2006年10月27日(金)
 新日本製鉄、JFEホールディングスが26日発表した2006年9月中間期決算は、連結経常利益がそれぞれ前年同期比8・7%減の2689億円、同16・4%減の2238億円となった。

 在庫評価益で会計上、利益がかさ上げされた前年との比較では減益となったものの、国内外の鋼材需要が高級鋼を中心に好調に推移する中で、販売数量増、品種構成および価格改善効果などによって原料高の影響をこなし、好決算を維持した。

 中間配当は新日鉄が14年ぶりに4円配を、JFEは02年の発足以来初めて50円配を実施する。07年3月期通期の連結経常利益は新日鉄が5250億円(9月上旬予想5000億円)、JFEが4900億円(同4700億円)を予想、前期の過去最高益(新日鉄5474億円、JFE5173億円)に迫る。
 大阪製鉄(望月志郎社長)は東京鋼鉄(平嶋俊佑社長)を株式交換によって完全子会社化することになった。両社が26日に取締役会を開催、株式交換契約を締結した。

 株式の割当比率は東京鋼鉄株1株に対し、大阪製鉄株0・228株を割り当て交付。大阪製鉄は東京鋼鐵の株主に割り当てる株式として自己株式19万7700株を充当するとともに、普通株式377万9988株を新たに発行する。東京鋼鉄は3月27日をもってジャスダック市場の上場を廃止、3月31日に株式交換を行う予定。
 韓国の現代製鉄は、きょう27日午前11時から唐津郡で唐津工場B熱延工場の竣工式と高炉一貫の唐津製鉄所の起工式を行う。盧武鉉大統領、国会議員、政府関係者、鉄鋼業界などから1500人が出席する。

 竣工するB熱延は、電炉鉄源を主体とした薄板工場で来春には粗圧延機を増設して年間300万トン体制になる。高炉一貫製鉄所は、高炉2基体制で年産700万トン。2010年から1号高炉の稼働を予定している。現代製鉄は、念願の高炉部門進出を果たすことになる。
 鉄、非鉄、雑品スクラップを取り扱う専業商社、泰和商事(本社=東京都中央区、中上鉄男社長)は26日、中国江蘇省大豊市に建設中である金属リサイクル工場の第1期工事完了を記念して竣工式を開催した。

 工場は江蘇省にある大豊市海洋経済開発区に位置しており、華東地区を中心に鉄鋼、非鉄メーカーに原料を供給。日本から輸入した鉄、非鉄、雑品スクラップを加工処理した後に、付加価値を高めるため人海戦術でさらに分別徹底する。試運転の開始は11月から。
 2週連続下落していた鉄スクラップの輸出価格が、下げ止まった。現代製鉄が25日に実施した日本産購買入札で、現代製鉄は日本側のオファーに対して前週比横ばいを提示。

 先週の入札で現代製鉄は日本側の下値を探っていたが、国内での鉄スクラップ需要増で相場は高値圏で推移しており、「これ以上値下げするのは無理だと判断したのでは」(商社筋)と見る向きもある。