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2003年06月23日
日立金属および住友特殊金属は先週末、永久磁石および磁石応用製品を中心とするエレクトロニクス材料事業について、顧客満足度世界トップの態勢構築をめざし、「包括的事業提携契約」を締結することで合意したと発表した。相互OEM、共同開発、海外事業の共同展開などの提携効果を追求する。これに伴い日立金属は住友金属工業が保有する住特金の株式1829万株(議決権比率32・9%)を139億200万円で7月末をメドに取得する。この結果、住特金は日立金属グループ入りすることになり、一層の事業強化のため、両社は同事業を住特金に統合することも検討していく。
新日本製鉄と住友金属工業は20日、ステンレス事業を統合して本年10月に設立する新会社「新日鉄住金ステンレス(NSSC)」の資本金、代表者などを発表した。社長に新日鉄の萬谷興亞副社長、副社長に住金の永幡勉専務執行役員が就任する。資本金は50億円(株式割当比率=新日鉄80%、住金20%)。
日本鉄鋼連盟の三村明夫会長(新日本製鉄社長)は20日の定例会見で、内外の鉄鋼需要動向について「国内は製造業を中心に底堅い。輸出も東アジア向けを中心に好調を持続しており、世間で言われているより実感はよい。中国向けもSARSの問題、中国内の投機的な動きによる汎用品の在庫増、これに伴う市況下落で心配していたが、われわれが輸出している高付加価値商品に影響はなく、むしろ引き合いは強い。汎用品の在庫増も中国内の価格の落ち着きとともに、投機的な動きがなくなり、解消の方向にある」と述べ、「国内製造業向けと東アジア輸出によって、鉄鋼需要はここ3、4年堅調に推移する」との見通しを明らかにした。
東京製鉄(池谷正成社長)は20日、7月契約の販売価格を全品種据え置くと発表した。建値の据え置きは4カ月連続。先月同様、「先行して値上げしてきたため、マーケット動向を見守る」(安田英憲常務)考え。ただし需給バランスは国内外で改善しつつあるとみており、引き続き減産と輸出の組み合わせによる市況上伸への取り組みを進める。20日売り出し、25日締め切り。
韓国のPOSCOは2003年第3クオーターの日本向け鋼材輸出価格を決定、取り扱い先などに通達した。それによると、熱延コイルと酸洗コイルを1000円、冷延コイルを3000円値上げ、厚板を据え置いた。表面処理鋼板については現在、価格を検討中だが、冷延並みの値上げとなる見込み。数量は熱延、酸洗、冷延、厚板は前期(4―6月積み)並みの水準を予定しており、クオーター全体では30万トン強となる方向だ。