2020年5月21日

鉄鋼主力商社 全7社が経常減益

 鉄鋼主力商社7社の2020年3月期連結決算が20日出そろったが、全7社が経常減益となった。米中貿易摩擦、中国やインド、ASEAN諸国の景気後退などを背景に海外鉄鋼市場が需給・価格調整局面入りし、新型コロナウイルスの影響も加わった。このため総じて鉄鋼製品の取扱数量は減少し、在庫評価損や減損処理が発生、人件費や物流費などのコストアップも響いた。新型ウイルスは南米やアフリカなど南半球で感染拡大が続き、先行して終息しつつあった中国や韓国では第2波が発生。世界経済や鉄鋼市場へのインパクトが本格化するのは今期であり、コロナ影響が見通せないとして全7社が業績予想公表を見送る異常事態となった。リーマン・ショックに見舞われた2009年3月期は全社(当時は8社)が経常減益となったが、大幅減益見込みながら全社が業績予想を公表していた。

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