2022年3月15日

タダノ メタルワンから鋼板加工子会社を譲受

 建設機械大手のタダノ(本社=香川県高松市、氏家俊明社長)は4月1日付けで、メタルワンから鋼板加工子会社メタルワンスチールセンター四国(MSC四国、香川県丸亀市)の譲渡を受け、「タダノコアテクセンター」を設立する。新会社トップには、タダノ・タイランドの三谷俊祐社長が就く。MSC四国の持つ鋼板の切断・曲げ・溶接といった加工技術を取り込み、タダノグループ内でクレーンブームの一貫製造体制を整える狙いだ。

 MSC四国は、旧日商岩井四国(現メタルワン西日本)の100%出資子会社、四国エヌアイとして1984年に設立。メタルワンの発足に伴い、05年に現社名へと改称した。本社工場には、3000トンプレスや溶断機など大型設備を備え、タダノ向けにクレーンブームやジブなど建機用部材を製作してきた。新体制移行後も製造基盤を引き継ぎ、鋼板加工事業を継続する。

 メタルワングループで四国唯一の鋼板加工拠点として、建機や造船向けを中心に厚板の切断、プレス加工、溶接などを手掛けていたが、近年は加工量が減少し、厳しい事業環境にあった。

 06年に丸亀市のストックヤードに第2工場を建設し、造船ブロック建造に進出。09年には、香川県多度津市に第3工場を整備し、加工能力を強化した。ただ10年代の造船不況を受け、業績が悪化。13年に第3工場を売却したのに続き、17年中にブロック建造から撤退。18年には第2工場も手放すなど、収益改善を目指し構造改革を進めていた。

 こうした中、経営の安定化やサプライチェーンの維持といった観点からタダノ傘下として新たなスタートを切るのが最適だと両社が判断し、今回の事業譲渡が決まったものとみられる。

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