2003年12月24日
新日本製鉄は22日、04年度積み原料炭の価格交渉で同日までに豪州、カナダの大手山元と強粘結炭価格を1トンFOB55―57ドル米水準に10―11ドル値上げすることでほぼ合意したことを明らかにした。率にすると25%近い上昇と、石油危機などの特殊要因を除いて直近で最大の上げ幅。今後数量などの条件面を詰める。

 JFEスチール、住友金属工業、神戸製鋼所、日新製鋼も山元との個別交渉で同様の値上げで合意しつつある。今回の値上げは高炉5社で約300億円のコスト上昇になる。中国をはじめ、世界的におう盛な需要に支えられた供給不足感を反映し、交渉開始直後の段階で大詰めを迎えた。



JFEスチールは22日、西日本製鉄所福山地区の第3溶融亜鉛めっきライン(3CGL)の10月生産量が、合金化溶融亜鉛めっきラインとしては日本新記録となる5万927トンを達成したと発表した。



POSCOは、光陽製鉄所に保有している第2ミニミルをイランのシャットル社に1416億ウォンで売却することで合意した。第2ミニミルは、年産200万トンで、稼働中の第1ミニミルと同時に契約された。設備は引き渡されているが、据付工事がなされておらず、休止設備として保有されている。イランとの正式契約を経て、設備は来年の引き渡しになる見通し。





関包スチール(本社=大阪市西区、谷本隆広社長)は2004年度(05年3月期)の経営計画を明らかにした。売上金額は明らかにしていないが、生産数量は年間147万トンと03年度比7・3%増、ROA5%をめざす。

 販売数量は全体で年間100万トンと同10万トン増、うち建材部門(軽天材、建築部材)は年間16万トンと同1万トン強増を計画。コイルセンターは需要や地域状況に合わせた投資を行う。建材は地域密着型の生産態勢を再整備し、輸送などのコスト低減を進める方針で、滋賀地区などで設備増強も検討している。



日本金属工業は22日、ステンレス鋼の主原料であるニッケルの国際価格急騰に対応し、省ニッケルのオーステナイト系ステンレスを開発、このほど本格販売に乗り出したと発表した。ニッケル含有量を5%以下に抑えながら従来のステンレスと同等の性能を備えるもので、高価なニッケル含有が少ない分(通常は8%程度)だけ安価となる。

 省ニッケル鋼市場が確立している中国・東南アジアのパイプおよび器物メーカー向けに2004年1―3月期月間5000トンの販売を計画している。