2005年04月01日(金)
 神戸製鋼所は、自動車生産の拡大基調を受けて、特殊鋼棒鋼・線材の供給態勢を強化する。神戸製鉄所第7線材ラインから余力のある加古川製鉄所第8線材ラインへの生産シフトを進めるほか、鋼種・サイズ統合などで生産性を向上。2005年度は、足元月間約18万トンの特殊鋼棒線生産に数千トンの上積みを図る。

 さらに06―07年の神戸・連続鋳造機新設および神戸・加古川高炉改修で粗鋼の増産余力が生まれることで、2―3年後には需要環境次第で2万トン増、約1割増の月産20万トンを見込んでいる。
 三井物産は31日、加鉱山会社のアイバンホーマイニングと共同で、モンゴルの南ゴビ地区で銅、金、原料炭鉱山開発に乗り出すと発表した。三井物産はアイバンホーと包括的戦略提携の覚書を交わした。今後アイバンホーが権益を持つ金・銅開発、一級原料炭開発、関連の発電、輸送などインフラ整備を進める。資源需給が世界的に不足するなかで、金属、原料炭の新たなソースを開拓する方針だ。
 経済産業省は31日、2005年度第1四半期(05年4―6月)鋼材需要見通しを発表した。鋼材需要は2575万トン(前期比76万トン、2・9%減、前年同期比11万トン、0・4%増)となり、出荷等相当粗鋼需要量は2831万トン(同56万トン、2%増、同9万トン、0・3%増)と策定された。粗鋼は第1四半期としては史上5番目と高水準を維持する。

 建設では公共土木や建築の住宅が減少するほか、製造業も決算期の翌期となるため、自動車、産業機械など造船を除く各分野が前期を下回る。しかし、半製品輸出の増加などから粗鋼生産は若干のプラスで、同見通し通り推移すると、前期比では2期ぶり、前年同期比では6期連続の増加となる。
 鉄鋼産業懇談会の宮本盛規会長は31日の懇談会後の定例会見において、「鉄鋼需要は引き続き高水準で推移する見通しで、普通鋼鋼材在庫も再び減少した。輸入材の市況への影響もみられず、国内マーケットについてはとくに心配していない。ただし中国の輸出動向を含め海外市場をよくウオッチしなければならない局面を迎えつつあるようだ」と述べた。

 また宮本会長は退任にあたって、「この2年間で鉄が基礎資材として再認識され、日本の鉄鋼製品が技術力を加味したかたちでユーザー産業に組み込まれていることが立証された」と振り返った。
 鋼材、生コン・セメント卸の宮澤鋼業(本社=札幌市、坂本幸丸社長、資本金9000万円)は30日、札幌地裁に民事再生法を申請した。負債総額は、割引手形約34億円を含め約158億円。債権者数は588人。

 今後は、鉄鋼および関連工事部門を中心に与信管理と経費節減を徹底。スポンサー獲得もしくは自力も選択肢に入れ、与信不安を払しょくして経営再建を図っていく方針。