2003年12月25日
メタルワンは鉄鋼貿易・海外部門の収益拡大を急ぐ。「世界の鉄鋼業を取り巻く環境が大きく変動するとともに市場規模が拡大し、また日本の鉄鋼輸出も高い水準で推移するなか、貿易・海外部門の重要性が増している」(金田守司専務)との認識を踏まえ、収益の全社比率を03年の30―35%から50%に早期に引き上げる。

 同社は中期経営計画において連結純利益目標を03年90億円、04年125億円、05年150億円と策定。全社に占める貿易・海外部門の比率を03年30%、05年40%と設定しているが、「04年に1年前倒しで40%を達成し、これを早期に50%へ引き上げていく考え」(同)である。

東京製綱は中国において橋梁用ワイヤの生産・販売を開始する。新日本製鉄や中国企業との共同出資により合弁会社を設立するもので、2004年6月をメドに工場を稼働開始し、年間生産高は約1万4000トン、初年度売上高は約6億円を見込んでいる。

スリット専業の薄板コイルセンター、仁淀鉄鋼(本社=大阪市西区、横山行雄社長)と伊藤忠丸紅鉄鋼は24日、同じくスリット加工専業の長浜鋼業(資本金5000万円、本社=東京都墨田区、長浜聖二社長)の経営権を譲り受けると発表した。2004年1月1日から共同で事業を継承し、仁淀鉄鋼が85%、伊藤忠丸紅鉄鋼が15%を出資。関東地区でのスリット加工充実を図る。

JFEスチールは24日、中国・江蘇省の超大型原油タンク2基向けに、610N/平方ミリメートル級高張力厚板「JFE―HITEN610E」を2400トン受注したと発表した。同製品はすでに広東省、浙江省の備蓄基地向けに合計6800トン採用されており、1カ月間で1万トン近い受注となっている。

中国で高炭素フェロマンガン価格が1トン6000元(約7万8000円)に先週1000元上昇するなど、製鋼原料の合金鉄相場が上がっている。中国は粗鋼の増産や電力不足などによる合金鉄供給力の減少で需給が窮屈になり、輸出余力が乏しい。国内供給優先の政策と合わせて、日本向け輸出の数量減や価格の上昇に結びついている。仏エラメットの工場休止などで欧米市況も上昇しており、国際相場の上昇が日本の相場も一段押し上げそうだ。

23日午後4時35分ごろ、JFEスチール西日本製鉄所倉敷地区の第3高炉炉頂マンホール付近で爆発事故があり、4人が軽傷を負った。高炉に損傷はなく、倉敷市消防局の操業許可を得て、24日午前1時に送風を再開、午前3時54分に第1回の出銑を開始した。事故による生産減は出銑レベルで1000―2000トン程度で、他の第2、第4高炉が順調に稼働していることもあり、生産・出荷への影響はほとんどないものとみられる。