2006年06月13日(火)
 ルクセンブルクのアルセロールは12日、蘭ミッタル・スチールの新たな買収条件を評価が低いとして拒否する方針を決めたと発表した。株主にはミッタルの買収に応じないよう勧告すると同時に、月末の総会で露セバスタールとの統合を支持するよう求める。自社株買いを30%のプレミアムを付けた1株44ユーロ(6340円)で、ミッタルの公開買い付け(TOB)結果が出た段階で実施する考え。

 アルセロールはセバスタール買収と自社株買いを軸とした買収阻止策を進めながら、ミッタルの提示を上回る自社株買値をあらかじめ示すことで、ミッタルのTOBに傾く株主を思いとどまらせたい考えだ。
 新日鉄住金ステンレス(NSSC)は12日、6月の国内店売り冷延薄板および厚中板の契約価格を発表し、ニッケル系で前月比トン3万円値上げする。

 原料となるニッケル価格が高騰しているためで、アロイ価格とベース価格を合わせた冷薄販価は36万5000円となり、6カ月連続の値上げ。1月からの値上げ幅は7万5000円。クロム系は据え置きとした。
 東京地区の異形棒鋼出荷量は、おう盛な建設需要に支えられ増加傾向をたどっている。2006年5月の地区異形棒鋼出荷量(産業新聞社調べ)は、前月比2%増(前年同月比12%増)の32万トンに増加した。4―5月にかけて中小ゼネコンを中心に引き合いが増加したためで、今後はスーパーゼネコン、中堅ゼネコンの発注が増える見通し。

 小棒電炉メーカー、流通各社は原燃料費の高騰により製品価格の値上げを実施しており、需給タイトを背景に値上げは浸透している。
 三井物産グループの溶接鋼管メーカー、新三興鋼管(本社=千葉県市原市、永井健二社長)は2005年度(3月期)において、生産効率および収益力の向上に努めた結果、市況動向に左右されない企業体質の構築が進捗した。

 中期3カ年計画のスタートにあたる06年度は、老朽化設備を更新するなど生産品質の向上に取り組むとともに、このほど開発した新商品を拡販メニューに加えて、一般品を含めたトータル受注に結びつける方針だ。
 イノック製造(本社=大阪市西淀川区、伊東成芳社長)と岩谷産業の中国子会社である伊諾克(常州)不銹鋼制品有限公司(江蘇省常州市)は、このほど長江デルタ地域(上海・江蘇省・淅江省)でステンレス管継手類の在庫販売を開始した。

 現地での同製品類の在庫販売は在中国日系企業では初めて。今後は市場およびユーザー開拓を進め、中国内向け販売について初年度で1億5000万円をめざす。