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2024.11.29
2022年8月12日
鉄鋼業界で働く/女性システム開発職編/インタビュー(下)/地域で親しまれる存在に
総合リサイクルのこっこー(本社=広島県呉市、槙岡達也社長)管理本部管理部システム開発グループのグループリーダー、松本麻衣子さんが、同社初の女性管理職として日々活躍している。希望して総合職に転換。現在は子育てと両立しながら業務にあたる日々だ。現在の業務内容、女性が働くことについての考え、今後の思いなどについて聞いた。
――総合職に転換されたとか。
「一般職ながら総合職と変わらない業務を行っていたこともあり、5年前に総合職へと転換しました。こっこーでは一般職は女性で事務、総合職は男性で営業や管理職という雰囲気があり、女性の総合職が少なかったんです。現在は社員297人のうち、女性は48人、総合職に絞ると私を含めて12人です。昨夏、社内初の女性管理職に就任しました」
――現在の業務は。
「昨夏から現職となり、社内全体で使用するシステムの更新に携わっています。生産管理や受注、ワークフローなど全てを変える予定ですね。文系の私がシステムを⁉と最初は戸惑いましたが、まずは現システムを理解し、各部署の希望や意見を聞くことから始めました。リサイクル事業には、他の業種にはなかなかない買い取りがあるほか、生活環境事業では卸売り・製造・物販・工事など多様な業務があります。これらを1つのシステムで管理する必要があり、ベンダーの選定がとても難しいです」
――これまでの経験が役立っている。
「採用担当だった時、学生からどんな質問をされてもいいように、いろんな部署を回って商材や仕事の流れについて教えていただいたんです。財務グループでは会社のお金の動きを学びながら、各部署とのやりとりやデータ入力を行っていました。さまざまな部署と連携した経験を生かせると思い現在の業務を命じられたようです。『みんなが使いやすいようにしてほしい。使う側の視点で新システムの導入を進めてほしい』という社長の思いを、しっかり受け止めています。システム開発業務を機に、各部署の動きをもっと知りたいと感じるようになりました」
――家庭との両立は。
「現在4歳の息子がおり、子育てと仕事を両立しています。認定子ども園に通わせていて、母の家から近いこともあり、迎えなどいろいろと助けてもらっています。また出産後も働き続けられている理由の1つに、短時間正社員制度の存在があります。産休・育休から復帰する際、とても不安が多いんです。夜泣きや発熱も頻繁にあるのに、フルタイム勤務ができるだろうか。遅刻や早退で会社に迷惑を掛けないだろうか。そんなママ社員のために作られた制度なんです。子育てや介護を理由に利用する場合、その期間の退職金などはフルタイム勤務と同じ扱いになります。私も復帰時、一時的にこの制度を利用していました。子供に慣らし保育があるように、働くママにも『慣らし復帰』が必要だと思います。復帰時は生活リズムがガラッと変わりますから。他企業にも普及してほしいです」
――女性が働くことについて。
「採用に関わっている時に、『鉄スクラップの営業を採るなら男性だろう』という声が社内でひそかにありました。今まではそれで良かったかもしれませんが、これからは違うのではないか?と感じています。大学までは男女平等だったのに、社会に出るとそうでなくなるのは何故だろう、とずっと気になっていました。男性の仕事と言われてきたさまざまな業種で、女性が活躍しているのを近年よく目にします。社内でもおかしいと思うことは変えていった方が良いのではと思い、発言するようにしています。身近なところだと、社内の来客・電話対応は女性社員が行う、という風潮がありました。以前から疑問を感じており、男女問わず若手が取った方が良いのではと提案しました。現在、管理本部から全社へと徐々に浸透させています。ビジネススキルの1つですし、基礎を知らないまま社会人経験を重ねていくのも不安だと思うので、しっかり対応できるようになってほしいですね」
――業界に女性が増えてほしいか。
「女性に絞って考えると差別意識を持っているように感じがするので、ジェンダーレスなども含め、性別に関係なく、働きたいと思った方が適材適所で活躍できる業界になればいいなと思います」
――業界にどう変わってほしいか。
「鉄鋼業界は力仕事、汚いといったイメージを持たれがちです。確かにそういう面もあるかもしれませんが、将来は自動化が進み、現場で働く方々の身体的負荷が減っていくのではと思います。業界が一丸となって、社員に優しい環境をつくれたら理想的ですね」
――今後の目標を。
「会社を広げていきたいです。BtoBなので知名度が低く、地域との関わりもまだ少ないです。今後は地域の方に親しみを持っていただける存在にしていきたいですね。総合リサイクル業ということもあり、生活ごみにも焦点を当てて分別や再生にも貢献できればと思います。広島市内に一時住んでいた時はごみの分別がとても細かくて驚きました。主婦目線かもしれないのですが、呉市の生活ごみも細かく分別し、こっこーも関わって再生に力を入れれば、お役に立てると思うんです。6月に社内で事業開発室が発足し、新規事業の社内公募が今後行われるようなので、提案を積極的にしてみたいと思っています!」
(芦田 彩)
鉄鋼業界で活躍する女性をはじめとした多様な人材、未来を担う人材を、随時紹介していきます。
――総合職に転換されたとか。
「一般職ながら総合職と変わらない業務を行っていたこともあり、5年前に総合職へと転換しました。こっこーでは一般職は女性で事務、総合職は男性で営業や管理職という雰囲気があり、女性の総合職が少なかったんです。現在は社員297人のうち、女性は48人、総合職に絞ると私を含めて12人です。昨夏、社内初の女性管理職に就任しました」
――現在の業務は。
「昨夏から現職となり、社内全体で使用するシステムの更新に携わっています。生産管理や受注、ワークフローなど全てを変える予定ですね。文系の私がシステムを⁉と最初は戸惑いましたが、まずは現システムを理解し、各部署の希望や意見を聞くことから始めました。リサイクル事業には、他の業種にはなかなかない買い取りがあるほか、生活環境事業では卸売り・製造・物販・工事など多様な業務があります。これらを1つのシステムで管理する必要があり、ベンダーの選定がとても難しいです」
――これまでの経験が役立っている。
「採用担当だった時、学生からどんな質問をされてもいいように、いろんな部署を回って商材や仕事の流れについて教えていただいたんです。財務グループでは会社のお金の動きを学びながら、各部署とのやりとりやデータ入力を行っていました。さまざまな部署と連携した経験を生かせると思い現在の業務を命じられたようです。『みんなが使いやすいようにしてほしい。使う側の視点で新システムの導入を進めてほしい』という社長の思いを、しっかり受け止めています。システム開発業務を機に、各部署の動きをもっと知りたいと感じるようになりました」
――家庭との両立は。
「現在4歳の息子がおり、子育てと仕事を両立しています。認定子ども園に通わせていて、母の家から近いこともあり、迎えなどいろいろと助けてもらっています。また出産後も働き続けられている理由の1つに、短時間正社員制度の存在があります。産休・育休から復帰する際、とても不安が多いんです。夜泣きや発熱も頻繁にあるのに、フルタイム勤務ができるだろうか。遅刻や早退で会社に迷惑を掛けないだろうか。そんなママ社員のために作られた制度なんです。子育てや介護を理由に利用する場合、その期間の退職金などはフルタイム勤務と同じ扱いになります。私も復帰時、一時的にこの制度を利用していました。子供に慣らし保育があるように、働くママにも『慣らし復帰』が必要だと思います。復帰時は生活リズムがガラッと変わりますから。他企業にも普及してほしいです」
――女性が働くことについて。
「採用に関わっている時に、『鉄スクラップの営業を採るなら男性だろう』という声が社内でひそかにありました。今まではそれで良かったかもしれませんが、これからは違うのではないか?と感じています。大学までは男女平等だったのに、社会に出るとそうでなくなるのは何故だろう、とずっと気になっていました。男性の仕事と言われてきたさまざまな業種で、女性が活躍しているのを近年よく目にします。社内でもおかしいと思うことは変えていった方が良いのではと思い、発言するようにしています。身近なところだと、社内の来客・電話対応は女性社員が行う、という風潮がありました。以前から疑問を感じており、男女問わず若手が取った方が良いのではと提案しました。現在、管理本部から全社へと徐々に浸透させています。ビジネススキルの1つですし、基礎を知らないまま社会人経験を重ねていくのも不安だと思うので、しっかり対応できるようになってほしいですね」
――業界に女性が増えてほしいか。
「女性に絞って考えると差別意識を持っているように感じがするので、ジェンダーレスなども含め、性別に関係なく、働きたいと思った方が適材適所で活躍できる業界になればいいなと思います」
――業界にどう変わってほしいか。
「鉄鋼業界は力仕事、汚いといったイメージを持たれがちです。確かにそういう面もあるかもしれませんが、将来は自動化が進み、現場で働く方々の身体的負荷が減っていくのではと思います。業界が一丸となって、社員に優しい環境をつくれたら理想的ですね」
――今後の目標を。
「会社を広げていきたいです。BtoBなので知名度が低く、地域との関わりもまだ少ないです。今後は地域の方に親しみを持っていただける存在にしていきたいですね。総合リサイクル業ということもあり、生活ごみにも焦点を当てて分別や再生にも貢献できればと思います。広島市内に一時住んでいた時はごみの分別がとても細かくて驚きました。主婦目線かもしれないのですが、呉市の生活ごみも細かく分別し、こっこーも関わって再生に力を入れれば、お役に立てると思うんです。6月に社内で事業開発室が発足し、新規事業の社内公募が今後行われるようなので、提案を積極的にしてみたいと思っています!」
(芦田 彩)
鉄鋼業界で活躍する女性をはじめとした多様な人材、未来を担う人材を、随時紹介していきます。
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