2003年05月29日
新日本製鉄は6月契約分から、店売り向け薄板3品種(熱延・冷延・表面処理)をトン当たり1000―3000円値上げする。リロールメーカー向けなど市況に連動するひも付き分野も、需要家ごとの個別交渉で値上げを進める。市況が踊り場局面にあると認識しながらも、タイトな需給環境が続く中で、もう一段の価格是正が必要と判断した。

新日本製鉄は28日、同社が保有するワッカー・エヌエスシーイー社(WNC、本社=東京)の全株式(発行済み株式総数の45%)を、シリコンウェハーなどシリコン製品メーカーのワッカーケミーグループ(独)が本年9月30日までに買収、WNCを完全子会社化すると発表した。WNCは2000年11月、旧ニッテツ電子にワッカーケミーグループが資本参加し、同グループ55%、新日鉄45%を出資する合弁会社として発足。技術、販売、研究開発で連携を図ってきた。しかし、シリコンウェハー市場、顧客ニーズ対応を強化する観点から、ワッカーケミーグループが全株を保有、全世界的販売ネットワーク下での運営が必要と判断。さら新日鉄サイドの経営資源戦略とも合致することから株式譲渡に至った。

日本鉄鋼連盟は28日、東京・中央区の鉄鋼会館で第89回定時総会を開催、役員改選のほか、2002年度の業務報告、決算報告などを承認した。役員改選では新会長に三村明夫・新日本製鉄社長、また副会長に數土文夫・JFEスチール社長、下妻博・住友金属工業社長、水越浩士・神戸製鋼所社長、籾井勝人・三井物専務執行役員、岡田紀雄・メタルワン会長の5人が選任された。副会長職は従来の「1人以上2人以下」から「2人以上5人以下」に定款を変更。

 三村新会長は総会後の記者会見で、「鉄鋼業界が健全な方向に進み出した。成長性のある産業に変化できるよう、鉄連会長として尽力していきたい」と抱負を語った。

住友金属工業・鹿島製鉄所(鹿嶋市)の「新1高炉」――。21世紀最初の新高炉の建設が着々と進んでいる。新1高炉は内容積5370立方メートル。総工費460億円。施工は石川島播磨重工業。

 原料柔軟性、低還元材比、炉命25年以上をねらいに、既存の第3高炉に隣接して建設。炉体構造、原料装入設備などに最新技術を導入する一方、部品の海外調達や、熱風炉、鋳床、原料槽などのコンパクト設計により、建設費を大幅に削減した。



財務省貿易統計によると、2003年4月の鉄鋼輸入実績は、普通鋼鋼材合計で22万4401トン(前月比7・8%増)となった。線材が大幅に増えたほか、冷延コイルや溶融亜鉛めっき鋼板が、前月比微増となったため。1―4月合計は89万4537トンで、前年同期比11%減と引き続き低水準で推移している。