2007年05月25日(金)
 住友商事の金属事業部門は、2007―08年度の2年間で510億円の連結純利益を確保する計画だ。全社利益計画4700億円の11%を占める高レベルとなる。リスク・リターンは15%以上を確保していく。

 既存ビジネスの強化と新規ビジネスの積極的な展開を軸にするため、2年間でリスク・アセットを新たに290億円積み増し、総額で1500億円に引き上げる。
 韓国のPOSCOは23日、ベトナムで一貫製鉄所建設に向けた事業化調査でベトナム国営の造船メーカー、ベトナム造船公社(VINASHIN)と覚書を結んだ。40億―50億ドルを投じて400万―500万トンの製鉄所新設をにらむ。

 両社は需給に加えて、立地、港湾、技術、設備、原料確保について共同で調査して事業性を見極め、年末までに投資の是非を判断する。POSCOは内需の拡大に加えて、中国への輸出基地として発展するベトナムで熱延以下の工程に加えて、上工程に踏み出す可能性を探る。
 新日鉄住金ステンレス(NSSC)は24日、ステンレス線材について、6月契約からニッケル系(SUS304)で現行価格比トン15万5000円、クロム系(SUS410、SUS430)で同2万円値上げすると発表した。

 ニッケル系では原料となるニッケル価格が高騰しているため、クロム系では需給がひっ迫しているため、それぞれ販価を引き上げる。値上げはニッケル系が2006年6月契約から5回目で、トータル45万円、クロム系は同年9月契約から3回目で、トータル4万円となる。
 形鋼専業メーカーの東京鋼鉄(平嶋俊祐社長)は、2009年3月期までに25億円をかけて設備投資を実施する。競争力の維持・向上や環境対策の強化が狙い。昨秋は圧延工程にコンパクトミル(8億5000万円)を導入し、投資効果は年間5000万円に上っている。

 大型投資としてはフリッカー制御装置やトランスの更新を予定しており、環境負荷低減、コスト削減に力を入れる。予算化されていないが、今後は加熱炉を中心とした燃料のLNG化も視野に入れる。
 菰下鎔断(本社=大阪府貝塚市、菰下千代美社長)は前期(2007年3月期)の業績と今期(08年3月期)の計画を明らかにした。今期は売上高80億円強、経常利益は約9億円と前期比ほぼ横ばいを計画している。

 北陸事業所の稼働率を引き上げることで、全社の取扱量は年間7万5000トンと同3000トン増を予定している。また、岡山営業所(玉野事業所に名称変更予定)は工場を建設中だが、稼働は当初計画よりも少し遅れ、7月半ばとなる見通し。