2025年9月25日

大阪・関西EXPO/岡谷鋼機協賛のオランダパビリオン/設計者、「循環建築」で講演会/岡谷相談役も出席

岡谷鋼機は23日、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)で協賛するオランダパビリオンで、同パビリオン設計者のトーマス・ラウ氏の来日特別講演を開催した。当日は「サーキュラーエコノミーがもたらす未来」をテーマにした講演を、参加した建築や環境に関心が高い学生や教授ら約70人が熱心に聴講した。

講演に先立ち、岡谷鋼機の中根啓司取締役企画本部長は、「当社はトーマス・ラウ氏が提唱するサーキュラーエコノミーに賛同している。これからの社会を担っていく学生の皆さん、および指導する方々の研究、活動の一助となれば幸いだ」と、開催趣旨を説明した。

著名な建築家かつ起業家で、サーキュラーエコノミーの第一人者でもあるトーマス・ラウ氏は講演で、自身が手掛けてきたカーボンニュートラル建築やポジティブ・エネルギー建築、サーキュラー建築など、持続可能な建築を例に挙げつつ、オランダパビリオンも則った循環型のコンセプトである、建設物やその備品を「再利用可能な材料貯蔵設備(マテリアルデポ)として捉え、全ての材料の価値評価や再利用を可能とするマテリアルパスポート(素材や原材料1つ1つにIDを付与し、経済システムの中で永遠に循環させるための仕組み)を紹介。「将来的に建築部材は標準化され、その範囲内で個別化されていく」などと予測し、学生らに向け「地球規模の資源の枯渇、化石燃料依存という課題がある。未来は皆さんの肩にかかっている」と激励した。

この講演に、岡谷鋼機の岡谷篤一相談役が臨席した。岡谷相談役は、在名古屋オランダ王国名誉領事館の名誉領事を20年以上にわたり務める。

岡谷相談役は万博について「名古屋での万博から20年。どちらも地域の発展に非常なプラスになっている。特に今回は外国人が多く、この20年での日本の変化を感じている」とし、サーキュラーエコノミーを重視したオランダパビリオンについても「万博終了後、淡路島に再建され第2の命を吹き込まれる。そうした循環の精神を大切にしたい」とコメントした。







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