2002年6月19日
住友金属工業は亜鉛めっき鋼板のクロムフリー化を推進する。溶融および電気亜鉛めっき鋼板で、クロムコーティング製品からクロムフリータイプへの切り替えを進める。電気亜鉛めっき鋼板ではクロムを使用しない製品が45%に達しており、03年度中の完全クロムフリー化を目指す。

 家電製品などで高耐食性が求められる用途には、亜鉛めっき鋼板の中でも、よりさびに強いクロムをコーティングしためっき鋼板が使われているが、クロムコーティングには一定量以上吸収すると人体に影響を及ぼす恐れのある六価クロムを微量含んでいる。
日鉄建材工業(岡田明久社長)は17日、100%子会社である日建フェンス工業と、同社の景観エンジニアリング商品部の機能及び組織を統合して、7月1日付で「日鉄建材フェンスエンジニアリング(株)(略称=NFE、日鉄エフ・イー)」を設立すると発表した。

 日鉄建材フェンスエンジニアリングは売り上げ規模約60億円(02年度見通し)で、内訳は日建フェンス工業約40億円(01年度は約49億円)、日鉄建材・景観エンジニアリング商品部約20億円(同約14億3000万円)。従業員は73人、このうち13人(転籍者3人)が景観エンジニアリング商品部から入る。
住友商事が中国で展開する薄板コイルセンター、上海頂鋒金属製品有限公司(上海市嘉定区、藤井茂樹董事・総経理)は、今年の加工量を前年比10%増の8万8000トンと計画している。足元の加工量は月間7000トン超で、ほぼ計画通りのペース。先月末に発動された暫定セーフガードの影響が不透明ではあるが、同社としては現地需要家への供給責任を果たすことを最優先し、合わせて計画の達成も目指す。
韓国の月次主要鋼材生産実績が、97年の通貨危機以降で最高水準を更新している。景気上昇を背景にしたもので、数量的には完全に回復した。建設業界向けが主体となるH形鋼は、4月の生産が29万2635トンと今年最高を記録。前年比では37・1%の増加。鉄筋は1―3月の累計で255万4000トン、前年同期比22・5%の増加。板系ではホットコイルは、POSCOの工場改修の影響で減っているが、ブリキは4月で8万1500トン、前年比14・5%増加し、過去最高を記録。こうした状況から粗鋼世産も4月累計で1454万1000トン、前年比2・7%増。年率で4500万トンに迫る高水準。鋼材ベースでは、年率4890万トンと5000万トン台にほぼ達している。
EUは、6月上旬の産業閣僚理事会で韓国造船業のWTO提訴を9月末まで延期することを決めた。この間、韓国側と二国間協議を行い、コンテナー船、プロダクトキャリアー、ケミカルタンカーの3船種で価格アップを協議する。これで合意できなければ、改めてWTOへの提訴を再検討する。韓国造船業界は今回の決定で、WTOへの提訴が回避される形で、受注摩擦問題は凌げるとの見方を強めている。