2006年07月25日(火)
 神戸製鋼所はこのほど大手ワイヤロープメーカー、テザックワイヤロープ(TWR、本社=大阪府貝塚市、寺田英二社長)への出資比率を20・3%から86・1%に引き上げた。日本みらいキャピタル(株)(NMC)が保有していた株式を取得。神鋼鋼線工業の持分を合わせた神鋼グループの出資比率は92・2%となった。

 TWRはエレベーター用やロープウエーなど索道用の高級ロープ市場で高い評価を得ている。神鋼としてはTWRのブランド力を活用するとともにTWRと神鋼鋼線との協業を深化させ、重要戦略分野であるロープ事業の高級品化とグループ競争力強化を加速する考えだ。
 国内の厚板需給が下期に向けてタイト化してきた。厚板の主要な需要先である造船や建設機械、産業機械業界の活動が引き続き高水準にあることに加えて、鋼管や輸出向けも受注が増加してきているため。これまで低迷していた橋梁や建築などの分野でも需要が回復してきており、8月以降は需給の引き締まりが一段と鮮明になりそうだ。
 日立金属は24日、中国・天津市に金型材料である工具鋼の加工・販売会社を設立すると発表した。日系自動車メーカーをはじめ、多数の外資系メーカーの進出にあわせ、需要拡大が見込まれる高性能工具鋼の加工(切断、切削)、熱処理、販売を強化、工具鋼ビジネスの拡大を図る。

 主な製品は熱間および冷間ダイス鋼が中心となる。総投資額は約1億円。9月に設立、10月から出荷開始の予定。2008年度売上高目標は2億円、10年度までに3億円をめざす。
 (株)ユニバーサルメタルコーポレーション(本社=千葉県市原市、ハシブ・レーマン社長)は24日、パキスタンで民間資本として初めて冷延鋼板工場を建設すると発表した。すでに現地に「アイシャスチールミル社」を設立、工場建設計画を進めると同時に需要家の確定作業を終えている。

 生産規模は冷延鋼板、亜鉛めっき鋼板合計で年間36万トン(第1期22万トン)を計画しており、第1期の総投資額は100億円。用途は建材向けを想定しており、2008年7月の稼働開始をめざす。
 谷本鉄鋼(本社=大阪府泉大津市臨海町、武藤愛二社長)は本社工場の大型スリッターに半自動の刃組装置を導入する。導入作業は連休を主体に行う予定で、第1段階としては8月の旧盆休みに導入のための基礎工事を行い、年末・正月休暇に設備を据え付け、年明けにも稼働させる。今回の投資は刃換え作業の負担軽減を図るとともに、生産性の向上を図るのが狙い。