2016年4月11日

16年度鉄鋼業界、円高株安不安抱え幕開け

 2016年度の鉄鋼業界は、国際金融市場の混乱と国内景気の足踏みが続く中、株価は低迷したままで、円高基調が強まるなど、不安材料を抱えながらのスタートとなった。停滞する国内鉄鋼需要は第2四半期(7―9月)に動き出すと期待されているが、急速な円高は自動車など輸出産業の生産活動や設備投資に影響を与え、不安定な景気や株価低迷は個人消費意欲を減退させる。駆け込み需要を喚起する消費税再増税先送りの必要性を示唆する声も高まり始めた。経済産業省まとめによる第1四半期(4―6月)の粗鋼需要見通しは年率1億100万トンと極めて低水準であり、鉄鋼メーカー各社は実需と在庫水準を睨みながらの慎重な生産調整を迫られる。

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