2004年12月06日(月)
 神鋼商事(森脇亞人社長)は、ファスナーメーカーのメイドー(愛知)、杉浦製作所(愛知)、音戸工作所(広島)、尾張精機(愛知)の4社と合弁で、中国・華東地区に自動車用高強度ファスナーの製造・販売会社「ヘクサス精工(嘉興)有限公司」を設立し、日系自動車メーカーへの現地供給を開始する。総投資額約20億円。操業開始は2005年12月の予定。

 現地のトヨタとマツダ向けが中心で1―2年後に月産1000トンをめざす。神商は広州にコイルセンター、上海に自動車用ボルトの合弁会社を持ち、自動車生産の拡大に応じて現地拠点を強化していく。
 メタルワンが国内の系列ステンレス流通を再編する。メタルワン鉄鋼製品販売(本社=大阪市、播广義春社長)の関東地区のステンレス事業を切り出し、ステンレスコイルセンターのエヌアイステンレスセンター(本社=千葉市、大岩眞太郎社長)に譲渡。日新製鋼―旧日商岩井系のステンレス加工・販売を製販一体に転換する。商品管理や実務の効率化、サービスの充実を図るのが狙い。

 来年1月1日付で新態勢に移行し、エヌアイステンレスセンターは「ステンレスワン」に社名を変更する。
 大手鋼線メーカーの鈴木金属工業(佐藤眞樹社長)は、ばね用鋼線の販売価格について2005年1月積み分から硬鋼線トン1万4000円、ピアノ線同1万5000円、オイルテンパー線1万6000円引き上げる。材料の線材価格が11月契約から大幅に値上がりしたため。高強度オイルテンパー線は、合金コスト上昇分が線材価格に織り込まれるため別途エキストラを設定。同社の価格改定は本年2度目となる。
 鉄骨価格が上昇している。超高層物件で使われる4面BOX造の場合、平均トン単価は22万―23万円と年初から6万―7万円上昇。厚板を主とする鋼材の価格上昇と需給ひっ迫を受けてゼネコン側の態度が軟化した。ただし鋼材は急騰しており、超高層の鉄骨価格のうち、鋼材費を除く加工費等は7万―8万円と適正価格10万円を下回る。

 来年になれば、厚板がトン2万円上がる可能性があるほか、7月ごろには鋼材不足のピークを迎えるもよう。このためファブは、需要増加を背景にトン25万円の鉄骨価格を唱えてゼネコンと攻防している。
 伊藤忠丸紅テクノスチール(本社=東京都中央区、平島義和社長)は2005年3月期業績で増収増益を計画している。9月中間期決算は売上高が前年同期比20・1%増の1232億円、経常利益は前年同期の若干の黒字から大幅に増加し6億5000万円となった。販売価格が上昇し、需要も堅調に推移したため。下期は建材需要が出遅れているものの土木含めて需要期にあたることから売り上げ増を見込んでいる。