2021年4月1日

「トップに聞く DOWAホールディングス 関口明社長」成長分野に積極投資 製錬・リサイクルで新たな連携

DOWAホールディングスは昨年来のコロナ禍を受けて、2018年4月始まりの3カ年中期経営計画を1年間延長した。一時的な需要の落ち込みや設備投資の一部遅れはあるものの、基本路線を変えずに最終年度に臨む。次期中計に向けては「環境」のキーワードを意識する。関口明社長に中長期戦略のかじ取りを聞いた。

 ――コロナ禍の影響度から。

 「操業面の影響は大きさも時間的な長さも比較的軽微で済んだ。環境・リサイクル部門では、インドネシアやタイで(廃棄物の発生減などの)影響が多少出たが、国内事業への影響はなく全体のダメージは大きくなかった。製錬部門では、コロナの副作用の一環で金属価格が大きく上昇し、事業環境がかえって良くなり収益を伸ばせた。グループ全体のコロナのダメージが大きく軽減された」

 「電子材料部門はコロナと関係なく一昨年の後半から半導体関連を中心に回復がみられ、現在も続く。ただ、われわれ自身の課題として新規商品の上市が遅れた。ここに来て新規商品のサンプル収入が増えたり、幾つかの商品が新たに量産化に移ったりして、収益の底を脱しつつある」

 「金属加工部門と熱処理部門は自動車関連の依存度が高く、コロナの影響を諸に受けた。特に4―6月期、さらに7月、8月ぐらいまでかなりダメージを負った。8月以降は両部門とも急速に回復した。今の見通しでは、金属加工はほぼ去年レベルの結果で年度を終えられそう。熱処理は前半のダメージが大きく、足元では昨年並みのペースに戻っているが、通期では19年度のレベルまでは戻らない」

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