2003年05月12日
新日本製鉄は9日、高炉メーカーの先陣を切って2003年3月期決算を発表した。鋼材のアジア向け輸出の拡大と国内自動車・造船向けの出荷増、輸出価格の改善、合理化効果などから、連結経常利益は前期比4・1倍の688億7900万円に大幅増益。ただ連結最終損益は新日鉄化学などグループ会社の事業再編に伴う損失や金融株を中心とする多額の株式評価損などで1403億円の特別損失を計上したため、516億8600万円の赤字となった。期末の連結有利子負債残高は前期末より1443億円圧縮の1兆8719億円と、2兆円の大台を割った。配当は期末年1・5円を継続する。04年3月期は内外鋼材価格の改善が進むうえ、コスト合理化の進展もあり、連結ベースで売上高2兆8000億円、経常利益1400億円、当期利益700億円を見込む。連結有利子負債残高は同期末で1兆8000億円に圧縮の見通し。

日新製鋼は9日、2003年3月期決算を発表した。コスト削減が効を奏し、連結経常利益は前期比234億円改善の63億1200万円と2期ぶりの黒字となった。当期損益は投資有価証券の評価損などを計上し26億9500万円の赤字となったが前期比で279億円改善。期末の連結有利子負債残高は同131億円削減し2377億円。2円の復配。今期は前期に進めた値上げとコスト削減のフル効果を織り込み、連結売上高4300億円、営業利益250億円、経常利益170億円、当期利益55億円で増収増益を予想、増配を見込んでいる。

新日本製鉄、JFEスチールなど大手高炉5社合計の2003年度設備投資計画は、工事ベース3155億円で前年度比26・4%増加した。5社計画は日新製鋼を除き、減価償却費(合計4051億円)の範囲内にとどまった。同計画は91、92年度の9000億円台前半をピークとして10年間、漸減傾向を辿り、02年度の2500億円弱をボトムにしてようやく反転したが、03年度は01年度の3700億円強を下回る水準。

鉄スクラップ価格の下落に拍車がかかりそうだ。関東鉄源協同組合(理事長=渡辺淳・丸和商事社長)が9日行った6月積み鉄スクラップ輸出入札は、前回比1521円安の1万2860円で計1万5000トンが落札された。ピーク時の3月積み入札(1万8040円)と比べ3カ月で5180円続落。輸出価格の指標である海外市況は引き続き下げ基調で推移しており、鉄スクラップ価格は底値がみえない状況が続きそうだ。



日鉄鋼板(本社=東京都江東区、服部正幸社長)は9日、2003年度スタートの中期経営計画(3月期、03―05年度)を策定、スタートしたと正式発表した。また、連結子会社の大同建材工業と、新日本製鉄グループの大手屋根メーカーである三晃金属工業は連携に向けて具体的協議を始めており、03年度中にも実現する可能性が出てきた。