2007年01月18日(木)
 新日鉄エンジニアリング・製鉄プラント事業部は17日、三菱商事、富士電機システムズと共同で、中国の酒泉鋼鉄から家電・高級建材用の溶融亜鉛めっき鋼板ライン(CGL)の全体エンジニアリングと主要機器を2ライン一括で受注したと発表した。受注総額は約80億円で、年産能力がそれぞれ40万トン、35万トン。

 新日鉄エンジにとって海外からの表面処理鋼板ライン受注は06年末の印タタ・グループ企業からの電気錫めっきラインに続くもの。中国では太原鋼鉄から大型電気炉を、また包頭鋼鉄や寧波鋼鉄など3社からCDQ(コークス乾式消火設備)を連続受注している。
 大同特殊鋼(小澤正俊社長)は17日、米国のベアリング・特殊鋼メーカーのティムケン社(ジェームス・グリフィス社長)と、米国における日系自動車メーカー、ベアリングメーカーなどの高品位特殊鋼の需要増に対応するため、能力増強に関する多面的な業務提携を実施し、さらに相互に有益なテーマについても積極的に推進することで合意したと発表した。
 新日鉄住金ステンレス(NSSC)は17日、国内店売り向けステンレス冷延薄板(カットエッジコイル)と厚中板の1月契約価格を発表し、ニッケル系冷薄をトン1万円、厚中板を同2万円値上げする。ステンレス原料となるニッケル価格が上昇しているため。これにより板厚2ミリまでのニッケル系冷薄販売価格は54万5000円、板厚2ミリ超の厚手材は55万5000円となる。

 厚中板に関しては、薄板以上にタイトな需給状況を考慮しベース価格も1万円引き上げ、合計2万円の値上げとする。ニッケル系は2006年1月契約分から13カ月連続の値上げ。クロム系冷薄カットエッジコイル販価は19万5000円で据え置く。
 2006年度の国内鋼材生産(普通鋼・特殊鋼)が90年度の記録1億500万トンに迫る勢いにある。05年度は内需が堅調に推移したものの輸出減もあって鋼材生産は9800万トンにとどまったが、06年度は04年度の1億127万トンを上回ることが確実視されている。

 06年度の全国粗鋼生産は05年度の1億1272万トンから1億1750万トンに増加する見通し。最近の歩留まりから推定すると鋼材生産は1億450万トン前後に達し、直近のボトムとなった98年度の8400万トンと比較すると2000万トン以上増加することになる。
 中国最大手の宝鋼集団は16日、新疆ウイグル自治区の八一鋼鉄を買収することで合意した。宝鋼は八一鋼鉄の増資に応じて30億元(464億円)を出資し、69・61%を支配する。宝鋼は既存設備の拡張、国内メーカーの買収を通じて2010年には粗鋼年産4000万トンの実現が見えており、一貫製鉄所新設で5000万トン以上への規模拡大をめざす方針だ。