鉄鉱石の海上貿易市場は、2012年も最大の輸入国、中国を軸に展開しそうだ。中国内の鉄鉱石生産は大きく伸びているものの、品位低下が著しく、数量、コストの面から一定の輸入増は避けられない。大手3社を主体に豪州、ブラジルからの供給増が見込めるものの、トン100ドルを超えるとみられる中国内鉱石のコストに下支えられた価格の下げ余地は限られる。
欧米など先進国の景気減速、新興国の成長鈍化で、過去最高だった11年の過熱感は薄れたが、世界的な景気の本格的な下振れなど、大きなマイナス要因がない限り、価格は高止まりしそうだ。