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2003年08月05日
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冷延薄板市況、再び上昇機運
・ JFEスチール、ガス管値戻し浸透
・ アルセロール、宝鋼に生産技術供与
・ 神鋼・フェスト、年内製品化にメド=次世代型の超ハイテン
・ 日栄鋼材、売上高を月平均32億円へ
・ JFEスチール、ガス管値戻し浸透
・ アルセロール、宝鋼に生産技術供与
・ 神鋼・フェスト、年内製品化にメド=次世代型の超ハイテン
・ 日栄鋼材、売上高を月平均32億円へ
冷延薄板市況に再び上昇の機運が高まりつつある。4―6月は市況が踊り場となり、一部高値修正下げも見られたようだが、基本的に価格を下げる余地はない。高炉メーカーの需給対策も本格化し、8月後半以降、価格転嫁が進みそうだ。
東京地区では薄板市況が全般的に踊り場に入ったことを受け、価格上昇が止まった。自動車関連のコイルセンターは好調を維持したものの、店売りの販売が停滞し、在庫増加で需給バランスにも多少の緩みが出た。
東京地区では薄板市況が全般的に踊り場に入ったことを受け、価格上昇が止まった。自動車関連のコイルセンターは好調を維持したものの、店売りの販売が停滞し、在庫増加で需給バランスにも多少の緩みが出た。
ガス管最大手であるJFEスチールは4月、5月ロールで実施したガス管類の第2次値上げに関して、先行していた黒ガス管に加えて、7月積みで白ガス管、ライニング鋼管類ともに店売り向けで浸透するとともに、主要ユーザーである造船、大手ガス向けひも付き値上げ交渉で有額回答を得た。ただ、現行販価水準では採算ラインに到達したにすぎず、2004年4月出荷での第3次値上げに向けて準備を開始している。
欧アルセロールはこのほど、上海宝鋼集団にステンレス冷延鋼板の生産技術を供与することで合意した。宝鋼集団は、傘下の上海第1鋼鉄において年産72万トンのステンレス精錬、同60万トンの熱延プロジェクトを進めている。その下工程として年産45万トンの冷延工場建設計画があり、ここにアルセロールが技術を供与する。アルセロールは、この冷延事業に出資するとみられており、宝鋼集団は日新製鋼、独クルップティッセンに続いてアルセロールをステンレス事業のパートナーに迎えることになる。
神戸製鋼所は技術提携先のオーストリア・フェストアルピーネ社との共同開発による自動車向け次世代型・超高張力鋼板(超ハイテン)の年内製品化にメドをつけた。引っ張り強度80および100キログラムの高加工性の超ハイテンで、来年下期から日系および欧州自動車メーカーにサンプル出荷する方向で態勢を整える。
日立金属子会社で大手特殊鋼流通の日栄鋼材(本社=東京都中央区、岡崎直城社長)は今期、(1)工具鋼の熱処理・加工態勢拡充(2)工具鋼値戻しの推進(3)国内販売態勢の最適化―などを進め、月平均売上高を前期実績比2・5%増の31億円レベルに引き上げる。4―6月期は自動車関連金型が堅調に推移したため、主力の工具鋼販売が好調で目標値をほぼ100%達成した。7―9月期以降も、日立と連携を密にしたさらなる施策を実施し、売り上げと収益性の向上に努める。