2007年08月27日(月)
 神戸製鋼所・溶接カンパニーは、造船・海洋構造物向けを中心に世界規模で需要が拡大するフラックス入りワイヤ(FCW)のグローバル供給体制の強化に注力しているが、月産1万トンペースへの規模拡張が視野に入ってきた。05年度が同7000トン、06年度は同8000トンペースだった。

 国内、韓国、中国では船舶建造量が急増、欧米ではオイル・天然ガスなど資源開発の活発化により海洋構造物の建設が高水準で推移している。こうした中で溶接カンパニーはFCWの安定供給に向けて国内生産量を拡大するとともに韓国、オランダ、中国など海外拠点の生産能力を相次ぎ増強、北米現地生産に向けた事業化調査も急いでいる。
 栗本鉄工所は23日、100%子会社で飲料缶リサイクル事業を展開する栗本エンバイロ(本社=茨城県古河市、西村武敏社長)を関東地区大手鉄スクラップディーラーの田口金属(本社=東京都新宿区、田口武社長)に売却すると発表した。27日に売却実行を予定している。

 栗本エンバイロは1967年に栗本ヒューム管として設立。02年から飲料缶リサイクル事業を展開してきた。売上高は10億円(07年3月期)。
 三菱日立製鉄機械(本社=東京都港区、山崎育邦社長)は24日、三菱商事、日立製作所、ダニエリ・ウィーン・ユナイテッドと共同で、韓国の東部製鋼から年産能力250万トンの薄スラブ式熱間圧延設備を受注したことを明らかにした。

 東部製鋼が忠清南道唐津郡の牙山湾工場に6200億ウォン(約750億円)を投じて建設する年産250万トンの電炉製鋼・熱延工場に納入する。受注額は明らかにしていないが、100億円強とみられる。
 住金物産は24日、100%出資の米国現地法人、米国住金物産(SBIC)が米国のエアロスペース・メタルズ・アンド・スペシャリティー・アロイズ社(AMSA社)を事業買収すると発表した。米国で今後も需要の拡大が見込まれる航空機関連産業向けの特殊合金素材の販売に進出する。事業買収金額は約50万ドル(約6000万円)。AMSA社の営業権と資産の譲受契約を23日(現地時間)に締結した。
 経済産業省の2008年度鉄鋼技術関連予算概算要求は19億9000万円と前年度予算比11・8%の減額要求となる。新規案件は環境戦略のクール・アース50で革新的技術開発として進める「環境調和型製鉄プロセス技術開発」(水素還元製鉄プロセス)がスタート、08年度は6億円を要求、FS(事業化調査)に着手する。

 このほかプロジェクト2年目の「鉄鋼材料の革新的高強度・高機能化基盤研究開発」が要求額12億円(同45・4%増)、最終年度の「革新的構造材料を用いた新構造システム建築物研究開発」が1億9000万円(同横ばい)で継続される。予算配分を3プロジェクトに絞り、地球温暖化防止や省エネ対策などに重点化して取り組む。