2004年09月17日(金)
 JFEスチールは、鉄鉱最大手であるブラジルのリオドセ社(CVRD社)と、鉄鉱石の長期売買契約を締結したと、16日発表した。JFEスチールは今回の長契によって、リオドセ社からの鉄鉱石総購入量が2007年度に年間1000万トンに達し、日本ミルとしては最大規模となる。
 住金物産の金属カンパニー(井上尚男カンパニー長)は今月、タイ・バンコク郊外に薄板加工の「エスビー・コイルセンター・タイランド・リミテッド(SBCT)」を設立し、来年6月の稼働をめざす。品質管理やジャストインタイム納入などの機能を発揮して主に弱電関係を中心に初年度月4000トン、3年後に同5200トンの販売を計画している。

 同社は本年度スタートの5年ビジョンで海外展開を重点・拡大分野に掲げており、米国と中国に持つコイルセンターについても増強投資を実施。米国でさらに増設を検討するなど海外事業の拡大展開を図る方針。
 新関西製鉄はSS、SC規格などの構造用棒鋼の販売価格について、9月契約分から値上げを実施する。値上げ幅はトン当たり5000―1万円で、店売り、ひも付きともに対象としている。同社による構造用棒鋼の値上げは本年4月以来5カ月ぶりのこと。
 川崎重工業、中国遠洋運輸総公司(COSCO)、伊藤忠丸紅鉄鋼他の合弁によるファブリケーター・上海中遠川崎重工鋼結構有限公司(SCK、本社=上海市)は、風力発電のタワーやシールドマシン用の部品加工など、鉄骨以外の事業を強化する。

 「上海では鉄骨の競争が激しくなり、鉄骨だけでは生き残れない。付加価値のある加工品にも傾注していきたい」(矢野博・資材部指導経理)考え。既に風力発電では、大口の引き合いも寄せられている。技術力の高さをより生かすことのできる分野で中国展開を進める方針だ。
 東京地区鋼管流通筋は10月1日から、シームレス材料管全品種の唱え価格を、流通価格表で現行比10ポイント引き上げることを決めた。10月中に実勢に転嫁させる。また、ラインパイプ用シームレス鋼管(対象サイズ=15A―400A)に関しても、同水準の上げ幅で唱え価格を引き上げていく。