品カンパニーは、米国向けを中心に鉄道用車輪の輸出を拡大し、04年度に01年度比100%増の年間4万枚に引き上げる計画を持つ。具体的には、新規参入を果たした鉄道貨車の補修用および電気機関車用市場での拡販に注力しており、補修用については米国最大手の鉄道会社であるUPR、BNSFから年間契約を受注。続いてこのほど電気機関車用をGMから初受注した。



住 友金属工業は、ゼネラル・モーターズ(GM)グループの豪州とスウェ―デンの自動車メーカー2社に、車体軽量化につながるデンジタルエンジニアリングを駆使した高張力鋼板および加工法を提案、それぞれ新車種で採用が決まった。昨年6月に発足したカスタマーアプリケーションセンター(SMICAT)の衝突解析シミュレーション技術などを駆使し提案作成、SMICATとして初の海外展開となる。採用により従来に比べ鋼板の約15%の軽量化、10%程度のコストダウンが可能という。



新 日本製鉄・釜石製鉄所(猪瀬迪夫所長)は、岩手県、釜石市と連携の下で、釜石市平田地区等を候補地として新事業展開を計画している。全国で初めて一般ゴミと産業廃棄物を一緒に溶融する大型処理施設を建設し、その排熱を利用した産業を創造する。同じ敷地内で『釜石エコタウン計画』も立ち上げ、水産加工残さのリサイクル、回収ペットボトルのリサイクル等、地域のニーズに合わせたリサイクル事業を行う。他の地区では安全な健康食品事業、高齢者福祉事業を推進。一連の環境・福祉関連の事業展開で約350人の雇用を創造する予定である。すでに3分の1に当たる100人以上の雇用を確保している。

高 炉各社と韓国の現代ハイスコとの間で進められていた7―9月期のホットコイル商談が、先週内にすべて決着した。関係筋によると各社のハイスコ向け同期価格は、フレートの関係で若干異なるが、平均するとトン260ドル(FOB)。4―6月期比で40ドル強のアップとなった。高炉各社のハイスコ向け価格は4―6月期に前期比約30ドル上昇しており、4―9月期トータルで70ドル強アップしたことになる。



関 西地区では今年夏から秋にかけて使用鋼材1万トン規模の大型建築プロジェクトが本格化する見通しだ。関係者ではH形鋼やコラム、厚板などS造関連鋼材の市況低迷打開に向けた『カンフル剤』として期待をかけている。

 高炉筋によると大型物件として注目しているのは『シティータワー大阪』、『梅田阪神第2ビルディング』など。シティータワーはS造一部SRC・RCで、地上50階・地下1階、延べ床面積は5万7000平方メートル。来年12月の完成が見込まれており建て方工事に着手、使用鋼材としては1万トン程度を見込んでいる。







株 式上場ファブリケーター(鉄骨加工業者)12社の02年3月期決算が出そろい、単独の経常利益が10社で減益となるなど、建設需要の減少と価格低迷による収益悪化が一段と鮮明になった。特に鉄骨の受注高の減少は著しい。需要低迷とともに、建設業界の熾烈な受注競争から、価格下落に歯止めがかからない状況となった。各社は、橋梁事業での競争力強化と鉄骨事業の再編に傾注していく。

東 北東京鉄鋼(本社=青森県八戸市、櫻井憲一社長)は、棒鋼事業で当初計画を上回る収益を確保できる見通しだ。韓国向けの小棒・半製品の輸出により国内供給を抑制。需給環境が整ったことを背景に販価を是正する。鉄筋継手も引き合いが増加してきたことから、今後も需要開拓を進める。新たに本格化した産業廃棄物処理を中心とするリサイクル事業も軌道に乗り、全体では今年度の当初目標である売上高70億円の達成が視野に入ってきた。





ニ チメンスチール(本社=横浜市、高野泰雄社長)は、加工拠点を集約し、加工業務の最適化を進める。福島営業所(福島県白河郡)にある棒鋼切断機8台を、関東物流センター(群馬県館林市)と横浜物流センター(横浜市)に移設する。関東はステンレス棒鋼と構造用鋼の加工・販売拠点、横浜が構造用鋼の加工・販売拠点、福島営業所は東北地区の販売拠点という各地区の機能を明確にする。



東 京地区の縞板は強含み。荷動きが悪い中で販売業者は値上げの浸透を図っており、仲間取引から徐々に上昇している。

東 京地区のSUS304系ベースサイズがトン当たり21万円、SUS430系ベースサイズが同16万5000―17万円どころを中心に強含み横ばい。

大 阪地区の異形棒鋼はメーカーが今週から3万円の唱えを打ち出す構えを見せており、依然として強ムードで推移している。市中相場はベースサイズ、トン当たりで2万9000円どころ。