2004年04月19日
日本鉄鋼連盟が16日発表した2003年度の国内粗鋼生産量は、前年度比1・1%増の1億1098万3000トンとなり、2年連続の増加となった。1億トン台乗せは4年連続で、90年度の1億1171万トンに次いで過去5番目の高水準。アジアのおう盛な鋼材需要がけん引し、国内も自動車、造船など製造業向けが前年度に続き好調に推移した。本年1―3月の生産は前年同期比1・7%増の2756万8000トンとなり、前年同期を5期連続で更新した。

日本鉄鋼連盟の三村明夫会長(新日本製鉄社長)は16日の定例会見で、原料動向について「スクラップは多少沈静化しているが、フェロアロイなどを中心に市況上伸が続いている」とし、原料高などによる業界の04年度のコストアップ分は「直近の新日鉄試算では7000億円を上回る」との見通しを明らかにした。そのうえで鋼材価格への転嫁について「輸出価格は原料価格のアップを吸収できる値上げをすでに実施している」が、国内はユーザーの理解を得ながら、一層の値上げに取り組む必要があるとの認識を示した。

新日本製鉄名古屋製鉄所(所長=二村文友取締役)は16日、昨年9月のガスホルダー爆発事故に伴い、新たに建設を進めてきた最新型のガスホルダーが完成し、本格稼働を開始したと発表した。これによって7カ月ぶりに通常操業に完全復帰した。

 会見にあたった二村所長は、「本格稼働に当たり安全防災に万全を期すため、我々として考えられる懸念事項について想定し、対策を織り込んだ。事故を契機に安全防災が企業経営の大前提であることを再認識し、さらに安全な製鉄所作りをめざしてまい進したい」と強調した。

明道メタル(本社=新潟県燕市、梁取新一社長)は今月末、9000万円の第三者割当増資を実施する。引受先はメタルワン。増資後の持ち株比率はフェニックス・キャピタル79・63%、第四銀行3・7%、メタルワン16・67%となる。

 メタルワンが引き受けに応じたのは普通株式18万株で、増資資金は9000万円。6300万円を資本金に組み入れ、残り2700万円は資本準備金とする。増資後の明道メタルの資本金は3億8100万円、資本準備金1億5900万円。

野水鉄興(本社=東京都千代田区、大西紳也社長)は、浦安鉄鋼団地の2つの倉庫を売却する検討に入った。経営再建に向けた有利子負債削減策の一環で、売却先として、H形鋼を在庫する第2倉庫は隣接する丸八鋼管(本社=千葉県浦安市)に、平鋼を在庫する第1倉庫は森定興商(本社=名古屋市)に、それぞれ打診した。